金沢21世紀美術館の成功の秘訣はハード面とソフト面で説明できると思います。

ハード面では、建物の特徴として、 ̄澤舛任△襪海函↓■汽所の入り口、3放感のあるガラス張り、ぅ灰鵐札廛肇ラーの「白」などであり、自然の光を利用して表裏の無い透明感を演出しているそうです。とにかく「敷居が低い」というのが評判で、スタッフの説明では、「芸術とは、感性を呼び覚まし、心をリフレッシュさせるものです。よく、「リゾートホテルみたい」と言われますが、温泉やリゾートで癒されるのと同じ理屈で、作品と対話しながら、自分の中にある感性を発見し、充足感や幸福感を得ていただければと思います」(Yomiuri Weekly 2005年2月13日号)

ソフト面では、展示物に触れることができたり、体験できたりするものが数多く用意されているのが特徴的です。目玉は、「スイミング・プール」という作品で、上から見ると水をたたえたプールですが、下から見ると、水を通して天井が見えるという仕掛けになっていて、子どもにとってはたまりませんね。

これ以外にも、実際に遊べる、変わった形のピンポン台が、実は作品ということもあるようです。現代美術ならではの「遊び」をうまく展示に活かして、子どもでも楽しめる展示に仕立てているところがミソですね。

計画段階では、「113億もかけて、伝統工芸の街である、古都・金沢で、なんで現代美術なんだ」という批判もあったようですが、伝統工芸展示中心だとこういう「遊び」は難しかったかもしれません。

「地元の人に親しみを持ってもらえる広場や公園のような美術館」というキーコンセプトがしっかりしているので、ハードもソフトも妥協無く仕上がっているということが、来訪者を惹きつける魅力となっているのではないでしょうか

これだけの大掛かりなプロジェクトでなくても、ともすれば、それぞれの専門部局が部分部分の最適化にこだわったために、統一感の無いプロジェクトの成果品が出来上がることはよくあります。

「みんなが共有するキーコンセプト」をしっかり打ち立ててから事業を行うことで、魅力ある事業や施設を創り上げることができるという好例なのだと思います。

ここで、キーコンセプトがしっかりしないと、展示物も伝統工芸と現代アートを半々にしようとか、そういう妥協が必ず生じます。そうすると、結局、これだけの成功は納められなかったでしょう。実際、この施設が出来たために、金沢駅周辺の商店街には、10軒以上の店舗が新たに開業するといった、地域活性化にも貢献しているようです。