ファンドレイジング道場

民間非営利組織(NPO)や社会起業家のファンドレイジング(資金調達)についての考え方、アイデア、事例などを発信しています!

カテゴリ: ―成・委託型FR

4日は、せんだい・みやぎNPOセンターさんと日本財団さんが開催した「助成セミナー」に講師として参加してきました。

土曜日の午後、70を超える宮城近隣のNPOや公益法人の方が集まっていまして、冒頭の日本財団の尾形理事長のごあいさつの後、私からの講演、せんだい・みやぎNPOセンターの加藤代表理事の講演と続き、その後に助成説明と個別相談会・懇親会などがありました。

私にとって仙台ってとても特別な場所で、学生時代から、実家の神戸と学校のあった東京以外では最も訪れていた場所です。

その仙台でお話しする機会をいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。

今回の助成セミナーで印象に残ったことは・・・

‘本財団さんが今年からNPO向け助成の上限(百万円)を無くしたこと。このこと自体、NPOの社会認知の高まりを表すことですね。

△擦鵑世ぁΔ澆笋の加藤さんの話のうまさ。いやー、以前から存じ上げていましたが、先にやった私の講演を受けて、聴衆の視点での見事なまとめかた、ワークの内容の調整の仕方に感銘を受けました。流石だなあ。ご一緒できてホントにワクワクしました。

F本財団スタッフの皆さんの一生懸命さ。ホントに誠心誠意、NPO側の考えを聞こうというスタンスが見えました。1200件の申請に対して、600件の助成をつけるというイメージらしいですが、すべてOKにならないとしても、こうしたコミュニケーションがNPO側の企画力や提案力を高めますね。理事長の地域の善意の資金循環モデル構築への想いもお伺いしました。日本のすべての地域で資金循環モデルができるとほんとにおもしろいと思います。

い澆鵑澆鵐侫.鵐匹覆匹鯆未犬拭地域の中での資金循環のモデル構築への取り組み。これも以前からある程度は存じ上げてはいましたが、改めてお話を聞くなかで、加藤代表はじめ、支援してくれた企業などへの地道なコミュニケーションの積み重ねのうえに、そうした地域の資金循環モデルが成り立っていることや、立ち上げ段階での苦労話をお伺いしました。こうした資金循環のメカニズムは、立ち上げ段階では、実はNPO自体にその存在意義を理解し、情報提供などの面で協力してもらうことが大変です。

いやー、仙台での土曜日は、なかなか楽しい一日でした。

指定管理者制度の難しさの話を先日載せましたが、愛知NPOネットが受託している青年の家の運営管理の話を聞いて、非常にうまくいっているということで驚かされました。

これまで、1万5千人くらいの年間利用者数だったのが、この1年で2万人を超える数になり、完全に黒字化しているようです。こうした指定管理者委託って、事務だけの委託(受付と裏方事務の人数分の委託とか)もありますが、この愛知NPOネットのように、利用料収入は自分のところで計上できる、運営自体の委託もあります。運営自体の委託の場合は、利用者が目標に達しないと(この場合は、従来1万5千のところを契約時で1万7千で設定しているそうです)、赤字部分をNPO側が受け持つことにもなります。

そうした中で、それこそ、利用者に対して「利用許可証」というのを出していた従来のやりかたを、「お客さんに対して、『利用許可』はなかろう」ということで、「ご利用案内」という形に変えたり、受付の下に小さな手鏡を置いて、「にっこりわらってから」接客するなど、いろいろ取り組んだそうです。

こうした、指定管理者で大きな成功を収めているケースもあるんですね。勇気づけられました。

週末、飛騨高山にいっていました。雪がこんこんと降り注いでいて、久しぶりの飛騨高山だったんですが、今回は飛騨に拠点を置くあるNPOさんにお伺いして、中期計画策定について都合四時間ばかり講義とファシリテーションを通じて中期計画の内容の強化のお手伝いをさせていただきました。

面白いニュースを見つけました。

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2007年 10月にプロに転向したばかりの錦織圭( にしこりけい )ですが
デルレビーチ国際選手権でツアー初優勝したことで大騒ぎになっています。
テニス界の石川遼 テニス界のイチローと呼ばれる錦織圭の活躍の裏には
盛田正明テニス・ファンドの多大な援助のお陰と言う部分も大きいのです。

渡航費、学費、アカデミーの授業料、寮費、遠征費だけで初年度に
年間数百万円、2年目以降はプロコーチ費用を加えた年間約1000万円の
援助をしてもらっています。

盛田正明テニス・ファンドとはテニスに造詣の深かった盛田正明氏が
2000年に私財を投じて設立したもので
有望選手を発掘して米フロリダにあるアカデミーに留学させるシステムです。
(エンタメ芸能通信から)

この盛田さん、あのソニーの盛田さんの弟さんなんですね。

こうした、個人の財団を通じて、他人の「夢」を応援するというのがいいですね。

寄付のもうひとつのモチベーションって、「他人の夢」を応援することかなっていう気がします。

錦織選手の今後も楽しみですが、このテニス・ファンドも気になりますね。

国立大学の研究費は、「おかず」だけでなく「ごはん」も競争原理で配る。

朝日新聞にこんなタイトルの社説が載っていました。

「おかずは、研究者が「われこそは」と申請して勝ち取る競争的な資金だ。ごはんは、日常の研究費である。

 日常研究費は、大学がやりくりする。国立大の収入は平均すると、約半分が国の運営費交付金だ。その大部分は法人化前の教職員数や学生数などをもとに算定されている。研究を保障する「ごはん」の性格は、ここに由来する。」

記事の趣旨は、従来、一律的に交付金で大学に配られていた「ごはん(日常の研究費)」も「おかず(特別な研究活動への資金)」と同じように競争的に配分しようという、経済財政諮問会議の考え方はちょっとおかしいんじゃないか?という話です。

この社説の主張が正しいか、経済財政諮問会議の主張がよいかはともかく、これって、上手い表現だと思いません?

