日本の寄付文化や市民社会のルーツを探るうえで、興味深い調査があります。

明治維新直前の日本人の識字率の高さに関する調査ですが、Doreによれば、明治維新時点で、日本国内には1万を超える非政府の学校があり、男子の43%、女子の10%が読み書きが出来たそうです。

この数値は、当時、産業革命を受けて経済成長を遂げていた英国よりも高いものであったようです。こうした一般市民の識字率の高さは、藩校等の政府系学校よりは、民間の学校組織によるところが多く、そうした学校も、地元の商人が(寄附)しあって設立したり、篤志家が資金を出して設立したケースが多かったようです。  

当時の徳川幕府自体に、一般市民の識字率向上に向けた政策的意図があったとは考えられず、また、武家社会にあって、行政サービスの対象はあくまで武家中心であったことを考えると、当時には一般市民が自ら社会サービスを提供しあう(相互扶助)体制が必要不可欠であったものと考えられます。

日本の協同組合型・隣組型の組織と、相互扶助的な公的サービス提供機能は、日本型のひとつの「型」ともいえるかもしれません。