ファンドレイジング道場

民間非営利組織(NPO)や社会起業家のファンドレイジング(資金調達)についての考え方、アイデア、事例などを発信しています!

カテゴリ: NPOマネジメント話

日曜日、家の書斎の大掃除をやりました。

積みあがっていた書類やレポートを整理して改めて思いましたが、今の世の中、本当に情報量って多いですね。普通に(まあ、こんな道場をやっていて普通というのもナンですが)生活していても、調査レポート、論文、新規事業の計画書やNPOのパンフレット、ニューズレターなどが次々と増えていきます。図書館で借りてきた本、気になって買った雑誌もどんどん積みあがります。ちょっと気を抜くと、すぐにダンボール1箱分くらいの量になってしまいます。

そのうえに、インターネットを検索すると、何でも情報が入手できます。

すごい情報量ですよね。しかも、私の書斎に積みあがってくれているのは、どれもこれも、私の大好きなファンドレイジングやNPOのマネジメントにつながるテーマのものばかりです。きっと20年前に同じことを考えようと思っても、これだけの情報量は得られなかったんでしょう。いろんな方面でのいろいろな方々のご尽力に改めて感謝したい気持ちになります。

そうした中、やはり、こうした情報をいかに自分の脳内で整理整頓するための「引き出し」があるかということ、そして、新しいもの、変化の兆しとなるものを「感じ取る」感覚を持っていることの重要性を感じます。

そうした引き出しや感覚を身につけたいとここ10数年、ずっと思いながら、未だ試行錯誤中です。

振り返ってみると、アメリカでNPOマネジメントを勉強していたとき、得ようとしていたのは、この「引き出し」と「感じ取る感覚」だったのかもしれないなと思いました。

これからも、「引き出し」と「感覚」を身につけるよう、精進していきたいと思います。

今、知人に進められて、「マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー」【ダイヤモンド社】という本を読んでいます。

この本、コンサルティングや経営へのアドバイスなどに関心のある人にとっては、とても興味深い本ですし、「プロフェッショナルでいること」の意味を考えたい人にも必読の本ですね。

コンサルティングを「受ける」側にとっても参考となる本かもしれません。

個人的には、「目からウロコ」の話が満載で、とても参考になりました。

アメリカはコンサルティング産業が大成長を遂げているわけですが、それは最初からそうであったわけではないということが、この本を読むとよく分かります。マッキンゼーのマービン・バウワーが、そうした中でいかにして「経営コンサルティング」という業態を創り上げて行ったかということが、とても面白いところです。

一番興味深いのが、彼自身がとことんこだわった、「ファームとしてのアイデンティティ」を確立し、浸透させることではないかと思います。そして、彼は、通常の企業ではなく、「プロフェッショナル・ファーム」としてマッキンゼーを位置づけ、「第一に人材、その次に評判」が経営資産であるとして、徹底して魅力的なアイデンティティを確立し、ファームとして完全な一致をさせるということにこだわりつづけます。

2日で7割くらい読んだところですが、マッキンゼーが何故高い評価を得ているのかが分かる気がします。

NPOマネジメントや経営コンサルティングに関心のある人には、是非お勧めの一冊ですね。

先日(7月13日)の夜の楽しい飲み会報告の延長戦ですが、13日の掲載記事に「NPOマネジメントの可能性と危険性」ということについて書きました。

この「可能性」については、これまでもこのブログでも多く語ってきています。今の日本のNPOが更に発展して、いい活動を展開していくうえで、マネジメントの領域にいくつもの課題があり、ファンドレイジングもそのひとつであるということです。こうした「課題」があるということは、即ち、それを解決することによる、更なる発展の可能性があるということになります。

他方で、アリゾナ大学のJoseph Galaskiewicz(ガラスキウィッチ)教授と話していて、もうひとつの側面である、「危険性」の話になりました。

この「NPOマネジメントの危険性」の議論、私もアメリカにいたときに若干感じたところではありましたが、NPOマネジメントがどんどん高度化・先端化しているアメリカで、ひとつの課題として捉えられているというところが興味深いところです。

これは、具体的には、「徹底した効率的経営がもたらす負の側面」という要素をどう捉えるかということにもなります。例えば、一昨日の教授の「土曜日の子どもたちが何をしているか」の調査の話でもありましたが、効率的なサービス提供をつきつめていくと、NPOのサービスの受益者が、中間層から富裕層の上方階層の人たちであったということにもなりかねないということを同教授はおっしゃっていました。