NPOが資金調達する際、寄付者にとっても「おかず」にどうしても目がいきます。でも、全体の食事をバランスよく、おいしく食べるには、「ごはん」も忘れてはいけない。

しかし、「ごはん」については、なかなかポジションがはっきりしないので、ついつい念頭からはずれてしまいます。レストランを選ぶときに、やっぱり気になるのは「おかず」の味ですよね。

でもときに「ごはん」がとてもおいしいと評判になるレストランもあったりする。うーん、なかなか意味深いたとえだなあ。

1月13日付の日本経済新聞に指定管理者制度の特集記事が載っていました。

この道場でも指定管理者制度については、「助成金・委託金」というカテゴリで何度かこれまで取り上げてきましたが、NPOの資金調達を考えるうえで、ひとつの大きなチャンスであるとともに、一歩間違えれば資金繰りの面で大変な苦労をしょいこむことになります。

同記事では、全国公立文化施設協会が昨年4月にまとめたところでは、公立文化施設の44.4%が指定管理者制度を導入し、民間の受注率は10%程度となっています。事実上、過去に実績のある団体と随意契約を締結しているケースが多いようです。

そうした中、サントリーが子会社として、サントリーパブリシティーサービス(SPS)という企業を通じて、文化施設の指定管理者として名乗りを上げるケースが各地で増えているようです。

サントリーホールの運営ノウハウを基に既に20ほどの公募に応じたそうで、SPSのように、企業戦略として指定管理者としての受託を狙っていく企業体が出てきています。サントリーにとっても、ビジネスチャンスでもあり、かつ企業の社会貢献的な要素もあり、まさにWIN-WINとなりうつビジネスモデルということでしょうか。行政サイドの強いコストカット要請も、10件以上まどめて受注すれば、規模の経済性でかなり効率的なコストカットができそうですね。

NPO法人にとっては、指定管理者制度も企業との競合に勝ち抜かなければならない状態が更にすすみそうです。企業とNPOの垣根はどんどん低くなっているという一例かと思います。


NPOジャーナルに掲載していた記事が目にとまりました。

「寄付金付きお年玉付き年賀はがき」の発行による平成18年度の寄付金の配分が7.2億円となり、これは334団体に配布されたそうです。これは、1団体あたり215万円相当となるので、結構いい金額ですね。申請件数は過去最多の1102件(うち、NPO法人数は313団体と5倍になった)そうです。

実質倍率は、約3倍と決して高くはないですね。

この寄付金付年賀はがき、従来は、「車両・機器購入」「施設改修」「冊子作成」といった物への配分が主流でしたが、近年では、NPOへの取り組みが重要になっていることから、人材育成、介護支援、普及啓発、調査研究などの団体の「活動」も配分の対象として拡大しているそうです。

この募金、「NPOジャーナル」によれば、一般から募集して配分するタイプの募金としては、共同募金、NHK歳末助け合い募金に継ぐ規模なんだそうです。昭和24年の戦後復興期に年賀寄付金はがきが発行され、長い歴史を持っています。

配分分野は、例年、社会福祉分野(81.6%)が多く、青少年の健全育成のための社会教育分野(11.6%)と続いています。

日本郵政公社の担当者によれば、「寄付金を注ぎ込みたい、と思えるような先駆的で新鮮なアイデアの申請を期待する」
と語っています。次回の公募受付は2006年10月1日から11月末日だそうですが、これはなかなかねらい目ですな。

先日の新聞に、文化庁が、今年度がら「芸術創造活動重点支援事業」の制度改善をしたことが、老舗の芸術団体に打撃を与えているという記事がでていました。

これまで、この「芸術創造活動重点支援事業」では、3年単位で評価し、年間34億円程度を助成していました。また、これまでの審査では、団体の歴史や継続性を重視してきたそうです。

他方、今年度からは、助成金額も35億から40億円に増加したうえで、事業内容をより厳格に審査したうえで助成先を判断するようにしたそうです。

その結果、例年の定番的な事業を申請した「老舗」を中心に、大幅な減額を強いられている反面、これまで助成を得ていなかった振興の芸術団体が独自企画を認めらるといったケースも出てきているようです。

「老舗」の東京フィルハーモニー交響楽団は、例年1億4千万〜5千万円の助成を得ていましたが、今年度は9750万円に減ったようです。

この文化庁の方針の変更ですが、色々ご意見があるでしょうが、中長期的には、芸術団体の意識改革や競争が促進されるという側面が期待できますので、日本の芸術の発展のためにはとてもよいことだと思います。ただ、どのくらい前広に方針転換について周知されていたかは疑問ですが・・・

35億程度の助成というと、日本の芸術団体にとっては、非常に大きな額ですので、もし、文化庁が助成方針を転換するとすれば、少なくとも1年前以上前から方針転換を予告して、芸術団体に対して独自企画の検討や、独自財源の開拓について準備する時間を与えておく程度の配慮は必要であると思います。

日本の芸術団体も、この機会に、助成と料金収入に加えて、個人のパトロン開拓に本腰をいれようという機運が盛り上がるかもしれませんね。今後の「老舗」芸術団体の動きに注目してみたいと思います。

昨日、国際協力NGOのシャプラニールの代表理事の大橋さんと、日本国際折ボランティアセンター(JVC)の高橋さんにお越しいただいて、講演会をやりました。

この講演会は、ファンドレイジングとは関係なく、日本の政府開発援助をどう変えていくとよいのかというようなテーマで、職場の同僚有志と企画した講演会でしたが、その中でも、講演内容に「NGOへの助成金が増えることは、本当によいことなのか?」という自問自答が含まれていて、「助成とNPO」についても考えさせられました。

