詐欺に何故人は騙されるのでしょうか。

先日、あるTVを見ていましたら、ロコ・ロンドンという金の商取引に関する投資話に騙されて、78歳の高齢者が退職金と妻の保険金の全額である3500万円をまるまる騙し取られたという話が出ていました。

こうした「だまされる人の心理」というものをいろいろと解説している本も出てるんですね。

著名な社会心理学者Cialdini,R.は、こうしたコミュニケーション上の心理的要素を次の6つに分類しています。

1.返報性…恩を受けると、その分、お返ししなければならない気分になるということ。
2.コミットメントと一貫性…一度はまると、それを取り戻そうとして引き返せなくなる。一度引き受けると次回から断りにくくなるといった心理。
3.社会的証明…多くの人がしていることは無批判に正しいと思ってしまう。多数派に影響される。
4.好意…相手に好意を示されると頼みを受けてしまいがちである。また、友人の言うことは信用しやすいといったこと。
5.権威…権威のある人の言うことは信じやすくなる。
6.希少性…手に入れにくいものは興奮を引き起こし、判断力を鈍らせる。

うーん。なるほど。

日本社会は特に義理や仁義の要素が大きな位置を占める社会ですので、「人との貸借関係」を心理的にも持ちたくないという気分があります。その点では、「返報性」という心理的要素は、とても重要なところです。また、「みんながいいっていうなら」という「付和雷同」型の社会でもありますので、「社会的信用」の要素も強い。

以前に、ホテルで「環境保護のためにタオルの再利用にご協力ください」ということをメッセージとして書く際、いくつかのパターンに分けて書いたそうです。例えば、環境保護の重要性を詳しく説明しり、タオル交換を控える効果を説明したり。その中でも、最も効果があったのは、「このホテルに滞在する方の9割の皆様には、これまで環境保護の観点からタオルの再利用にご協力いただいています」といった「みんなやってますよ」というメッセージだったそうですね。

人間とのコミュニケーションにおける心理学。奥が深いなあ。