つまり、何等かのイベントを行って、フィー(参加費)を徴収するようなことを行う場合、経営的にはよりレスポンス率のいいターゲットに力を注ぐほうが「効率的」です。それが富裕層や中間層以上の人たちであるとこがある。しかし、団体のミッションとしては、貧困層にも当然ターゲティングしていかないといけない。そうした際に、アメリカNPOの「いきすぎた効率性信仰」が、ミッション達成のための焦点をずらせてしまうという危険性です。

しかし、ここで、注意しないといけないのは、「ほら、NPOが経営っていうと危険だ。やっぱり、NPOは経営経営っていってたらだめだ。ボランティア活動の延長なんだから。」という別の極端に振れてしまわないことだと思います。NPOマネジメントのスキルの向上は、日本のNPOにとって、多くの課題の解決する処方箋であるとこは間違いありません。しかし、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし。」。 その団体にあった、最適なバランスを考える必要があるということなんだと思います。

いやいや、興味深い夜でした。

私の隠れた趣味(?)の話をします。

私の得意技といってもいいかもしれませんが、いつも子どもたち(7歳と5歳)を寝かせるときに、創作昔話をやります。だいたい5分から10分なんですが、その場で思いついた、創作昔話をしゃべってあげます。

子どもたちの要求水準は高く、毎回、はじめる前に「どんな話がしてほしい」とオーダーを聞きますと、必ず「むちゃくちゃ面白い話!」というのが毎回の回答です。

それに加えて、「今日は、シャケとイルカとマグロが登場する話!」とかいった個別オーダーが出ることもあります。これを即興で昔話にしたてあげつつ、途中に必ず「笑い」を挟むことがお約束になっています。(何回かは大笑いするポイントがないと、子どもたちは許してくれないんです・・・)

既存の昔話のパロディにしたり、全く思いつきの話にしたり、と、いろいろやっています。

ここ一月くらいは、ぬいぐるみを使った人形劇調の昔話がロングランヒット中で、自分も楽しみながら、いかに子どもたちにウケるストーリーに仕立てるかということを考えながら創作物語を作っています。

家内にも、「よく毎日思いつくわね〜」と驚かれたりあきれられたりしていますが、続けてみると、こうしたのも、コツがあるなあと感じています。

毎回、違った話にしたててはいますが、無意識にいくつかの「ストーリー展開の型」のようなものや、登場人物の組み合わせのセットパターン(リーダー役、ボケ役、まじめ役のように)のようなものがあります。

一度、「お父さんのための創作昔話講座」でもやってみようかな。

この道場も、おかげさまで1年半続いています。もともと余りこつこつやるタイプじゃなかたんですが、これも創作昔話同様、楽しんでやらせていただいています。既に投稿したコラム数も460件に達しました。まだまだ奥深いファンドレイジングの領域、引き続き「極めて」いきたいと思います。

経済産業省が英会話スクールの大手のNOVAに対して、業務停止命令を出しました。

最近のコムスンの話といい、最近、こうした大規模な事業停止の決定が行政でだされることが続いていますね。

バブル経済がはじけて以降、日本社会が様々な規制を緩和し、自由度は増してきている反面、逸脱した行為には厳しく事後規制を行うという大きな社会的な流れがあるように思います。

コムスンにしても、結局、社会的批判を一手に引き受けたのは、グッドウィルグループの折口会長です。あの方、確かにディスコを企画していたり、フェラーリにのったりと、いかにも自分の金儲けだけ考えている若手経営者というイメージで捉えやすい人でしたので、はっきりとスケープゴートにしやすかったんですが、これがもし、一見普通のまじめな感じの経営者然とした人が会長だったら、マスコミの批判は介護事業全体に重心がおかれることになったんでしょうね。

NPOセクターにおけるスキャンダルも、これまでそれほど致命的なものはなく、せいぜい助成金の使い方に問題があったといったものが主ですが、寄付されたお金をまとめて誰かが持ち逃げするといったことが起こってしまうと、NPOセクター全体の信用性に大きな影響を与える恐れがあります。

しかし、現行では、全国3万近くあるNPO法人のどこかが、そうした社会的問題となるような事件を引き起こさないという保障はなく、これをチェックする機関もありませんので、個々の団体の良心とマネジメント力に期待するしかありません。

せめて各NPOの比較・格付けサイトのようなものでもあればよいのにというのはとても感じます。(アメリカだと、BBB Wise Giving Alliance やCharity Navigatorが統一的基準でNPOを比較したり格付けしたりするサイトの代表格です。よく引き合いに出されるGuide StarはNPO情報を掲載していますが、ここでいう比較格付けサイトではありません。NPO広場などのNPO情報紹介サイトも同様に比較格付けは行っていません。)