日本では、いわゆる助成財団が弱い(アメリカの8万団体にくらべ、1200団体程度)ので、政府が業務委託や助成という形で流す資金フローの役割がどうしても相対的に大きくなります。

そうしますと、政府資金をあてにする団体が増えますので、「政府から独立した存在としてのNPO」という感覚がどうしても薄れてきます。こうした精神面・哲学面での課題がまず、出てきます。

また、政府資金は比較的大きなロットになりがちですので、NPO側もどうしても大きな助成に目が行って、ひとつひとつの個人寄付をないがしろにする感じがでてきてしまうという側面もあります。

こうした懸念を持ちつつ、いかにしてうまく政府資金を活用するかということが、日本型ファンドレイジングのひとつの特徴的なトピックなんだなと思います。

昨日でついに、100投稿達成!!

おかげさまで1月27日からの「毎日投稿」も何とか継続してきました。こんなマニアックなテーマのブログに多くの方がご訪問いただいて、大変感激しています。職場の同僚に、「えー、なにこのブログー!真面目すぎ〜」とか言われてますが、めげずにこれからも引き続き頑張っていきたいと思います。

さて、昨日、東京の新宿にある、助成財団センターにお伺いしました。

この助成財団、トヨタ財団や経団連が中心となって設立した、日本の助成型財団についての現状把握や情報発信、助成型財団向けの研修などを行っている団体です。

アメリカにもfoundation centerという、NYを本拠に、全米6都市に同様の「助成型財団情報」を集約して提供する機関があります。 助成財団の方によれば、日本でも、助成型財団が1000団体以上程度になっており、そのうち、年間500万円以上の助成を行っているのが650団体程度であったそうです。(ここらへんの詳しい話は「助成要覧2006」(助成財団センター発行)に出ています。この助成要覧には、921団体の助成事業の概要がまとめられています。9800円とちょっとお高いですが)

そんなところから、いろいろと話をしていて思ったことをいくつか。

―成財団の数と規模の問題  
えーと、とにかく、外国と比べてどうこうというのは、余りやってもしゃあないところもありますが、ファンドレイジングのインフラ環境整備のためには、必要なこともあります。ということで申し上げると、こうした助成財団、アメリカでは8万団体とかいうレベルで存在しています。規模としても、ビルゲイツの財団が年間助成額1300億円に対して、日本では、大阪府育英会の104億円がトップとなっています。助成財団トップ20の日米比較でも、日本の総額年間女性が249億円に対して、アメリカが6687億(!)と巨額になっています。

助成財団の制度上の限界  
こうした差を生むのは、「寄附の文化がないから・・」という、お決まりのキーワードでは説明しきれないものもあると思います。日本ですと、まず、税制。天下のトヨタ財団に寄附をしても、寄附者にとっては税制上の控除が認められない。これは大変厳しい。大阪にコミュニティ財団(市民の寄附をいったんプールして、NPOに助成するタイプの財団。アメリカでは1904年だったかにクリーブランドでCommunity Chestとして生まれました(現在のクリーブランド財団))が誕生しました。年間十数億集めているようですが、これも寄附者控除にはならないようです。いやー、これは市民の寄附をできるだけさせんようにしようという財務省の強い意思を感じますな。

「ファミリー財団」が作れない!  
あと、日本では財団を作るのが大変手間だし、主務官庁の審査も厳しい。お金持ちが、自分の名前を冠にした、「ファミリー財団」をつくって、社会に還元するというのは、アメリカのお金持ちの間で、一般的に見られる行動パターンですが、日本ではこんな簡単にはいきません。助成財団センターに対しても、お金もちから、「助成財団を作りたいが」というご相談をいただくことは増えているようですが、「なかなか簡単ではないですよ」とご案内せざるを得ない状況のようですね。 うーん、やっぱり厳しい。昨日の国会でも公益法人制度改革の議論がされていたようですが、今回の契機にこうしたところも改善してもらわんことには、なかなか日本の助成財団も活発化しないところですね。

ちなみに、助成財団センター発行の「助成財団要覧2006」(9800円)と「NPO/市民活動のための助成金応募ガイド2006」(2000円)ですが、助成財団の相当数が、奨学金支援などの直接NPOに関係のない支援でもありますので、NPOが助成団体を探すという目的にとっては、「NPO/市民活動のための助成金応募ガイド2006」だけを購入すれば十分だと思います。

市川市の1%制度の支援を受けた団体からの評価について考えて見ます。

市の実施したアンケートによれば、制度については、「改善すべき点は改善してよりよい制度にしていくべきである」(83.3%)、「よい制度であり、現在の内容を変えずに続けるべきである」(15.3%)となっていて、「よい制度とはいえない、やめるべきである」(1団体、1.4%)となり、全般的に、改善するべき課題はありますが、好評なようです。

納税者に参加を限るのか、非納税者も参加できるような制度にするべきかについては、「税金を納めていない人も、制度に参加できるようにすべき」(46.5%)、制度に参加できる人は、当然、税金を納めている人に限るべき」(38.0%)と、両論分かれているという印象です。

このアンケート結果踏まえて、今回の市川市の取り組みの成果はどう整理できるでしょうか?現時点での私なりの整理は次のようなものです。

.灰好般未任蓮非常にうまく努力した
 この1%制度を導入するうえで、市川市がたてた3つの原則が、「コストをかけずにやる」「納税者が手間をかけずにできるようにする」「不正がおきないシステムをつくる」ということであったようです。実際、一番大変なのは、納税者の「意思確認」をどうやってやるかという点です。システム化しようとすると、何億円もかかってしまったりして、たかだか2千万とかの補助金のためにそれだけのお金を使うのは全く見合いません。そこで、市川市が取った方策が、市の広報紙に届出用の封筒を刷り込む形というものです。住民は、そこから、「選択届出書」を切り取って必要事項を記入したうえで、自分の納税者番号を記入のうえ、提出するというものでした
 初年度の支援希望者数からすると、PR方法は改善の余地がありますが、よく考えたアイデアだと思います。
 ただ、どこまでいっても、「たかだか(目標)3000万円の事業に、いくらコストをかけるのか」という点は課題となります。

