今週、2つのNPOの中期計画の話について、相談を受けました。

ひとつは、数億円規模のNPOで、もうひとつは3千万円規模のNPOという、全く違う規模の団体ですが、丁度これから中期計画をつくろうということで、色々と検討されているところでした。

その過程で感じたことですが、「中期計画」って、NPOで活動をしていると、「つくらなきゃ」という気にさせられますが、今一度、「一体何故中期計画をつくるのか」を考えて見る必要もあるかもしれません。

「そりゃ、経営を考えたら、中期的な方向性なり、アクションプランがないとだめだろう」という声も聞こえてきそうです。経営学的(常識的)には、そのとおりで、中期的な方向性についての組織内同意があり、向こう3〜5年間で何をやろうかということがはっきりしている方が、毎年その都度活動内容を考えるより効率的であることは間違いありません。

しかし、ここで「何故、中期計画をつくるか」を私が「何故」考えたいかというと、経営資源が少なく、内外の環境がしょっちゅう変化するNPOにおいて、「本当に今、中期計画をつくる必要がありますか?」ということを、まず、しっかり自問する必要があるという意味で、考えて見たいのです。

実は、立ち上げ時や勢いのあるときには、意外と中期計画のようなものがなく、毎年「これだけはやろう!」という合意があるだけで、どんどん事業が展開するときもあります。中期計画をつくって、一安心みたいになって、ファイルにしまわれてしまうこともあります。

中期計画って何なんでしょう。

私の今の理解は、中期計画は、単に3年後に向けての各事業や部門のアクションがまとめてあるものではないんです。中期計画は、

「その策定のプロセスを通じて、組織内の経営資源を再評価し、数年後の組織として実現したい状態のイメージ(ビジョニング)をステークフォルダーで共有することで、組織の一体性を高め、組織のイメージ(信用力)を高め、かつ戦略的な経営資源の集中投下を可能とする、パラダイムシフトのきっかけとなるもの」

というイメージです。キーワードは、「策定プロセス」自体の重要性、「ビジョニング共有」の重要性、「パラダイムシフトのきっかけ」というあたりです。

中期計画をつくるということをきっかけとして、組織が新しく生まれ変わるような刺激を生むというのが目標です。其の刺激が、組織に活力を与え、信用力や魅力を増すということです。