どうも今の日本のNPOセクターの社会とのコミュニケーションが、社会に対して、「NPOは大事。NPOを全体として信用してください」というメッセージとなってしまっているようにみえるのは、将来的に何かが起こったときに社会からの不信を呼ぶことがやはりこわい。

「良い団体もあれば悪い(マネジメントがしっかりしていないという意味で)団体もあるので、しっかり比較して選んでください」というメッセージ化する象徴的な行為がNPOの比較格付けサイトの存在なんだろうなと思います。

先日、どこかの企業がこうしたNPOの格付け情報を提供するサービスをはじめようかという動きがあると聞きました。ちょっと来週あたり動きを調べてみたいと思います。アメリカでもこうしたNPO格付けには賛否がありますが、それでもなお、社会的必要性は高い機能ですね。

そんなことを考えさせられた今日このごろでした。

日本ではじめて、株式会社形態の学校が、学校法人化したというニュースが出ていましたね。

この学校、特区申請を活用して設立された7つの学校のひとつで、株式会社で「グロービス経営大学院」という学校です。ビジネスマン向けにマネジメントを教えるスクールとして、一定の評価を受けている学校です。

今回、学校法人化することが認められそうだということのようです。

グロービスにしてみますと、株式会社形式ですと、私学助成金などの行政からの補助金もありませんので、ファンドレイジング戦略上も学校法人化のメリットは非常に大きいと思います。税制上の優遇措置もあります。また、最近では、LECのように、株式会社立の学校のトラブルも報道されていますので、そうした社会的信用力の面もあるのかもしれません。

しかし、それにつけても、最近、構造改革「特区」によっていろいろな新しい活力ある動きが生まれてきています。

私が今応援している「龍の子学園」さんも、特区認定を受けて学校法人化しようとしていますが、今まで、日本の行政がいかに社会の活力を縛り付けてきたかということをよく表しているなあということを感じます。行政側の抵抗でいっぱい不利益な条件のついていることの多い「特区」ですが、それでもなお、こうした取り組みが新しい息吹を社会に吹き込むんだなあと思います。

行政が規制緩和するところには、必ずといっていいほど、NPOにとってのファンドレイジング上のチャンスがあるというのが私の持論です。

グロービス経営大学院の学校法人化、是非とも更なる発展に繋げて欲しいですね。

9日の報道で、厚生労働省が介護分野のボランティア活動に高齢者が参加しやすくなる新制度として、「介護サポーター」という資格を創設し、同時にボランティアの実績に応じて自分の介護保険料の支払いにあてられるポイント制も導入するそうです(09年度までに)

この取り組み、なかなかユニークでいいですね。ボランティア活動をポイント制にして、将来自分で活用できるようにしている取り組みはこれまでもありますが、これがいきるためにはいくつかの秘訣があります。

それは、ひとつには、ボランティア活動をしてポイントをもらっても、自分が利用したいとおもうサービスがなければ使えないということになってしまいますので、いかにしてボランティア活動で得たポイントと実際にその人が「使いたい」と考えるサービスと連動させられるかということがあります。

その観点では、地域通貨なども、地元商店街で使えるというのが大切なところですが、今回の取り組みは、団塊の世代という、数年後に受益者となる層をターゲットにしているところが分かりやすさがあります。

同時に、それをボランティアでも取りやすい簡易資格にしているところがうまいですね。

日本社会は肩書き社会なので、そうした資格が結構モチベーションにもなります。

この、資格制度の設置とボランティア実績に応じたポイント制の導入を通じて、介護保険料の全体の支出を抑える方向にもっていきながら、高齢者の社会参加も実現しようとする、「高齢者がいきいきと高齢者を支える取り組み」なかなか複合的なアプローチでいいですね。

日本における「ポイント制」というものの活用のひとつのいい事例となることを期待したいですね。

先日、NouvelAge(ヌーベルエイジ)という雑誌の編集者の方とお会いしていました。

話は、今、応援している「龍の子学園」に関する取材のようなものでしたが、この雑誌自体の話から、日本の寄付事情まで、話は多岐に亘りました。

ここで、まず、このヌーベルエイジという雑誌そのものが結構面白いのでご紹介しますと、地域創造ネットワークジャパンが発行しているシニア層向けの雑誌で、全国で10万部発行しています(定価450円)

「夢や好きなことで、現役でいようじゃないか」というコンセプトで、シニア層向けに新しいライフスタイルを提案するようなタイプの雑誌となっています。その中で、地域で活躍するNPOや個人についての取り上げています。