納税者の意識を高める 
 今回の取り組みにあたって、市側には、自分の税金の使途を直接決めるという象徴的なプロセスを体験することで「納税者の納税意識を高める」という副次的な目的を設定していました。こうしたことについては、短期的には成果を測りにくいですが、一定の成果があったのではと思います。それは、例えばこの制度導入にあたって市川市が各地で開催したセミナーや支援団体の公開プレゼンテーションなどに、1回で200人とかの市民が集まっている状況からも、「税」というものについての意識を高める効果はあったのではないかと思います(普通、市が「税金を考えるセミナー」なんか開いても、20人くらいしか来なさそうですよね)

市民とNPOの間の「意識上の壁」を低くする効果があった。
今回、81団体は、市の広報紙にスペースをもらって、団体の活動を紹介したり、公開プレゼンテーションや地元のCATVでの放送、ミニFMでの紹介など、限られた時間やスペースとはいえ、非常に多くの機会で、市民に活動を説明することができました。また、市民自体も、実際の自分のお金の使途の選択という形で、「どの活動が支援したいか」を一瞬でも「考える」経験を積んだわけです。
 私は、このプロセスの効果は大きいと思います。日本社会では、まだまだNPO支援も「食わずぎらい」の側面がありますし、NPO側も地域社会との接点の面で弱いところがある。そうしたなかで、こうした「場」の提供は大きな効果があったと思います。

と、効果としてあげられる側面もありつつ、昨日もご紹介した課題をどう克服していくかということになります。いつの日か、日本でも「そういえば、昔こんなことをやっていてね・・」と語り合えるくらい、NPOの支援や寄附が社会に定着する日を夢見て、引き続き、この道場でも「鍛錬」していきます。

さて、1%条例の続編です。

辻井さんのコメント、ありがとうございます。

1%条例に基づいた支援金が、事業遂行にかかる経費の2分の1に限定されています。そのため、寄付の使い道として、組織の基盤にあてたいというニーズに対応できていないのではないか、また、専従者の人件費が確保できれば、事業や寄付集めもうまくいくだろうと思われるNPOはたくさんあるのではないかというご趣旨のコメントです。

市川市の1%条例、初年度の取り組みを終えたところですが、辻井さんのコメントのとおり、いくつかの課題が指摘されています。それをここで整理してみましょう。

〇抉腓鬚Δ韻訝賃里凌該佐霆爐あいまいすぎないか
 実は、初年度の支援希望団体の申請は、83団体あって、81団体が支援を受ける先としての承認を受けています。「市民が最終的には選択する」ということもあり、審査委員会では、よほどのことがなかったら審査を通したそうですが、その過程で、委員の間では、「年に1回か2回活動しているだけのボランティアサークルでも支援先となるのか」「町内会で蛍光灯を買うのも事業として認められるのか」「テニスサークルでラケットを買うのでもいいのか」ということについてかなり意見があったようです

∋業遂行にかかる経費の2分の1に限定されている
 NPO活動に対する助成・補助金の永遠のテーマがここでも出てきます。1%条例の補助金は、「団体の維持・運営にかかる経費(人件費・食料費・事務所家賃・光熱費など)」を一切みないことになっています。使途は、事業遂行に直接かかる経費(講師料、会場借料、設営費用、チラシなどの印刷費)に限定されています。
 私の働く国際協力業界でも、政府とNGOの間で、「どこまで運営経費を認めるか」というのは、常に議論になるところですが、昔はさておき、最近では、政府機関や助成財団の理解も進み、「いい仕事をするには運営経費も重要」という観点から、「助成申請の30%までは人件費などを計上してもよい」などの基準を定めるようなケースが多いようです。その観点からは、市川市の基準は、確かに大変厳しい。

 今度取材してみますが、恐らく、初回ということもあり、高額納税者が身内に利益を還元するような事態を避けるということや、市民の間に、NPOなどの活動の運営費を支援するという「発想」がまだ育っていないのではという恐れから、これだけの緊張した感じの基準になったのではと推察します。(私も寄附集めをしていて、寄附者から、「途上国の子どもに直接使ってください。NPOの運営のために使わないでください」というようなことを言われることは、残念ながら、まだまだありますね。)

G疾納圓靴選択権がない
 「非課税者(非納税者)の意思が反映されないのは、市民の行政参加にあたっての平等の権利を侵害しているのではないか。」という指摘があります。これは、結構、根本的な問題です。現に、これまでもいくつかの自治体で、こうした批判があって、導入を見送っているところがあります。
 特に、貧困世帯などでは、納税を免除されていますので、そうした世帯では、この支援金の支援先を選定することは出来ないわけです。これまでどおり行政が決めれば、一応、建前上は、議会がそれをチェックすることができ、市民は議員の選挙を通じて、「平等」にそれをチェックできるということになります。

 この3つめの点については、制度論としては、反論の余地なしです。うーん、しかしなあ・・・なんか、なあ・・・
 私見ですが、日本のNPOセクターの弱さも、日本の納税者の納税意識の低さも、日本のように経済的にも社会的にも成熟した社会としては、ちょっと考えられないくらいのレベルだと(残念ながら低いという意味で)思います。日本で生活する我々がもっと幸せになるために、なんか、そんな悠長なことを言っている場合ではないようにも思っています。日本における資金仲介機能は、弱すぎで、NPOと地域社会との間の距離も開きすぎです。もし、こうした状態を改善する一助となるならば、行政としても果たすべき役割があるのではないかと思います。

