ふっと思ったんですが、ある日、天使が現れて、何かひとつお願いごとをかなえてくれるといったとします。

そこで、こういいます。「じゃあ、日本のNPOスタッフの平均年収を1千万円にしてください。」

その翌日、その願いが現実になります。全国すべてのNPOのスタッフの給与が一夜にして数倍になり(現行では150万から250万くらいの団体が多いですので)、大手NPOの事務局長クラスは年収2000万円層も続出です。

すると、その年の就職ランキングでもトップ10の中にNPOが3団体入り、大手NPOは新卒を50人採用といったニュースが新聞紙上をにぎあわせます。転職雑誌もNPO特集に沸き、20代、30代女性をターゲットとした女性誌でも、インタビューされている人の中に、NPOで颯爽と社会を変える女性という人が必ず出てきています。「本当に優秀なヤツはNPO行くよね、フツー」みたいな会話があっちこっちで起こります。

小学生に「将来の夢は」と聞くと、「NPOに入って、社会をよくするんだ!」という声がかなりのパーセントになります。
30代で転職する人も、「ぼくも、NPOで採用してもらえました!」と報告すると、会社同僚から「おーやるな!」という風なやりとりがあちらこちらで見られます。

どんどん優秀な人材が流入してきたNPOは、官僚以上のシンクタンク能力を発揮して、政治とも直接のつながりを強め、社会を良くする政策がどんどん実現します。それも、地域の地道な活動から出たアイデアや成功モデルを全国に広げるような発想で次々と魅力的な政策が実現します。

TVで、世の中で苦労している人、悲惨なニュース、社会の「こんなのおかしい!」というような問題が報道されても、これまでは「日本てなんだこうなんだろーなー」と思うしかありませんでしたが、今では、そうしたニュースがでると、「ウチのNPOが昨日のニュースのような問題が起こらない社会にするためにこんな解決策を持っています」というようなプレスリリースがTV局に殺到します。それがスグに報道されて、そういうNPOを見ていて、「やっぱり社会を良くするのはNPOだな」と富裕層からお年寄りまで、みんな寄付を始めます。

企業も、NPOとタイアップしないと、お客様の信頼を得ることができないといった心理状態になってきます。それ以上に、NPOの企画提案力がすぐれていて、思いもよらない魅力的な提案がどんどんNPOから出てきますので、マーケティングやブランド戦略の検討をNPOに委託する企業も出てきます。

これまで、「寄付はするけど、事務局費じゃなくて、困っている人に全額とどけてね」といっていた寄付者のうち、「こんなのは寄付じゃないし、ボランティア活動じゃない」といって離れていった人もいましたが、それを上回る人たちが、新たに寄付に参入してきます。「こりゃNPOは社会を変えるやろう」という空気が世の中の中心になってきます。

こうした急速な変化を見て、アジアの他国や欧米からも、「新たなAsian Miracleが日本でおこっている」と視察が訪れます。日本社会の新たな国際競争力として、企業、NPO、行政と地域社会が一体となって力を発揮するモデルに、ハーバードでも、「日本NPO学」という講座が生まれます。

うーん。こういう世の中にしたいなあ。天使さん、何時でも来てください。