この雑誌の発行上、広告収入を重要な財源に位置づけているようですが、その広告も、単なる企業の広告としてではなく、社会貢献する社員を紹介する広告や、企業の地域社会への貢献についての広告などをより重視していこうという考えのようです。

今後は、そうした企業広告を読者が「評価」するような、ヌーベルエイジの読者コミュニティ自体が社会を良くする取り組みにも着手していきたとのこと。なかなか面白そうな取り組みです。

紙面も、全ページカラーで、読み手が思わず手に取るような仕立てになっています。

こうした「シニア層のコミュニティ化」を雑誌を通じてやっていき、地域社会の活性化やシニア層の社会参加を進めつつ、企業の意識変革をも働きかけていこうという取り組み、採算面などで当面は大変かもしれませんが、ひとつの興味深いチャレンジだと思います。

火曜日、アクティブラーニングの第一人者といわれている、株式会社アクティブラーニング代表取締役社長の羽根拓也氏による、3時間の研修を受講してきました。

私も、セミナーや研修でお話させていただく機会は多い方ですが、羽根氏の提唱するアクティブラーニングについては、大変参考になるところが多くありました。

羽根氏のいうとおり、日本社会では「正解を覚える」というタイプの情報記憶型の学習スタイルが一般的で、「正解を探求する」というタイプの学習スタイルは少ないですよね。ビジネスの世界では「過去の正解を覚える」「まねる」というのでは、なかなか同業他社との差別化は難しい。

そうした中で、いかにセミナーや研修参加者の意欲を引き出し、能動的な学習をしてもらうか。大変なノウハウと知見のつまった3時間でした。

いままで、数多くのセミナーなどに出てきました。「一方向の講義+質疑」か「講義+グループワーク」というものがほとんどでしたが、このアクティブラーニングの手法では、そのグループワークにいかに知的発見要素を盛り込むのかというところに勝負どころがあるなということ、そして、全体の研修時間を通じて、いかに参加者の「脳を開き」つづけさせるかということにポイントがあるという気がしました。

いままで、それとなく理解していたことを、しっかり整理してもらった気がしました。

より詳しいところにご関心があるかたは、アクティブラーニングをご参照ください。

プレジデント誌2007年4月2日号に、「大前研一の日本のカラクリ」という連載コラムがあります。

結構面白いのでよく読みますが、今週号は、任天堂Wiiの広報戦略を取り上げていて、とても興味深かったです。

ご存知のとおり、ソニーのプレステ3が高画質の次世代機を出して、任天堂が続いてWiiという、全く新しいタイプの次世代機を出しました。

現在までのところ、Wiiの方が、ファミリー層を中心に、「体を動かしながらゲームする」感覚がヒットして、売れ行き好調なようですが、大前氏によると、Wiiの広報戦略がふるっているというのです。

「任天堂がYou Tubeで動画のシリーズ広告を展開したのだ。津軽三味線の奏者で知られる吉田兄弟が任天堂の営業マンらしき二人組に扮して、スモールカーに乗って、アメリカ各地の課程を訪問、"Shall Wii play?"とかけことばで家庭内に入り込んで実演するのだが、それを見た訪問先の老若男女は瞬く間に興味を示し、プレイに熱中するようになるという内容。」(同誌p112)

一日のヒット件数は何と80万件を突破しているという、このYou Tubeの無料映像、まずはご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=p5cPVP_llfo

企業のCMも、昔のように、新聞の一角に企業宣伝を載せるという時代から、広告臭をなるべくにおわせず、「楽しい見世物」としての物語を作るという時代になってきている証左なのかもしれません。実際、このYou Tubeの映像も、どこにも任天堂のクレジットが出てきません。

それでもなお、一日80万件のヒット数がでるというところあたり、こうした無料映像配信をうまく活用して「見せる物語広告」を打つという新しいタイプのPR戦術がNPOにも必要になってきそうです。

21日は、一日、気持ちのいい天気でしたね!