 主な課題の整理としては、こんなところでしょうか。この市川市の1%制度、チホウ政治ジャーナルに調査レポートが掲載されています。大変包括的に分かりやすくまとめていますので、一読の価値ありだと思います。

昨日ご紹介したハンガリーの1%制度、日本では千葉県の市川市が第一号で導入して話題となりました。平成17年度から開始し、個人市民税の1%を納税者が選んだNPOなどの活動支援に充てられるという点では、ハンガリーの制度と同様です。

支援を希望する団体は、市に申請をして、納税者がその団体の中から支援先を選定しますが、初年度は、6千人の納税者が支援の意思を表明して、約千三百万円の補助金が交付されたそうです。

しかし、この制度、他県でも検討が進みますが、なかなか踏み切れない自治体が多いようです。それは、やはり仲介コスト面での費用対効果感がネックとなっているようです。市川市でも、22万人の納税者のうちの6千人ですから、当初想定していた1割(2万2千人)にも満たない状況ですので、「納税者の3%程度の人のために、事務コストをかけて寄附仲介をするのか」という批判が出てきかねないという懸念があります。せめて1割の参加を募るというのが「損益分岐点」といえるでしょうか?

しかしながら、4月2日の北海道新聞で、札幌市が、2006年度中に策定を目指している、「市民活動促進条例」において、この1%制度を導入するという動きが報じられました。札幌市の場合、年間の個人市民税が740億円程度らしいですから、全ての納税者が1%制度を利用すれば(こんなことはありえませんが)、7億以上が補助金となります。

札幌市の場合、市民に限らず、幅広く寄附を受付、受け皿となる「基金」を創設して、市民活動の原資とすることも決定しました。この取り組みも非常に画期的で素晴らしいと思います。

日本社会においては、これまでもこのブログでもご紹介しましたが、こうした「資金仲介機能」は、非常に弱いところです。他方で、行政機関の社会的信用は一定レベルでありますので、こうした、行政が税金を仲介したり、寄附を基金化して仲介したりという機能は、日本型の寄附モデルとしては、社会的に必要性が高いものだと思います。

ぜひとも、先行している市川市や札幌市に、こうした取り組みで成功していただき、幅広い自治体に広がることを期待しています。また、札幌市の寄附を受け入れる「基金」についても、注目していきたいと思います。

アサザプロジェクトというのをご存知でしょうか。

1995年にはじまったこのプロジェクト、茨城県の霞ヶ浦という、日本でも2番目に大きな湖の湖岸植生帯の復元、放棄水田を生かした水質浄化、水源の山林の保全などを、環境教育や保全生態学お先端研究と一体化しながら流域全体で展開しています。

このプロジェクト、「市民型公共事業」と呼ばれていて、これまでに国土交通省や林野庁などの行政、企業、学校、市民が様々な形で関わってきています。

この取り組みの面白いところは、アサザプロジェクト自体が、協働の「場」の提供をするネットワークとして機能しようとしている点です。NPOが流域の木材を使った消波施設を提案し、国の公共事業として採用されます。実際の国土交通省の発注は地元の組合組織が受けて、NPO法人アサザ基金と協同して公共事業を実施します。あわせて、水源地を保全のために酒造会社と連携した地酒つくりや、地方自治体と連携した流入河川の環境改善、農家との連携による休耕田を活用した水質浄化、水源地となる池の復元などを行っています。

このように、「本来つながっているはずの湖、川、水田、森林等に対して、行政がばらばらにおこなっていた公共事業をNPOが相互に連携させることで、事業の効率化と新たな事業展開が実現しています。」(NPO法人アサザ基金代表理事の飯島博氏のNEC環境フォーラムでの講演から)

このアサザプロジェクトの話は、有名なのでお聞きになられたことのある方も多いかと思いますが、NPOが行政と協働することで効果をあげるうえでの重要なヒントがあると思います。

「行政の枠」を超える
 それは、「行政の枠」と「NPO」との関係です。
 特に行政と仕事をするうえで、「行政の枠」という話はとてもよくでてきますね。行政機関には、法律で定められた所掌事務範囲があって、どうしても心理的にも制度的にもその壁を越えにくいところがあります。しかし、えてして問題はその壁をまたがるところにある。NPOが提供する「機関を超えた協働の場」は、そうした行政の枠を超えた取り組みを行うことができるという点で効果的です。行政からの委託や助成を得るNPOが、その問題解決の取り組みの中で、こうした「枠を越えた問題解決の場の創設」を提案・実践していくことの重要性を改めて感じます。
 NPOと行政との連携における、NPO側の社会的な付加価値はまさにここにあるように思います。

 いきなり、中小規模のNPOで、アサザプロジェクトのような大規模な連携事業は難しいと感じられるのは当然だと思います。しかし、どんな小さな委託・助成事業でも、何かひとつでも、これまでの行政の実施している社会サービスでは達し得なかったネットワーク利用型問題解決を提案することはできるのではないかと思います。地域に眠っている有能な人材の活用や学校との連携、企業とのタイアップなど、こうしたちょっとした付加価値が、行政ではなかなかつけにくい(これには、行政には、地元企業1社とだけ関係するとかが公平性の観点からもやりにくかったりという側面もありますが)。

 アサザプロジェクトの事例から考えて見ました。


今日は、行政とNPOの協働話に戻ります。

一昨日まで、行政の委託としての「指定者管理制度」についてみてきました。

今日は、もう少し幅広く、「委託」や「助成」というものについて考えて見たいと思います。

国際協力業界の例
私の働く国際協力業界ですが、行政からのNGOへの「助成」というのが始まったのが、1989年のNGO事業補助金制度です。その後、国際協力機構による「開発パートナー」事業としてのNGOへの委託事業(現在では「草の根技術協力」と呼んでいます)が始まり、更に外務省でもNGO支援無償制度が開始するなど、どんどん委託・助成のスキームと額を増やしてきています。

