今日は、午後、国土交通省主催の「新しい公共」シンポジウムに登壇してきました。

なかなか興味深い議論だったんですが、改めて感じたことを。

1 「新しい公共」を単なる予算配分の変化に留めてはいけない。
 税金を政府が集め、それを配分するときに業界団体と天下り先に加えて、NPOもリストに加わりましたというだけでは、社会の本質は変わらない。また、結局補助金漬けの新しい非効率なセクターが生まれることになる。

2 政府の新しい役割は、市民や企業の資金がNPOや社会起業家に流れていくことをサポートし、資金の受けての企業やNPOがレバレッジで数倍の社会的リターンを地域社会に生み出すことを支援すること。

3 金融機関は、顧客に資金を社会に還元する「きっかけ」をいい形で用意することが最大の役割。金融機関が、リスクを冒して、信用力のないNPO等に資金を多く貸し出すべきであるということではなく、投資減税、プランドギビング減税などについて顧客にいい形で説明し、顧客が社会貢献に「再投資」することを支援することが大切。

4 NPOや社会起業家にも課題がある。情報開示しない、中期事業計画ない、パパママストア(個人事業主の域からでない事業体。夫婦でやっている個人商店のイメージから出た言葉)から脱却しようとしない、という「3ない」では、新しい公共を担う主体としては余りに弱い。

新しい公共を担う事業体に、経営の自律性、効率性、計画性を求めるとき、やはり、個人や企業からの出資や寄付といった「社会の応援のお金」が入るのと、行政からの補助金が配分されるのでは、事業主体の緊張感も違うと思うんです。

補助金漬けは何も変化をうみませんし、事業自体がしっかりしていないのに、お金だけ流れが増えても逆効果であるという指摘は、そのとおりだと思います。

それはその通りで間違いないのですが、注意しないといけないのが、その「お金の性質」だと思っています。

行政の配分資金が増えても、効率は上がりませんが、個人や企業からの支援資金は、入ると組織に緊張が生まれ、外部者の監視や経営支援が増えてくる要素があります。誰だって、大事なお金をその団体に投資(寄付)したら、活かしてもらいたいですものね。また、もらう側も、そうした「志」あるお金には意気に感じたりします。その結果、事業がかえって成長したりします。経営も改善する動機づけになったりします。そうした活かし方のできる事業体を増やすことも大切ですよね。

もちろん、事業収入で完全自立し、どんどん拡大していく事業タイプもあるんです。でも、そこだけにこだわると、資本力の無いNPOなどは、どうしてもこじんまりとまとまりすぎてしまって、社会の変革を担えない。ここが、欧米のNPOや社会起業家を取り巻くパラダイム(いい事業には、社会から投資や寄付が集まり、それを資本金代わりに事業が更に大きく展開して、多くの人を救う)と、日本の「最小単位最適化」型の社会起業・NPOの違いになっているような気がします。

NPOや社会企業の価値は、「枠を超える」というところ。

行政にも、通常の企業にもない、「枠」の超えかたをすることで、社会に大きな変化を生み出し、地域経済を活性化させていく存在なんだと思います。

そうした事業企画力、経営力のあるNPOを数多く生み出すことが必要な時代なのだと改めて感じました。