21日は祝日でしたので、午前中はマンションの広場で、子供がご近所さんからいただいた自転車の座席の位置を直してあげて、あたたかい陽だまりの中で、家族4人、自転車で遊んだり、かけっこしたりと遊んでいました。

午後は、お手伝いしているNPOの事務局で、年度末の清算処理のお手伝いを1時間半ばかりしたあと、パブリックリソースセンターの主催する「NPOのキャパシティ・ビルディングを考える」というワークショップに参加してきました。

このワークショップ、2回に分けて開催されたんですが、パブリックリソースセンターの培ったネットワークを活かして、日本のNPOのキャパシティ・ビルディングに、中間支援組織やNPOバンク、公認会計士などの専門集団、NPOマネジメントを研究している大学教授、個人コンサルタントやボランティアセンターなど、様々な立場で携わってきた第一線の方が2日間計で30名弱集めて行われました。

よくもまあ、これだけ「大御所」も含めて一堂に会したなというような会合で、とても刺激的で楽しい時間を過ごさせていただきました。

2時間半の会合とその後の打ち上げ飲み会で、都合5時間にわたるとても密度の濃い議論を積み重ねました。

ディスカッション会とその後の飲み会で、せんたいみやぎNPOセンター代表理事の加藤哲夫さんや地球創造ネットワークジャパン専務理事の田中尚輝さんが議論を引っ張り、パブリックリソースセンターの久住さんや岸本さんがうまくまとめつつ、NPOセクター自体の戦略的発想やこれまでの成功体験の共有など、様々な視点で、NPOのキャパビルを実現するための課題やインフラ整備について意見交換をできたように思います。

いろんなアイデアが出たんですが、この議論を是非ともしっかりとした事業なり取り組みなりで実現していきたいと思いました。個人的にも、とても魅力的な皆さんと知り合えて、「このテーマに関わる人はいいなあ」と変に感激した次第です。

パブリックリソースセンターというのも、今の日本社会におけるポジショニングというか、社会的機能として、潜在力と社会ニーズのある、とても面白い組織だと改めて感じました。

是非とも、この「流れ」を大切に、私も頑張っていきたいと思います。



こんなニュースが出ましたね。

「横田俊平・横浜市立大学教授は13日、同大小児科の講座が01年度から6年間で、インフルエンザ治療薬「タミフル」の輸入販売元の中外製薬(東京)から計1千万円の奨学寄付金を受けていたと発表した。横田教授は、タミフルの服用と異常行動の関連性を調べている厚生労働省研究班の主任研究者。また同社が03、04、06年度、同研究班員の森島恒雄・岡山大学教授の小児科教室にも同大学を通じ計600万円を寄付していたこともわかった。
 横田教授は、週刊誌や新聞などで、タミフル服用と異常行動の因果関係について「発生頻度は服用の有無で大きな差はない」との結果を出した研究班の結果と、寄付金とを関連づける報道があったため、厚労省で会見。同教授と横浜市立大の説明では、小児科は同期間に計4860万円の寄付金を受け、うち1千万円が中外製薬からだった。
 横田教授は「研究には他の大学や施設もかかわっており、中立性や透明性は確保されている」と話した。 」(朝日ネットから引用)

寄附という行為を考えるうえで、特定の公共的な立場にある方が所属する機関に対して特定の見返りを期待して行われる寄附というものをどう捉えるかという問題があります。
今回は、学校法人の寄付講座にまつわる事例でしたが、こうした公益的な団体が、外部とのやりとりでのモラルが問われるケースを分類すると例えば次のようなものがありますね。

NPO法人の理事長などが公的な影響力・権限を行使しえる立場にいる場合(今回のケースがそれに準じますね)であり、当該理事長の意思決定に影響を与えることで便益を受ける企業などが寄附するケース

NPO法人の有給の理事などが親族であるケースなどで、寄附をすることで、直接的に当該理事の所得を増やすことにつながるケース(特に所得税控除が認められる団体の場合、節税対策として寄附を通じて身内でお金を回そうという人が出てこないようにする必要があります)

NPO理事などが、自分の企業などに優先的に業務を発注するケース(かつてのスケート連盟がその事例ですね)

「何の気なしに寄附を受入たら、利害関係者になっていた」というケースや「良かれと思って自分の企業に業務を発注した」というケースもありますが、それが後々、大きなトラブルにならないよう気をつけたいところです。

アメリカでNPOマネジメントを勉強している際、法律の授業で、こうした様々なトラブルの判例を検証しましたが、アメリカは所得税控除対象団体が多く、有給の理事のいる大きなNPOも多いですので、こうした「寄附とNPO」「理事と業務発注」といった関係でのトラブル事例もたくさんあったことに驚かされました。
予防策としては、ガイドラインを作るとか、監事の監査事項に予めこうした項目を設定しておくということが考えられますが、実態として理事会や監事が機能していないような中小NPOにとっては、「李下に冠を正さず」という姿勢で日々気をつけるしかないでしょうね。

最近、NPOが注目される中で、社会的地位の高い方や影響力のある方が理事に就任してくれるケースも増えています。そうした中、たまたま就任していただいた理事とその団体への寄附企業が利害関係を有するということも無いとはいえません。
こうした視点での理事のスクリーニングもひとつのポイントだなと感じました。

