さあ、新年はじまりましたねえ!

そこで、昨年1年間を振り返っての「社会的インパクトな10大ニュース」をまとめてみました。

第10位は、ソーシャルインパクトボンド推進、閣議決定

社会的インパクト志向な社会になっていくうえで、行政の意識の変化ってとても大切ですし、やはり社会的インパクトを説明するうえでも行政支出の削減効果というのはわかりやすい。その意味でも注目されているソーシャルインパクトボンドが、2015年6月に政府の経済財政諮問会議が発表した政府の基本方針である「骨太の方針2015」および「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」の閣議決定の中でSIBの推進が明記されました

現場は地方政府にあって、予算が霞が関と地方政府にまたがって管理されている日本では、地方自治体だけだとソーシャルインパクトボンドが進まないという中で、この閣議決定が今後生み出す社会的インパクトは大きいと思います。


第9位は、寄付金領収書の電子化が税制改正大綱に

これも地味に大きなインパクトがある政策実現です。いままで寄付の領収書って控除受けようと思うと電子領収書ではだめだったのが、2015年の税制改正大綱で認められるようになりました。実現は平成30年からですが、オンライン寄付やクラウドファンディングなどが伸びている中で、このところの改正が実現したのは大きいです。
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/131061_1.pdf


第8位は、newdea日本上陸

世界130ケ国の現場で活用されているクラウド型の社会的インパクト・モニタリング・評価ツールであるnewdea
の日本語版が4月にリリース。これも、社会的インパクト志向の社会になるうえで必要なツールだと思います。
http://fundrex.co.jp/newdea


第7位は 渋谷区で「同性パートナー条例」が3月に成立!
全国の自治体では初めてのこの取り組み、昨年は非常に大きな話題になりました。
このことは、単なるひとつの自治体の判断という枠組みを超えて、社会に大きなLGBT等への
関心の高まりを生み出したという意味で、とても大きなインパクトのある政策決定だったと
思います。
ダイヤモンドオンラインの竹井さんのこの件に関する経済効果的記事
http://diamond.jp/articles/-/69684 も面白いです。


第6位は、休眠預金活用法案自民総務会通過

ソーシャルセクターが全体としてインパクト志向になるうえで、「資金の出し手」がインパクト志向になるということが同時に必要です。その観点で日本で非常に大きな可能性を持っているのが、休眠預金の社会的活用にあります。2015年は法案の国会審議までは至りませんでしたが、最難関の自民党総務会を通過することができましたので、今年の通常国会でぜひとも成立させたいところです。

成果志向の資金がまとまって生まれることで、自然と他の助成金や政府補助金などへも発想が伝播していくと思っています。その観点での社会的インパクトは大きいと思います。


第5位は 社会起業家やソーシャルビジネスを題材とした映画やドラマが

2015年はフリースクール侍学園の長岡さんたちのチャレンジを題材にした映画「サムライフ」や
病児保育フローレンスの駒崎さんたちの活動を題材にしたドラマ「37.5℃の涙」150703_0051-580x395samelife1

といった映画、ドラマが生まれた年でもありました。俳優さんたちが演じると、カッコいいですね。これもNPOやソーシャルビジネスに対する空気を変えるインパクトがあったなあ。

第4位 「社会的インパクトとは」発刊

原題はMeasuring and Improving Social Impact 2014年に100以上の社会セクターのイノベーションが生まれるプロセスを分析して、「インパクト創造サイクル」としてまとめた本です。こうした実践的な教科書ともいえる本がこの分野にはないと感じていたところ、英治出版さんのご尽力で翻訳本を出すことができました。
この本が日本のソーシャルセクターや行政、企業CSRの人たちにとって、「社会的インパクト」の基本的意味合いを共通言語化させることによるインパクトは大きいと思います。
ダウンロード



第3位 内閣府とG8社会的インパクト評価タスクフォース発足

「社会的インパクトをどう測定するのか?」という問いへの重要な答えが「いい指標を設定する」ということにありあります。しかし、日本ではその実践的積み上げが不足していて、みんなが悩んでいる。そこで必要なことは、分野別の指標サンプルセットを示していくということです。G-8 社会的インパクト投資タスクフォースでこの評価ガイドラインを作成する部会が発足したほか、内閣府でも社会的インパクト評価の委員会が発足しています。こうした動きが一気にあったのも2015年の特徴的なことです。
やはり、日本の状況にあった社会的インパクトを測定するという「基盤」がなさすぎたのが、これまでの課題だったんですが、それが一気に動き出しました。

 
第2位 シリア難民の一枚の写真

シリア難民の受け入れに向けて大きな影響を与えたのが、9月2日に、トルコのリゾート地ボドルムのビーチに横たわる幼いシリア少年の写真が撮影されたことでした。あの写真は世界に大きな衝撃を与え、各国首脳がシリア難民受け入れに向けて明確なメッセージを発するきっかけとなったといわれています。
その後の難民受け入れに伴う様々な各国の課題や問題が生じているということはありますが、社会にインパクトを与えたということでは、この一枚の写真の生み出したインパクトは大きい。実際に多くの難民が救われたという結果を生み出しています。

(ハフィンポストの記事リンクです。ご遺体の写真が含まれていますのでご注意ください)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/03/story_n_8080888.html


第1位 寄付月間〜Giving December〜

最後の第一位ですが、日本初の寄付月間〜Giving December〜をあげさせていただきます。
民間発の取り組みに政府も協力して全国的な寄付啓発キャンペーンとなりました。
「誘発型イノベーション」ということが社会的インパクトを最大化するうえでは重要です。つまり、当初計画して、予算をつけて、やろうと決めた事業の何十倍も、「共感して自主的に企画し、行動する人たち」によってインパクトが最大化していくという「誘発性」こそが面白いところです。その意味では、ビルゲイツ氏のサプライズ来日協力から、ビルゲイツイベントにご登壇いただいた三木谷さんのご尽力で、新経済連盟がフィランソロピー推進を今後の連盟のフィロソフィー化させる決定をしていただけたケースなど、いくつも「誘発的」な変化が生まれたことが「社会的インパクトな10大ニュース」の1位にあげさせていただいた理由です。
寄付月間


2015年は、いろんな面白い動きがありました。ここに挙げた以外でもいろんな注目すべき出来事がありましたが、まあ、独断と偏見で社会的インパクトな出来事をまとめてみました。
2016年も、いま見えているだけでも、「10大ニュース」級の出来事がいくつもあります。
日本は今日の延長の明日、というだけでは立ち行かない時代が来てしまいます。だからこそ、社会的なインパクトを生み出すところに、社会の限られたリソースを投入することが大切。2016年も新しい社会的インパクトをみんなで生み出していきましょう。