ファンドレイジング道場

民間非営利組織(NPO)や社会起業家のファンドレイジング(資金調達)についての考え方、アイデア、事例などを発信しています!

カテゴリ: ―成・委託型FR

さて、助成金獲得続編です。これで連続5日目ですので、2月28日からの過去ログもご参照ください。

助成金をゲットするためのやるべきこと&やっちゃいけないこと、ちょっとまとまりがないかもしれませんが、順不同でいきます。まず、今日は「やるべきこと」

やるべきこと

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 えーと、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、事業の受益者について、描写するときに、数字であげて、何人を助けるとか、どの規模のサービスを提供するという説明も重要ですが、もっと大切なのは、受益者そのものを人間として描写することだと思います。人間の心理として考えると、外部の刺激に対して、人間の脳は論理的思考の部分が活動する以前に、感情を司る部分が活動するといわれています。用語も、機械的な言葉よりは情熱を感じる言葉を交えるのがポイントです。

⊆分の団体を説明する部分では、オンリーワンを強調する
 アメリカで、助成を行っているNPOで働いていたとき、数多くのNPOからの助成金申請を見ましたが、非常に多くのNPOが「We are the only one organization that ---」というような表現を使っていました。このアピールの仕方は、助成金を審査する側にとって、その団体の活動に興味をいだかせるきっかけになることは事実ですね。「いや、ウチの活動は、他にもやってるところあるよ。そんな、オンリーワンなんていえない。」という声も聞こえそうですが、本当にそうでしょうか。活動がユニークでなくても、例えば地域で唯一とか、サービス提供の仕方でちょっと工夫しているとか、何かないでしょうか。一度活動や組織を棚卸して、もし、そうしたユニークさがあれば、そうした点を是非強調することをオススメします。

F匹濕蠅法◆峇望」を感じさせる 
これも、人間心理として、「マイナスをゼロに戻す」という発想より、「少しでもプラスになる」という表現の方が希望を感じるものです。NPOのプロポーザルの中には、活動の受益者の困難な状況や、活動の意義は一生懸命記述してありますが、その事業を通じて見えて来る「希望」の描写がおざなりとなっているものがあり、そうしたものでは、読後感の印象が変わってきます。

Output とOutcomeの違いを理解する
 事業評価などを勉強された方はご存知かと思いますが、Outputというのは、Inputい対して生じる直接的な変化です。例えば100万円投入してある研修を行ったら、50人の職員に対して、ロジカルシンキングのトレーニングができたというようなのがOutputです。Outcomeは、そのトレーニングで50人がロジカルシンキングのスキルを身につけた結果、業務マネジメントにどのような変化が起こったかのことをいいます。プロポーザルで表現し忘れないようにするのも、このOutcomeの部分です。

コ萄眞弔覆匹、どれだけ間接コストを許容するかをチェックすること
 事業には、人件費や管理経費など、間接コストが必ずかかります。しかし、注意が必要なのは、各助成機関によってそうしたものの許容範囲が違います。そうした許容範囲は必ず確認したうえでプロポーザルの予算を作成しないと、いくら良い活動でも審査を通ることはできません。

Δ修譴任癲∨一審査を通らなくても、フォローアップする
 審査を残念ながら通らないこともあります。いくら完璧なプロポーザルを書いても、競合相手もあるし、その助成機関の好みもありますから、いつもうまくいくわけではありません。でも、プロポーザルが落ちたら、やるべきことが3つあります。

第一に、サンキューレターを出すこと。審査してもらったことへの感謝と引き続きよろしくお願いしますという趣旨の手紙を出しましょう。そうしたことのきちっとできるNPOは、ステークフォルダーを大切にしているNPOという印象をもたれます。

第二に、他の助成機関への申請に振り替えましょう。出来れば、最初のプロポーザルの作成段階から、3つ程度の助成機関を想定しておき、それぞれの様式にうまく流用できるような作成をしておくと良いですね。折角作ったプロポーザルですから、他の団体に持っていきましょう。

第三に、もう一度情報を収集し、第三者のアドバイスももらって、もう一回同じ助成機関にもトライしてみましょう。中には、落選の理由を教えてくれるところもあります。一回や二回であきらめてはいけません。必ずいつかは助成は獲れます。