日本の寄付文化を考えていると、「助け合いの精神」という文脈は、どうしても避けて通れないところだと思います。日本社会にとってもっともしっくりくる考え方です。

今日は、それをボランティア”預託”制度として全国展開している特定非営利活動法人「ニッポン・アクティブライフ・クラブ」をご紹介します。

この組織、”魅力ある「時間預託」ボランティアで住みよい環境を作り、目の前に迫った超高齢社会を乗り切るため、生きがい志向の中高齢者が結集し、助け合いや地域貢献で社会のために役立ちます。”という目的のもと、庭の手入れ、家事援助、送迎、話し相手、公園の清掃、子育て支援、介護、福祉施設の手助けなどのボランティアを展開し、会員がボランティアをした場合に、一時間1点とカウントして預託し、必要なときに引き出してサービスを受けるという相互扶助事業を全国展開しています。

ホームページによれば、こうした会員相互の時間預託活動は現在、会員が全国39の都道府県に115の市町村で活動拠点を作り、ボランティア活動を行っています。将来、全国1,000ヶ所に活動拠点を作り、全国ネットのNPO活動ボランティア体制を確立する計画だそうです。

2005年にはロサンゼルスの日本社会向けに支部も設立しているようです。

こうした相互扶助型ボランティア活動というものを「預託」という形で何か残るようにしているのがミソですね。

現在2万人以上が会員となっているこの団体の活動は、日本の文化にあったボランティア活動の取り組みといえるように思います。

98年に特定非営利活動促進法が出来て、認証を受けた法人は、今年9月待つで2万8777団体だそうですね。もうすぐ3万団体に届く勢いです。

私がNPOにかかわり始めた91年ごろを思い出すと、そのころはこうした団体は軒並み「任意団体」「人格なき社団」とか呼ばれてたんですよね。隔世の感があります。

他方で、11月の中旬の朝日新聞の特集では、依然として規模の小さい、給料の少ないNPOの実態も報告されています。

経済産業研究所の「05年NPO法人活動実態調査」によれば、法人としての年間収入規模が1000万円未満の法人が約6割を占めるという実態が報告されています。また、スタッフについても、1法人あたりの有給の常勤職員数は1.6人、非常勤の1.6人をあわせても有給スタッフ3.2人という状況が見て取れます。

更に、給与に関しては、常勤スタッフのうち、
 〔喫鷭掘。横検ィ供
 1円以上150万円以下 28.3%
 150万円以上300万円以下 30.7%
 300万円以上500万円以下 10.9%
 500万円以上 1.7%

となっています。

世帯主がNPO法人で働くことを想定した場合、共働きでなければ、食えるレベルの500万円以上というのは1.7%程度、つまり全28777団体のうち、489団体にはそういう常勤スタッフがいるということですね。

これって、よく考えると、NPO法人がこれだけ育ってきても、日本全体で生計が成り立つ職員数は782人しかいないということ(489団体x平均常勤職員数1.6)ですよね。単純に計算しますと。

NPO法人の職員として、生計を維持するのは、弁護士になるよりも医者になるよりも狭き門だということになりますね。むしろ衆参あわせて700人くらいしかいない、国会議員になるくらい難しいというのが現状だといえるのかもしれません


やっぱりこんな社会ではいけない。ファンドレイジング道場の目指すとところも、資金確保を実現して、「500万円以上」のカテゴリーをせめて10%以上にすることですね。そうしないと、優秀なスタッフがNPOで長く続けられない。

今、「デジタル日雇い」という形態の職業斡旋業があるらしいですね。

定職を持たない学生や社会人をあらかじめ登録しておいて、彼らに対して、「明日、一日の仕事が○○円でありますが、やりますか。」というようなメールが携帯電話に配信されるという仕組みです。

携帯から返事をすると、更に詳細の集合場所などの詳細が配信されるというようになっています。

企業側にしてみると、アルバイト情報誌などに掲載しても、なかなか臨時労働力を確保することには苦労しますが、この仲介会社を使うと、極端な話、「急に明日働き手が必要となった」というときでも、携帯電話を通じて臨時労働力を確保できるというメリットがあります。