ここで、興味深いのが、「委託」と「助成」をめぐる行政側とNGO側の微妙な緊張関係ですね。

3月26日のブログでもご説明したとおり、「委託」と「助成」では行政側にとっては、責任の所在という非常に大きな点で違いがあります。そのため、中央政府や地方政府のように、自主的に予算の使い道が決められる組織であればまだしも、政府資金を「交付金」として受領している特殊法人や独立行政法人がNPOを支援する活動を行う場合、「委託」としてしか実施できないケースもあります。

例えば、日本の国際協力では、国際協力機構(JICA)という組織がありますが、JICAの場合、政府からの「交付金」という形で年間の運営費や事業費を交付されています。そして、機構法上でその使途を規定されていますので、その目的以外には使えないことになります。

JICAの場合、法律的には事業実施機関という位置づけで、助成機関ではないので、JICAがNGO側と連携しようとした場合、自らの行うべき国際協力事業を「外部委託」するというのは整理上、やりやすいのですが、「助成」という形をとりにくいということとなります。

実は、この「委託」と「助成」、受けるNGO側からすると、自らのオーナーシップ(主体性)がより発揮できるのは「助成」であって、「委託」ではありません。

こうした「委託」型の国際協力NGO支援プログラムが始まった当初は、いろいろとNGO側とJICA側で喧々諤々の議論があったと聞いています。NGO側は、もっと「助成色」を強めて欲しく、JICA側は「委託色」を守らざるを得ないというせめぎあいがあったようです。

この草の根技術協力事業ですが、今日、草の根パートナーという、上限5000万円までの事業と、草の根支援型事業という、1000万円までの事業の2パターンあります。これがユニークなのは、草の根パートナーは、国際協力の経験豊富なNGO向け、草の根支援型事業は、国際協力の経験の浅いNGO向け、と分けている点です。

どうしても小規模の団体や新興のNPOですと、こうした委託を受けにくいところですが、上限1000万円の「国際協力の経験の浅い」NGO向け支援事業を設けることで、特定のメジャーなNPOに仕事が偏らず、かつ、中小規模の団体が成長するきっかけを提供しようとしている点がとても興味深いところです。

指定管理者制度、4日目です。

先日、鳥取県が「鳥取港ポートパーク」の指定管理者制度の公募で、再公募しても応募者ゼロという事態が起こりました。この最大の理由は、毎年、県側に支払わないといけない、高額の施設整備回収費(年2350万円)にあったといわれています。

行政サイドにとって、運営効率化とサービスの質の維持の両立が重要テーマですので、普通は、指定管理者制度を導入する際にコストカットを行います。

これは、ちょっと余談ですが、愛媛県のケースでは、視聴覚福祉センター8.2%、身体障害者福祉センター10.4%、障害者更生センター18.7%と、経費削減率を定めています。実は、これらの施設の受託先は、これまでと同様、県社会福祉事業団となっています。実際に、指定管理者制度を導入しても、13施設の公募に対して、新規参入は1団体のみで、後は全て、これまでどおり県の外郭団体などが受注しているというケースもあります。しかし、そうした外郭団体にとっては、これまでと体制が変わっていないのに、経費だけが1割〜2割削減されるのですから、これは大変なことです。

そうした中、NPOが公募に対応していくポイントは、コスト面での採算であることはいうまでもありません。ボランティアの動員を予定していても、施設管理上扱う情報に個人情報が含まれていて、思うようにいかなかったという話もありますので、特に人件費の算出がキーとなります。

ちなみに、基本的に指定管理者制度は再委託が認められていませんが、ビルのメンテナンス業務などは再委託可能なので、施設管理を受託した際に、そうした部分は再委託しつつ、フロアの運営や企画・イベント面に集中するということもできます。

また、この指定管理者制度、これまで行政からの委託を継続して受けていた外郭団体からは評判は良くない(当然ですが) 05年10月の東京新聞に載っていましたが、東京都の外郭団体の調査で、「今後の方針」について尋ねたところ、解答あった38団体のうち、4団体が解散、存続するものの、事業内容や人件費負担を縮小するのが7団体、現状維持が17団体となっています。こうした、既存の外郭団体などには厳しい状況の中ですが、やはりこの制度導入により、競争が生じることは、地域社会に眠る活力を掘り起こす上ではメリットがある取り組みだと思います。

最後に、いくつかリソース情報を

指定管理者制度って、どうなの?というブログがあります。全国各地の指定管理者制度・民間委託情報(新聞記事紹介)を行っていて、圧巻です。是非ご覧ください。

また、市民フォーラム21などが中心となって「NPO指定管理者機構」というのも作っています。問い合わせは052−586−1154

また、NPO指定管理者制度対応ローンみたいなものも出ています。東海銀行が導入したもので、無担保で事業の委託費の90%以内を融資してくれます。金利は1.0〜1.375%と低利になっています。残念ながら東海地方にまだ限られていますが、今後広がりを見せそうですね。

この2日間、指定管理者制度について、少し触れてきました。

ここで、ポイントを整理したいと思います。

指定管理者制度というのは、NPOにとっては、ファンドレイズの視点からは、ビックチャンスですが、必ずしもバラ色の未来が約束されている制度でもありません。まずは、指定管理者制度の公募に応募する前の段階の判断のポイントはどのようなものになるでしょうか。