えーと、ちょっと思いつくままですが、今日はこのくらいで。

次は、「やってはいけないこと」を少し考察してみます。
 






 

今日は、助成金が獲れた後の話を少し。

助成金って獲れると嬉しいですよね。一気にどーんと何百万とか何千万とか入ったりして。モノによっては向う2〜3年分コミットしてくれてたりして、本当にほっとしますよね。

でも、私は、ここからが、成長できるNPOと成長できないNPOの差だと思います。

助成金で、大きな金額を得ると、まず、プロポーザルの計画どおりに、きちんと使わないといけないという意識が働きます。そのことはそれ自体、とっても大事。

でも、そこで忘れてはいけないのは、

 助成金を「消費」するのではなく、「投資」するという発想

だと思います。どういうことでしょうか。

「投資」って何も株を買えって言うんじゃないです。

例えばこういうことです。経営には、人、モノ、カネ、情報が必要だとかいいますよね。助成金で得ることができるのは、カネ、とせいぜいそれを使って購入できるモノとなります。そこで、助成金を「消費」することに精一杯になっていると、その助成金を使った事業を通じて、更に人的なネットワークや、支持者、ボランティアを増やしていく(「人」)とか、情報発信を通じてネームバリューをあげるとか、ノウハウや活動に必要は情報ネットワークを構築するといったこと(「情報」)の戦略的な先行投資の発想がおろそかになりがちです。

つまり、助成金はいつかは終わるんです。終わったら活動も停滞しないようにするには、助成金というテコの力があるうちに、団体の底力(経営資源)をいかに増していくかを計画的に考えておかないといけません。

助成金を使ってちょっと事業が大規模になる期間中に、メディアへの露出を狙うとか、企業への連携を働きかけるとか、専門力のある有識者や著名人を巻き込むとか、いろいろできることはあります。企業や有識者も、折角関係するなら、ある程度インパクトのある規模で事業を展開しているNPOということになりますから、助成金を取れているうちは、そのNPOの本来の実力以上の「見せ方」が出来る時期なのです

そのチャンスを活かして、将来を見越して「投資」するということです。

もう少し具体的には、助成を得ている期間中に、活動の外部発信、有識者や企業の巻き込み、ボランティア・会員・寄付者の拡大をパッケージにして、今までより一段階レベルアップして取り組むということが大切です。


助成金を得るにはどうしたらよいのか?
NPOにとって、このテーマは、活動の充実を図るうえで避けては通れないものです。

先日、私がマネジメントをお手伝いしているNPOが、助成金をゲットできました。金額としては、3年間、計4千数百万のもので、そのNPOとしては、過去例の無い規模での助成獲得となりました。

何故、今回、うまく助成金が獲得できたのかを分析してみました。実は、この団体のプロポーザルは、同じ助成機関に一度提出して、選考の結果却下された過去があります。そのため、このNPOは再度内容を見直したうえで再提出して、2度目にして見事助成を得ることができたという点で、事例として参考になると思います。

一般的には、助成金獲得のためのプロポーザルで必要な要素は次の5点だといわれています。
〔榲の妥当性
∋業(企画)の実現性
M住擦寮姐臉
だ莇鄒・独創性
ゲ餬廚瞭明性

この中で、以外と忘れられがちなのが、「予算の整合性」の点ではないでしょうか。事業を実施するうえで必要な体制や見通しがきちんと分析されていないと、審査する側からみると、詰まっていない計画のようなイメージをもたれてしまいがちです。上記の資金獲得できたプロポーザル作成にあたっても、事業計画と予算の整合性がきちんと取れるように、かなり配慮しています。

さらに、もう少し各論に入っていくと、一回目の申請と二回目の申請では次のような点を変更しています。こうしたことが助成金獲得にとってプラスであったと考えられます。

事業内容の説明や成果について、5W1Hをはっきりさせたこと。事業計画のいつ、どこで、誰に対して、何を、どのような形で実施するのかをできるだけはっきりさせることで、具体的な事業のイメージや実現性を印象づけることができます。一回目のプロポーザルは、事業の説明はしっかりやってはいましたが、具体的な5W1H感は相対的に無かったといえます。また、成果の記述をより明確にしています。