パソコンや雑誌にくらべて、日常性と同時性の高い携帯電話を通じたこうしたサービスは、今後、ますます拡大しそうですね。

NPOのボランティアも、希望者をあらかじめ登録しておいて、携帯電話一斉配信で希望者を募るというサービスも面白そうですね。

昨日のトヨタのケースって、とても示唆に富んでいますよね。

多くの企業や行政組織って、「昨日よりは少しましになろう」という漸進主義にとらわれているところがとてもたくさんあります。

漸進主義では、想像力も知恵もあまり要りませんし、自分の経験や能力の組織内評価の前提もあまり変わりません。

他方で大躍進主義とは、高い目標を掲げて、それに到達するためのプロセスを次に考えるというアプローチです。

組織がどのような行動に出るか、どのような知識を求めるか、そのような発想をするかは目標の大きさと直接関係がある(P&Gグループ副社長 ジョン・オキーフ)

ジェネラル・エレクトリック社は、組織的に「大きな目標」を「ストレッチゴール」と呼んでいるそうです。

同社では、
「ストレッチゴールは、仕事の効率をあげるための人工的な刺激剤だ。ストレッチゴールを掲げることで、「型」にはまった従来の考え方から抜け出せる。」としています。

思い切り高い目標をかかげ、それを達成するための最も有能な人材を集め、アイデアをあらゆるところから募る。すなわち、できることはすべて行うというモードに組織をもっていくために「高い目標」を設定することが成功の秘訣なんだということです。

トヨタといえば、今日、世界を代表する自動車メーカーですが、現場の発想での改善を行うということを通じて生産工程の合理化や競争力強化に活かした会社であるということに異を唱える人はいないでしょう。

トヨタの「カイゼン」ということについて調べていて、興味深いなと思ったのは、トヨタのカイゼンの根幹のルールに、

「問題の原因を『ヒト』に求めてはならない」

というのがあるそうなんです。

すべての問題には原因があります。しかし、それをそのヒトに帰属させてしまった瞬間に、それ以上の考察ができなくなってしまいます。結局は、「注意しようね」「がんばろうね」「育てようね」で終わってしまう。

トヨタのカイゼンは、これをヒト以外の科学的・合理的要因にまで掘り下げようとするところにそのキーがあるように思います。

他方、ある本で、こんなフレーズも見つけました。

改善主義に浸っていると、他をまねた商品やつくり方、安全な戦略、「よそに比べて悪くない」という精神構造につながり、今日のような波乱含みの状況では生き延びることができない。(トヨタ幹部発言)

カイゼンは大切ですが、日々のオペレーションのカイゼンにばかり気をとられていると、大きな躍進をとげるような発想が出てこないという、トヨタ自身の警鐘でもあります。


「型を破って成功する」(ジョン・オキーフ著 TBSブリタニカ)という本があります。

この本の著者は、P&Gグループの副社長として、企業の経営改革に従事した経験から、企業の経営革新のための視点をいくつか提案しています。

その中で、なるほどと感じさせたのは、次のくだりです。

「三角発想法」

「飛躍的な目標」「ノウハウ」「創造的発想」の3つを組み合わせることによって、はじめて大きな効果がでる。丁度、火をおこすために酸素と燃料と火がひつようなように、これらのうちのひとつでもかけると効果がない。

「飛躍的な目標だけ」=空想 
 途方もない目標を掲げるだけでは、無理をしてストレスがたまるだけだ。

「ノウハウの蓄積だけ」=大学
 ノウハウの取得ばかりに力を入れていると、企業は大学のようになってしまう。それを活かして成果をあげることに気が回らず、実際、ノウハウを取得するためという口実で不要な部署を存続させている企業が多い。

「創造的発想だけ」=気晴らし
 創意工夫ばかりに重点をおくと、当事者が楽しむだけで商売や収益にはつながらない。

彼は、「高い目標を思い描きながら、そのために役立つ知識を取得し、創意工夫して行動に移すのが大切」としています。

「知識のない人間が独創的な発想をする」ことや「知識のある人間が論理的に思考する」ということは、たやすいが原動力にはならない。
「知識のある人間が高い目標に向かって独創的な発想をする」ことにより、躍進をもたらす原動力たりえるのだということのようです。

みなさん、中食(なかしょく・お弁当、総菜などの一次加工された食品)産業という言葉お聞きになったことあります?「外食」は、レストランなんかでの食事ですが、中食は、ウチや職場などのレストラン外で食べるんですが、既に「食べれる状態」になったものを売るものを指します。中食は、近年における女性の社会進出、核家族化、個食化等の消費者ニーズの変化やスーパー、コンビニエンスストア業界の発展等により、年々市場規模を拡大させており、15年は6兆1,410億円で、外食産業市場規模の4分の1にまで達し、食料消費における中食産業のシェアの比重が年々増加している状況にあります。

この中食産業の中でもお弁当分野での草分け的存在といえば、「ほかほか弁当」。数名の「温かいお弁当を提供したい!」という想いが、当時の「冷たい弁当」があたりまえ、お弁当は家庭で作るのがあたりまえの世の中に結実します。

