今日はダイレクトメールについて考えてみます。

ダイレクトメール。

欧米では、90年代のファンドレイジングの成長とダイレクトメールは切っても切り離せない関係にあります。

90年代、おそらくファンドレイジングの世界で最も伸びたのが子のダイレクトメール。


NPOですと、「ハウスリスト」つまり、これまでの寄付者やボランティアの方など、既にコンタクトのある方に送るダイレクトメールはとても一般的ですよね。

他方で、欧米で伸びたのは、名簿業者から名簿を購入して送るダイレクトメールです。

「え、そんなんでコストに見合うの!?」と思うかもしれません。


実際には、リストにもよるのですが、

このダイレクトメール、いくつかの仕掛けでペイするようになるんですよね。

第一には、ダイレクトメールの「見せ方と内容」。よくやってしまうのは、パンフレットとか、ニュースレターとか、いろいろ入れちゃう。それって、情報量が多いようでいて、実際に読み手には伝わらない。

むしろ、ひとつの「手紙」が入っている方が強力だというのが定説です。

第二には、レスポンス率の考え方。
10万通のダイレクトメールを送付して名簿業者から名簿を購入して、1千万円のコストがかかるとします。

実際のレスポンス率は、90年代の日本では寄付者がダイレクトメールに対して10%!を超えたケースもあるようですが、今では0.6-1.0%のレスポンス率です。

平均の寄付額は、だいたい7千円〜1万円くらいかなあ。

こうやって計算しますと、1%レス率(1000人)と考えて、平均1万円だと、丁度1000万円でブレイクイーブンになるという勘定です。実際には、6-7百万の金額回収と考えたほうがいいでしょうね。

「なんや、ソンやん!」と思ってはいけません。

ファンドレイジングの世界、一番コストがかかるのが、Donor Acquisition(最初の寄付者の獲得)なんですよね。

1ドル集めるのに、最初は1ドル以上かかってもいいというのがDM戦略。

勝負所は、一度こうやって寄付してくれた1000人に、いかに、マンスリーサポーターや、2回目の寄付に「ステップアップ」してもらうか。

「2回目」でブレイクイーブンを超え、3回目、4回目でどんどん寄付率がよくなる。つまり、中期的に平均すると1ドル寄付を得るのに、30セントくらいのコストになる可能性があるということですね。

このプロセス、極めて数学的なプロセスです。

「え〜、私だったらDM来たらむかつく」と思うかもしれません。

実際に、0.1%くらいの受け手からはクレーム電話がきたりすることもあります。

しかし、このDM戦略。大事なのは、「100人に1人、あ、いいなと思ってくれれば勝ち」というモデルにあるところがあります。「99人が関心をもたなくたって構わない。」ということですね。

むしろ、NPOなどで働いている人にとっては情報過多の状況にあるので、こういうダイレクトメールをもらうのっていやかもしれませんが、普段全く接点のない人には、違った見え方をすることもあります。

実際に日本でも90年代から2000年代前半にかけて、大手NPOのメガDMキャンペーンは、すごい寄付額を生み出しています。

日本でも、意外とうまくいくことがあります。

もちろん、団体知名度や、広告などとの複合戦略が必要ですが、知っておいて損はないですね。