△修僚成機関の期待する事業イメージを更に把握していくと、「ある特定のタイプの事業が含まれている場合には、優先順位が低くなりがち」とか、「ある特定のイシューに事業成果が波及するということが明示されていると評価が高まりがち」という、助成募集要項などだけでは分かりにくい行間の情報が入ってきました。そのため、一回目のプロポーザルに入っていた事業の一部を独自事業分に移し、助成対象プロポーザルからは外したり、活動と成果の内容を若干見直ししました。

事業全体を見ると、様々な活動から構成されています。それぞれ、受益者にとって重要な活動ですが、一回目のプロポーザルでは、夫々の活動が独立しているようなイメージで、「シナジー感」が欠けていました。そのため、ひとつひとつの活動が関連し、相乗効果(シナジー)を発揮するような「シナリオ感」を明確に打ち出すようにしました

そして、これは一回目のプロポーザルから実施していたことですが、事業の一部は独自事業(自己資金)で行い、助成金部分と一体として行うことを示し、自立発展性や自助努力を強調しています。

上記のようなことが、このNPOにとって助成金獲得へのプラス要因に働いたのではないかと思います。

あと、忘れてはいけないのが、「一度敗れても、またチャレンジする」という姿勢ではないかと思います。

これまでご紹介してきたのは、テクニカルな側面としての助成金獲得に参考になりそうな話です。もちろん、事業自体の目的の妥当性や、団体としての専門力、体制、実績といった、ベースとなる部分がしっかりしているというのは必要で、そうした点については、一朝一夕では解決しないので、その点については言及していません。ただ、実際には、甲乙つけがたい多くのNPOの中で、助成審査が行われることが多いですので、その中で差が出るのはどういった点かという視点でご参考になれば幸甚です。

2月28日に引き続き、「助成金を獲る」パート2です。

助成機関情報
助成って欲しいけど、どないしたらもらえるんやろ?という方から、既に助成金の獲得には何度か成功されているけれども、更に助成金獲得を安定的に行いたいという方まで、助成金獲得には、様々なレベルの悩みがあると思います。

そこで、まずは、ベーシックな話から入ります。

助成金に関する情報は、このブログの「オススメLink」でもご紹介しています、助成財団やシーズのWebや、助成財団が隔年で発行しているDirectory(900以上の助成財団が掲載されています)が基本情報として活用可能な情報源ですね。

ただ、こうした情報はベースとしては有益な情報ですが、実際の助成獲得につなげるには、もう少し、側面情報というか、行間の情報というかが必要になります。

例えば、その助成団体は、どんなタイプの事業が通りやすいのか、どういう点を審査でしっかり見るのか、過去の助成での成功(失敗)体験とはどんなものなのか、実施中にどんなコミュニケーションを求めてくるのか、など。

そうした情報は、これまでその助成団体からの助成を受けたことのあるNPOから入手するか、直接聞くことになります。最近では、助成財団の方もいろんなシンポや勉強会で講演されていたりしますから、狙っている財団の関係者が発表しているときには、ねらい目かもしれません。余談ですが、私も、アメリカのNPOで働いていた際、こうした助成機関の調査をやって、支援してくれそうな団体を探したことがあります。アメリカはすごく沢山助成機関があるので、簡単に助成金を獲れるかというと、その実、NPOの数も多く、助成金獲得テクニックは非常に高度化しているので、競争は大変激しいものでした。そこで、やはり勝負を分けるのは、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」というものでした。各スタッフが非常に地道に助成財団の担当者や他のNPOから情報を集めて、「相手の真意を探る」作業をしていたことを思い出します。

助成機関の視点
 助成側の機関として、助成審査で何を重視するかというのは、それはもう千差万別ですが、ひとつだけ、絶対外せないのは、「自分の機関の助成の趣旨にあっているかどうか」という点です。ただ、ここで注意が必要なのは、「趣旨」というのは、助成機関のホームページ上で公開されている趣旨文だけでは読み取れない行間がありますので、上段でも申し上げたとおり、「助成機関として、助成を通じてどうなりたいのか」「ステークフォルダーにどう見られたいのか」というようなところまで、それこそ、助成機関側の職員の立場にたった気持ちで理解するというスタンスが肝要です。

 また、以前、某メーカー系大手財団の方がおっしゃっていたことをご紹介しますと、助成金自体は、多くは一過性のものなので、助成財団としては、ヽ萋阿領ち上げ段階、活動が発展(次のレベルに新展開する)段階、事業の終了などの取りまとめ段階の3つのステージが助成しやすく、NPO側としては、どの段階に助成を求めているのかを絞込み、明確にした方がよいとのことでした。

