LLPについては、まだ新しい制度なので、もう少し分析してみますね。

平成18年3月時点の経済産業省の発表では、設立された270に満たないLLPのうち、2名の組合員で設立されているのが約40%、3名が20%となっています。大半のLLPは、「共同事業」を行うという前提からも、業務遂行や意思決定を組合員全員で行うという制度上の考え方からも、少人数の組合員構成となっています。また、設立した人の約28%が経営コンサルタント業となっていて、ソフトウエア開発が約19%で続きます。

こうした全体像の中、公益事業として活用する方策については、どうしたものがあるかというのが、このブログの関心時です。調べて見ると、ハウジング・アンド・コミュニティ財団という財団法人が、大学の先生と協力して、千葉市郊外の古い「ニュータウン」で、地域活性化の取り組みを試行的にLLPを活用して実施しています。

これは、衰退して空き家が目立つ千葉郊外に立地する築後30年が経過した大規模郊外型分譲集合住宅団地において、老朽化し空家が増えた団地の住戸をLLPが借り上げ、シェアリング方式の学生用住宅として改修し、サブリースを行うという事業を実施しています。

目指すところは、居住者の高齢化が進む地域に学生が居住し、地域の活動に参加することで、地域全体の活性化につながることを期待するというものです。

このケースは、千葉市郊外のある団地の一軒を対象に、3人の学生に賃貸で貸すという形で実施する事業ですが、LLPを構成するのは、団地住民2名、不動産知識を有する大学教員と建築・財務知識を有する大学教員、そしてリフォームに詳しいまちづくりNPO(法人)の計5名が組合員です。

実際に空き室を提供するオーナーと空き家への入居者を募集したり借家契約の締結などの業務を遂行する「事業パートナー」については、組合員とはならず、それぞれの作業や提供資産に対する対価という形でお金が支払われることになります。

LLPの最大の性格ともいうべき、配当金の設定の仕方の柔軟性を活かして、団地住民は出資は0.5%ですが、配当金は30%となっています。これは、住民が住宅管理や居住者支援などの労力を提供するためで、それにみあった配当金を受け取ります。他方で、まちづくりNPOは、出資比率は24%ですが、配当については5%のみを受け取ります。これは、まちづくりNPOは、この事業を通じて、部屋のリフォーム業務を受注するメリットがあるためです。

こうした団地再活性化事業をLLPで行うメリットは、団地内の空き室解消という目的のみならず、其のプロセスを通じて団地の活性化を図るというコミュニティイビジネスに、住民、NPO、専門家が出資という形でコミットし、配当も受け取れるというメカニズムにあります。これらを全てボランティアベースで行うことは、もちろん可能ではありますが、「出資と配当」という明確なメカニズムを構築することで、長期的に維持発展しやすいものにしていこうという取り組みです。

また、配当金の設定の仕方を提供する労力や実質的に組合員がこの事業から得れるメリットを勘案して設定しているのも大きなポイントです。これは、株式会社とは違う、LLPのメリットといえます。