３月１０日、日本NPOセンターの主催で、経団連１％クラブの後援、中央共同募金会の共催で、「NPOと企業の対話フォーラム」というのが開催されていました。冷たい雨が降る中でしたが、会場となった新霞ヶ関ビルには、おそらく２００名前後の方々が参加していました。

私も、午前１０時半のオープニングセッションから、午後７時の懇親会の終了まで、みっちりと参加させていただき、大変密度の濃い時間をすごさせていただきました。

この「企業とNPOの対話フォーラム」ですが、企業のCSR担当者とNPO関係者が一同に会して様々なテーマを語り合うということで、なかなか興味深いものでした。

このブログでも、この集まりで私なりの「気づき」を得たことを順次紹介していきたいと思いますが、企業とNPOの連携を考えるうえで、やはり、絶対忘れてはならない基本的考え方をひとつ再確認しました。

それは、参加者の大和證券グループのCSR室次長の方もおっしゃってましたが、企業とNPOはそれぞれ、違うミッションを持っているということです。「そんな当たり前な」といわんといてください。一番肝心なことは、企業、NPOがそれぞれのミッションの違いを理解しつつ、共通にやりたいことを協力してやるという考え方をきちっと守ることが大切だということです。

例えばNPO側が、何かで企業と協力してイベントをやるとします。同じイベントを協力してやるにしても、企業側、NPO側で、当然、そもそもの存在意義は違うわけですから、ひとつの活動を一緒にやるからといって、相手側のミッションや考え方に完全にシンクロすることは不可能ですし、必要性も無いでしょう。そこで、例えば企業側が、「お金を出すんだから、こちらの思い通りに動いてもらわないと」というような業務委託でもする感覚ではうまくいきませんし、逆に、NPO側も、「一緒にイベントをやる以上、我々の活動の意義を理解して、その社会問題の解決に企業としても更に積極的に努力するべきだ」と考えたりしはじめると、お互い微妙なバランスが崩れてきます。お互いは、違う目的で活動していても、双方がWin-Winとなる接点で協力するという感覚が重要ですね。

＜ファンドレイズの技＞
一、企業との連携にあっては、自分たちのミッションへの完全な同調を求めるのではなく、双方がWin-Winとなる接点のみでの協力をまず考えるべし