もかちゃん、サンフランシスコからの久しぶりの投稿、ありがとう!
元気にがんばってそうですね。引き続き、サンフランシスコからの「最新ファンドレイジング事情」心待ちにしています。

さて、先日も触れた「日本の寄付の文化」の話ですが、ちょっと続編で触れたいと思います。(ちょっと固い話ですみません)

日本の多くの人々が、日本の非営利セクターは近年まで極めて脆弱であったと考えています。しかし、私は、実は、日本の非営利セクター的なものは長い歴史を有し、日本の文化的、政治的システムに深く根を下ろしてきていると考えています。

これは、厳密にいうと、今風の「非営利セクター」のようには見えないものかもしれませんが、「行政でもなく、営利活動でもない」社会的機能としての相互扶助システムが日本社会に存在し、それが長年の間、組織化されていたという意味です。

どんな社会でも強制的徴税機能をベースとした行政による社会サービスの提供と、市場原理に基づく、営利型社会サービスの提供だけでは、必ず社会的な抜け落ちが出てきてしまいます。すべての社会は、その差を埋めようという社会的な動機が働きます。これが、かつてのローマ帝国時代における、政治的リーダーによる私財を投じたインフラ整備事業であるわけです。あるいは、中世ヨーロッパの教会組織を中心とした教育や福祉サービス機能の提供であったりする訳です。

その意味では、日本には非営利セクターにおいて、2つのルーツがあると思っています。第一は仏教の慈善活動(チャリティー)に基づくものであり、6世紀から7世紀に大きなムーブメントが発生してきています。第二は協同組合や町内会的な隣組組織であり、それらの存在目的は公共の福祉というよりは、構成員の相互扶助ではあったものの、中世期にはその活発な活動が報告されています。

その伝統の中にあって、明治維新以降は、欧米的な富裕層や貴族などによる「チャリティー」の概念が日本社会に入ってきます。戦前の社会福祉事業の非常に多くの財源が皇族の寄付であったということからも、明治維新後の日本社会が、欧米社会の慣習を取り入れようと努力したあとが伺えます。これが、2つのルーツの上に乗っかった、「第三の流れ」だと思っています。