 やはりここでも、「ウチのNPOはこんなにいいことやってるんだから助成して」という、「善意期待型」ではなく、「ウチに助成すると、そちらにもこういうメリット(これは、別に直接的な見返りのことを言っているのではないです)があるでしょう」という、助成機関にWin-winの関係を提案するという視点で助成を求めていくという「助成提案型」のアプローチをするつもりで取り組むことが理想的といえます。

まあ、「あるべき」論は、このくらいにして、明日は、もう少し助成金獲得のノウハウについて考察してみます。



さて、そろそろこの道場でも助成金の獲得について取り上げ始めましょう。

先日(2月26日)のこのブログでも、起業の観点から収入源のポートフォリオの話を少ししました。これについては、NPOのそれぞれの特性に応じて、いろいろなバランスがあるのは事実ですが、まあ、一般的なバランス感としては、

寄附・会費収入        3分の1
助成金・政府委託金などの収入 3分の1
事業収益           3分の1

というのがひとつの目安になると思います。事業系メインのNPOであれば、半分以上事業収益というところもあるかもしれませんし、いやいやウチは会費でほそぼそと運営していますというところもあるでしょう。他方で、結構最近多くなってるのが、助成金や政府からの委託金が収入のメインとなっているNPOですね。

こうした助成金や政府の委託ですが、なんと言っても魅力は、金額がどどーんとでかいこと。ホンマはこんなことは考えてはいけないんでしょうけど、正直いって、一生懸命プロポーザル書いて、OKもらえれば一千万円!とかいうのは、会員ひとりひとりを手間かけて増やすよりは手っ取り早い気持ちがするNPOがあっても、それは人情として理解できます。

しかし、こうした助成金を獲るには、当然ながらいろんな制約や潜在的なリスクもあります。

/柔舛靴唇幣紂⊃柔舛靴燭箸りに使わないといけない
 第一の制約は、普通に考えればあたりまえの話ですが、プロポーザルで「こんなことやりたいから金ください」と書いて承認されてますから、基本的にはそのラインに従って使わなあかんのです。「あたりまえやろ!」と言われそうですが、特に小さなNPOにとって、助成金獲得は確実に期待できるものでもないので、獲れてから初めて本当に詳細のオペレーションを詰めていくつもりのときってあったりします(もちろん、申請前にはざくっとは詰めてるんですけど)。その実施段階で、想定外のことが起こったりすると結構あせりますよね。かといって今更、「うまくいきません」ともいえんし、みたいな。

△海泙瓩粉麌軆犬瓠会員集めなどの「基礎体力づくり」を疎かにする
 これは、いわゆる「助成金依存症」という病にかかっちゃうということですね。助成金はとっても重要な活動資源ですので、基本的には、必要なものは申請していけばいいんですが、いくら会員勧誘しても、年間100万にもならない中で、1千万円とか助成がもらえるとなると、ついそちらに目が行きがちです。まあ、多くの助成金が、管理費見合いの部分は余り出さないようにしているので、その場合は自己資金を準備しないといけませんから、寄附や会費収入も疎かにはできないですが。

さわされど、助成金獲得というプロセスは、やはりNPOを育てると思うんです。NPOにとって、自分達の活動の意義、目的、そして実施方法や予算管理などの計画を明文化し、助成金審査のプロの目によって見てもらうというのは、とっても重要な成長の機会だと思います。何より、評価(助成するかしないか)がはっきりと分かるのがいい。うまくいくと、すごく自信になりますし、うまくいかないと、反省材料ができる。どっちに転んでも損なことはありません。助成財団などでも、落選理由はお答えできませんと回答しているところも多いものの、最近では、審査結果に加えて、どういったところを改善するとよいかといったことをアドバイスしてくれる助成機関もありますから、そういうアドバイスは本当に参考になりますよね。

助成については、ー分の活動にマッチした助成機関をどうやって見つけるか、△修僚成機関の期待することをどのように把握して、いかにwin-winの関係を構築するか、6饌療なプロポーザル作成のノウハウ といったあたりについて、これからしばらく触れていきたいと思います。





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