まずは、受託することがNPOにとってメリットが大きいかどうかです。では、NPOにとって、公的施設の運営を受託するメリットとはどのようなものがあるでしょうか。

ー匆馘認知の増加 
まず、あげたいのは、公的施設というのは、地域社会で誰もが使う施設ですので、その施設の運営を任されているという事実は、そのNPOの社会的な認知や評価を高めるという効果があります。また、その公的施設を通じて、NPOのスタッフと住民の接点ができるということも大きなメリットです。NPOに対する「親近感」も醸成されますし、社会的な信用力も高まります。

⊃佑半霾鵑領入 
意外と見過ごされがちですが、公共施設というのは、地域社会での人のネットワークや情報ネットワークの拠点となっています。今、地域にどんな人がいるのか、どんなことがイシューになっているのかといった情報が集まってきますので、そのNPOのほかの活動や将来の方向性を良くして行くためにもプラスになります。

「やりたいことをハコと金付で出来る」
 なんといっても、何十億もかけて行政が建設した施設を、ある程度の制限があるとはいっても、主体的に使えるわけですから、自分のNPOのミッションと公共施設の運営の方向性が合致してさえいれば、予算も場所もあって、思う存分やりたいことができるわけです。NPOいは、いいアイデアやネットワークがあっても、それを実現する経営資源に欠けています。公共施設の運営受託はそうした側面でのメリットは大きいですね。

こうしたメリットがある中で、NPO側のアプローチの視点としては、

〆眄難の自治体であるほど導入に積極的なので、関心がある公共施設については、積極的にアプローチして行政側の課題や問題認識を把握する。

∨/由覆鮖っている必要性はないものの、「安定感」は、委託する側としては重要な要素であることを踏まえ、中小規模のNPOであれば、他の企業やNPOとのコンソーシアム化も検討。

2餔、寄附者などのステークフォルダーとの摩擦を避けるためには、予め定款などでも公的施設運営受託に関連した事業を盛り込んでおく。

っ噂磴僻辛業務としてではなく、公的施設を拠点にして社会に対してインパクトを
与える事業として捉えて、企画提案を行う。

ァ屮灰好判纏襪妊機璽咼垢亮舛下がる」ということがおこらないことをしっかりとアピールする。

ということではないでしょうか。




行政からの委託について考える、第二弾です。

昨日は、指定管理者制度概要についてご紹介しました。

この指定管理者制度、個人的に最大のポイントは、「行政処分であって、契約ではない」というところだと思います。行政的には、この違いは大きい。なんでかというと、いちいち競争入札を行う必要は無いということですから、「この団体がいい」という確信があれば、その団体に委託できるということになります。もちろん、議会や市民への説明責任は伴いますから、余りいいかげんなことは出来ないんですが、実際に指定管理者に認定されて行政から施設管理を受託している方のお話を聞くと、きっかけは、以外と、「行政の方に挨拶にいったら、施設管理に関心があるかを聞かれて、打ち合わせを重ねるうちに、とんとん拍子で」というようなラッキーなケースもあるようです。

 「公募」原則だと、プロポーザルの準備やらなにやら心理的にも大変ですが、一応、最終的には審査がきっちりとあっても、途中段階では、かなり綿密な打ち合わせを経て形づくるケースもあるようです。
 
 さはさりながら、「公募」型も今後は更に増えることは間違いないですよね。行政側としては、当然、この制度をつかうことで、最も目に見える成果は「コストダウン」だということになります。

 ですので、ともすれば、どこをどう計算しても、人件費が時給500円にもならないような公募条件で公募が出てくることもあるわけです。

 そうした環境の中、NPO側としては、企業との差別化を図るという意味でも、NPOならではの付加価値をつけた提案をしていくことがポイントになります。行政が直営でやっていたのでは決して実現できないような活動を、地域や他NPOとのネットワークで実現していくとか、新しいアイデアのイベントを企画するとかといった取り組みを付加することで、例えば単なる児童館運営、図書館運営の枠を超えた魅力ある活動が展開できることになります。

 こうした事例が積み重なる中で、指定管理者制度が、単なるコストダウンに留まらず、新しい付加価値を生み出す取り組みとして社会的に認知されるようになれば、より適正な条件での委託が増加するということは考えられると思います。

さて、今日からしばらく行政の委託について、NPOのファンドレイジングの視点から見ていきます。

ここで、どうしても押さえとかないかん制度として、「指定管理者制度」ちゅうのがあります。ここでは、ちょっと退屈かもしれませんが、この制度についてご説明しますので、少しお付き合いください。

NPOの方には、「シテイシャ管理制度?なんやようわからん!全く役所言葉は!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、役所の立場からすると、納税者への説明責任がありますから、NPOにお金をかけて委託するにしても、きちんと法整備をして、名称を決めないといけません。

NPO側としては、そうした行政側の制約要因や制度の趣旨を踏まえたうえで委託業務を受注していくことが大切です。細かいところで、「こんなんおかしい!」と思うところがあったとしても、そこでひとつひとつ「反骨精神」を発揮して行政担当者と激突するのではなく、しっかりこらえてやる覚悟が求められます。

さて、本論の指定管理者制度です。

もともと、地方自治法の中では、地方公共団体は、「公共的団体及び地方公共団体が出資している法人で、法令に定めるものに限り、公の施設の管理を受託できる」と定めていました。これを「管理委託制度」といって昭和38年に導入された法律です。

この法律に基づく委託は、実態上、行政の外郭団体などに限られていましたが、2003年に制定された「指定管理者制度」は、この委託先を「民間事業者」である、企業、NPOなどにも幅広く門戸を開放しようというものです。

この新法の最大のポイントは、指定管理者の範囲について、特段の制約を設けず、議会の議決を経て指定されるとしている点です。2006年秋までに原則として、全ての自治体が同制度を導入することとしています。

この制度、介護保険制度の導入(2000年)、障害者支援費制度(2003年)に続く、公共サービス市場のNPOへの開放の第三弾といわれていますが、確かに、NPO側にとっては、非常に大きなビジネスチャンスと言えるでしょう。

