サンフランシスコでファンドレイジングのインターナショナル・サミットっていう、2−3年に一度開かれる各国ファンドレイジング協会のCEO会議みたいなのに参加したんですが、そこで1年ぶりくらいにResource Allianceの代表のカイラに会いました。

Kyla

彼女とは前からの知り合いで、2010年くらいに、彼女が前の職場(アメリカのある国際協力NGO)の本部のマネージャーだったときに、日本支部の運営支援のために来日して会ったのが最初で、そのあと、私の会社のほうで彼女の団体の支援をすることになってしばらく仕事一緒にしたんですが、とても仕事ができて、かつ人間性が素敵な人で、すごい優秀なファンドレイザーだなあという印象があったんです。そのうえ、なんかお互い気があうというか、ノリとか感覚が近くて、ちょくちょく海外のカンファレンスで会って話たりしてました。

そのあと、その団体をやめたと聞いて、どうするんだろうと思っていたら、Resource Allianceっていう、国際的なファンドレイジングの世界では超重要なネットワーク団体のトップに就任して、優秀な人はやっぱり上がっていくなあとうれしく思っていたところでした。

彼女のResource Allianceは私たちみたいに特定の国でファンドレイジングを盛り上げようというより、「世界」のファンドレイジングの底上げをしてきた組織です。有名なのはオランダで毎年開催されるInternational Fundraising Congressという60ケ国以上からファンドレイザーが集う世界で最も評価されているカンファレンスやってたり、アジアやアフリカでもカンファレンスを開催したりしています。

カイラは、そのアメリカのNGOからリソースアライアンスに転職して、そのあとアジア各国でもファンドレイザーの育成プロジェクトやカンファレンスを仕掛けていているので、ちょっと聞いてみたくなって、聞いたんです

今、カイラは、アジアのファンドレイジングをどう見ている?」

そうすると彼女はこう言いました。

「アジアでは、NPOという概念自体をSocial Impact Organizationと定義を変えて、そこに絡む様々な事業を包括的に見た方がいいのではないかと感じている。NPOが歴史的に既にすごく存在感をもってしまえたアメリカとかとはちょっと違う。そしてベンチャーフィランソロピー、社会的インパクト投資、企業のCSVとの連携、インパクト評価といった軸を伝統的なファンドレイジングの軸に融合させて相乗効果的に考えたほうがいいんじゃないかと。欧米でも一定程度そのニーズはあるんだけど、欧米で考えるファンドレイジングを包括的に進化させたモデルを考えるといいのじゃないかって最近考えているの」

カイラ、やっぱり切れるなあ・・・

前回のコラムでもちょっと書きましたが、日本のファンドレイジング協会も、日本の認定ファンドレイザーのカリキュラムも、欧米にはないモデルで動いているんです。それがカイラの言うところと全く同じ発想だったので、なんだかうれしくなりました。これまで、日本のモデルのことを欧米のファンドレイジング業界のリーダー的な人に話ても、今一つピンときてもらえないところがあったんです。正直なところ。なんでそんなに複合的に考えないといけないの、的な反応。

米国のように25兆円の寄付マーケットのある国だと、NPOはそこだけの戦略考えても結構うまくいきます。しかし、アジアだともちろんどこの国にもそれだけのスケールはない。そうすると課題解決のためにもっと多様なファイナンシャルスキーム考えないといけない。休眠預金然り、ソーシャルインパクトボンド然り、社会的インパクト評価しかり。ただ、もちろん本質のファンドレイジングの背骨は変わんないんだけど。そこがしっかりしないと、ふわっとしたものになっちゃう。そこを軸に複合的に絡み合わせる感じ。

結果的には、特にアジアでは資金と人と知恵をどうレイズしていくか、ということのチャネルを多様化させて、でも一体にして考えるということじゃないかなと」とカイラ。アメリカ型の伝統的ファンドレイジングにあれだけ長く携わっていたのに、このポスト1年半の在任期間なのに、アジアのファンドレイジングの本質を見切れるところがいい。

私にとってはファンドレイジングとは、「共感性を活かして、資金と人と知恵を巻き込むことで、生み出すインパクトを最大化する”共感型ブレイクスルーを生み出す”」プロセスだと思っています。

カイラいいなあ。惚れ直した感じ。いいときに、いいリーダーがResource Allianceを率いてくれていてうれしいです。今度、6月26−28にタイでResource Allianceが国際カンファレンスを開きます。日本からもファンドレイザー何人か参加するようです。ご興味ある方、ぜひ参加してみてください。
http://www.resource-alliance.org/asia