今年の年頭。もちろん原稿を書いたのは、昨年のうちでしょうから、タイガーマスク運動に左右されたわけでもないし、まあ、もともとそんな視点では書いていないでしょう。

経済評論家の堺屋太一氏が、新年早々の週刊朝日の巻頭に書いた7ページにわたる論文、ごらんになりました?

「世界を日本が再びリードするための条件」と題された文章で、バブル以降、経済も社会も元気がなくなってしまった日本社会が、次に何を目指すと再び世界をリードできるのかという視点で包括的な処方箋を書こうとチャレンジしています。

何の気なしに売店でこのタイトルが大きく載った表紙をみて、「そうか、・・日本が世界をリードするか・・やっぱりシニアの寄付が進む社会がブレークスルーになると思うんだけどな・・・」と思って買ってみたんです。

そしたら・・・

ホントにそう書いてあった!

堺屋太一さんいわく、「日本が再び世界をリードするためには、「好老社会」を実現しないといけない」。シニアが尊敬され、シニアが安心してくらせて、それでシニアも消費や支出をするようになる社会です。そのためには「シニアが寄付をしやすくする税制を整えないといけない」と。

日本の高齢化のスピードは、世界的にも例がない。

また、シニアがこれだけの金融資産(ある推計では60歳以上の金融資産(土地などの不動産を除く資産)は890兆円に至ります)を持っている社会もない。

他方で、どうも日本社会は若い人が優先されて、シニアはいつも「老後が不安」と漠然と思っている。

ここに動きを起こすことで、社会全体の循環が良くなり、かつ、日本型の「好老社会モデル」が、世界の高齢者ビジネスに広がりを見せるという文脈です。

そこで、いろんなシニア向けサービスをこの数年来、いろんな企業が考えるんですが、なかなか高齢者の消費行動はすすまない。やっぱり、不安なんですよね。

80歳になって8000万資産があっても、やっぱり、「不安」。だからためておく。おカネがないと孫も遊びに来ない。そんな社会。

堺屋さんは、シニアが寄付しやすくする環境を整えることで、地域社会に寄付という形で還元するお年寄りが増えることで、地域で尊敬され、誉となるお年寄りが出てくることが大事だと説きます。

子どもたち、孫たちの世代が、「おじいちゃん(おばあちゃん)カッコイイ!」と思うような生き方を「寄付」という形で実現することで、地域社会に受け入れられ、尊敬されるお年寄りが多く生まれる。

そうすると、お年寄りは、受け入れられている、つながっているという「安心感」から消費行動にも出やすくなるということだと思います。

確かに、アメリカ社会で、高齢者が地域のNPOに寄付すると、若いボランティアや、他の寄付者や、そのNPOの人たちとの交流がとても増えて、単なる自分の子どもたちという枠を超えて、友人や知人が広がる。風邪をひいたら、そうした仲間が心配して電話をかけてきたりする。

そうした「かっこいい」お年寄りって、やっぱり活き活きしている。
もう独立して、振り向いてもくれない自分の子どもたちだけを見るのではなく、たまにくる孫だけを待つのではなく、地域のNPOへの寄付を通じてもっと多くの「子供たち」に感謝され、尊敬される関係になる。

やっぱり、尊敬される行動をすることが、一番の「安全保障」だったりするんですよね。

「寄付って施しでしょ」

という時代がそろそろ終わろうとしています。

「寄付して、自分も幸せになる」

それが当たり前になる時代。

もう少しで扉が開きそうです。

経済界の成長をずっと支え、引っ張ってきた堺屋太一さんの言葉だけに、とても勇気づけられますね。