この指定管理者制度、2004年の6月の調査では、
 医療・社会福祉施設(老人福祉センターなど) 35.4%
 文教施設(文化会館、美術館など)      24.5%
 レクリエーション・スポーツ施設(体育館など)22.7%
 基盤施設(駐車場、大規模公園なで)     8.8%
 産業振興施設(見本市など)         8.6%

などの内訳で導入されています。まだまだ、中小のNPOの受注実績は少ないですが、着実に実績を伸ばしてもいて、今後の展開が楽しみなところです。 
 


さて、一昨日まで、「NPOにとって寄附は必要か」というお題で数日間、考えてきました。結論としては、日本の今の状況を考えると、特に立ち上げ段階において、行政や企業からの委託や助成が得られたり、事業収益に見込みがあるなら、まずはそこで全力投球するのが良く、事業が安定してきてから、寄附調達を考える。」という私なりの結論を申し上げました。

そこで、次に聞きたくなるのは、「では、行政や企業からの委託や助成を受ける」ということの可能性やノウハウについてですね。

ここから、数日間、「行政との連携」を通じたファンドレイジングについて考察してみたいと思います。

行政とNPOの連携の5タイプ

行政とNPOの連携について、大きく分けると次の5つになると思います。

\策立案・事業企画などへの参画(行政からの意見聴取など含む)
∪府の実施する業務の委託
政府からNPOへの助成
せ業(イベントなど)の共催・協力した実施
イ修梁召凌融交流・ボランティア派遣・情報交換・場所貸しなどのアドホックな協力

少しご説明しますと、,寮策立案などへの参画については、最近、地方自治体でも非常に意識して進めていることですね。これは必ずしもNPOに限らず、住民に市政、県政をオープンにしていこうという試みです。

△鉢は混同しがちですが、△「行政からの委託」は、あくまで事業の実施主体は行政です。NPOに委託したとしても事業の実施責任、結果責任は全て事業主である行政に帰属します。契約形態の発想としては、従来の企業への外注と変わりはありません。の助成(行政的には「補助」という用語も用いられますが)については、財源が税金であることには変わりはありませんが、一定のルールはあるものの、事業の実施主体はNPOとなり、事業の実施責任、結果責任は一義的にはNPOに帰属します。

最近良く聞く「指定者管理制度」という、行政の所有するリクリエーション施設や図書館の運営業務をNPOに委託する事例は、ここでは△乏催するわけです。

い了業などの共催・協力ですが、例えばイベントに「後援」「共催」として行政が入るケース(逆もあります)や、実際にイベントそのものを最初から一緒に企画するようなケースもよくあります。

ズ埜紊法◆屬修梁勝廚入ってしまって申し訳ないのですが、実際みていくと、NPOと行政の協働っていろんな形があるので、どうしても最後は「その他」が出てきます。行政機関が、構成員のボランティアを奨励したり、若手職員の経験として、NPOでインターンをさせる例もあります。また、行政機関の施設利用をNPOに割安で提供したりすることもあります。

なんとなく、これが全体像でしょうか?

この中で、特に今回取り上げたいのは、△鉢、つまり委託と助成です。
明日以降、考えていきます。

助成金獲得第6弾!(2月28日からの過去ログもご参照ください)

助成金獲得でやっちゃいけないことで、思いつくことを列挙します。

―侏茲覆い海箸泙婆鸞しない。
 ついつい、プロポーザルでは、いいことを書こうとして、出来ないことまで書いちゃったりするものです。しかし、長い目でみたとき、NPOにとって、「信頼」を失うことは致命的です。プロポーザルを提出する前に、いったことは本当にできることなのか、最終チェックを忘れずに。

同じ団体に過去に出したプロポーザルと整合性が取れない内容にしない。
 長い歴史のあるNPOだと、同じ団体から何回も助成をもらっていたりします。NPO側も、スタッフが入れ替わったりしていて、うっかりすると、過去に出したプロポーザルと整合性のとれない内容になっていたりします。これは、そのNPOのマネジメントの弱さを感じさせますので、注意が必要です。

「様式」を軽く考えない
 プロポーザルには、助成機関ごとにフォーマットや記載項目が決まっています。これには、当然ですが、絶対に従わないといけません。多数のプロポーザルを審査する立場に立てば、「ちょっとくらい違ったっていいだろう」というNPO側の思い込みが30団体分集まると、正直かなりいらいらします。これは助成機関にもよりますが、一次審査では、まずはざっとポイントとなる項目がきちんと求めるレベルや内容となっているかをチェックしたりします。その際、やはり指定の目次立てや様式を変えられていると、どこに何が書いてあるのか、すぐにつかめなくて、審査のリズム感が失われます。

つめ切りを過ぎない 
 また、締め切り。1日や2日はいいだろうと思ってませんか?確かに、電話で予めお願いしておけば、そのくらいの遅れは許容してくれる財団もあります。でも、それに甘えてはいけません。締め切りも守れないNPOに、大金を託すのは、正直不安なものです。

如何でしょうか?これまで、6日間連続で助成金獲得について考えてみました。
助成機関は沢山ありますので、本当に千差万別の対応があり、審査基準があるわけですが、基本として抑えなければならないポイントを整理したつもりです。

先月、今私の関わってるNPOが4千万強の助成をいただくことに成功したエピソードは、このブログでもご紹介しましたが、中小規模のNPOにとって、助成金獲得は、お金が入ることだけではなくて、なんか自分達の今までの活動が評価されたみたいでとても嬉しいものですし、身も引き締まります。是非、良い助成金を獲って、そして、それを将来の自分達のNPOの成長のために「投資」(「消費」じゃありませんよ!3月3日の投稿参照)してください。




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