先日のTVでこの話をやっていたんですが、開店当初は、保健所が来て、「温かい弁当は雑菌が繁殖しやすいので、駄目だ。冷たくして売りなさい」という「指導」を受けます。そこを徹底抗戦し、データも駆使して、「温かい弁当でも、雑菌は2時間は発生しない。購入者は2時間以内に食べるから問題ない!」という反論をしつつ、「温かい弁当を売る」というコンセプトにこだわり続けます。

この「ほか弁」ですが、第一号店は、産業用トラックの行き来の多い、街道筋に出店しています。トラック運転手の昼食ニーズをターゲットにしたんですが、これが予想に反して、さっぱり受けなかったそうです。

他方で、意外なことに、着実に伸びてきたのが、主婦層でした。働く女性や社会進出する女性が増える中で、昼食を作る時間を少しでも省略したいというニーズにマッチし、あっというまに主婦層の圧倒的支持を得て、急成長していきます。当時の創業者たちも、「主婦はかっこ悪いから買いに来ないだろう」というように考えていたため、全く意外なターゲット層に嬉しいオドロキを隠せなかったようです。

この話、マーケティグの題材として、とても面白い。この話は、顧客のセグメンテーションと顧客のジョブ着目という、以前にこのブログでもご紹介したテーマの好例ですね。

顧客のセグメンテーション(この場合は、トラック運転手を当初の対象としていました)が必ずしも的を得ていなくても、顧客のジョブ(温かい弁当を食べたい!)にこだわったからこそのヒットだったといえます。ほか弁が、保健所の指導に従って、冷たい弁当を売っていたら、間違いなくこれまでのヒットはなかった。しかし、顧客のこのジョブには徹底的にこだわったからこそ、其の後の成長と業界の発展につながったわけです。

今や、24時間営業のオリジン弁当などの進出で、ちょっと押され気味のほかほか弁当ですが、6兆円産業に成長させたきっかけとなっている、彼らの「顧客ジョブ」への注目は、とてもマーケティグの視点から参考になりますね。

昨日ご紹介したのと、同じ本で、「最も才能のある従業員を惹きつけ、仕事を任せ、そして引き止めておくのに必要な本質的要素を測る質問」としてあげている10の質問があります。

1 仕事の上で自分が何をすべきか、要求されていることがわかっているか
2 自分の仕事を適切に遂行するために必要な材料や道具類が揃っているか
3 毎日最高の仕事ができるような機会に恵まれているか
4 最近一週間で、仕事の成果を認められたり、誉められたりしたことがあるか
5 上司や仕事仲間は、自分を一人の人間として認めて接してくれているか
6 仕事上で自分の成長を後押ししてくれている人がだれかいるか
7 仕事上で自分の意見が尊重されているか
8 会社のミッション/目的を前にして自分自身の仕事が重要だと感じられるか
9 仕事仲間は責任を持って精一杯クォリティの高い仕事をしているか
10 仲間にだれか最高の友だちがいるか
11 最近半年間で、自分の進歩に関してだれかと話し合ったことがあるか
12 仕事上で学習し、自分を成長させる機会を与えられたことがあるか

「うー、12個も質問しとられん!」という声が聞こえてきそうです。

この中で、小規模のNPOで、事務局長とスタッフの2人の事務所でも、取り上げれそうな、ベスト5の質問を個人的好みであげさせていただくとすれば、

)萋最高の仕事ができるような機会に恵まれているか
∈廼甍貊鬼屬如∋纏の成果を認められたり、ほめられたりしたことがあるか、
仕事上で自分の意見が尊重されているか
ず廼疊焦間で、自分の進歩に関してだれかと話し合ったことがあるか
セ纏上で学習し、自分を成長させる機会を与えられたことがあるか。

というあたりでしょうか?
特に答えが難しいのが,亮遡笋任后しかし、この問題設定は大切なところです。「この半年で、自分にとって一番の仕事ができた機会とはどのようなものか」という振り返り型の質問でもいいかと思います。

要は、そうした「最高の瞬間」をいかにして常態的に実現するかというのが、次の課題になります。

外から見ていて、スタッフのモチベーションが高い組織は、信用性が高まります。ファンドレイジングの成功のためにも、遠回りな様で、スタッフのモチベーションを高める仕掛けは、とても大切なことだと思います。

これも、忙しいNPOの事務局では、「言うは易し、行うは難し」。しかし、年に1度はそうしたスタッフの振り返りも大切かと思います。

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