市川市の1%制度の支援を受けた団体からの評価について考えて見ます。

市の実施したアンケートによれば、制度については、「改善すべき点は改善してよりよい制度にしていくべきである」(83.3%)、「よい制度であり、現在の内容を変えずに続けるべきである」(15.3%)となっていて、「よい制度とはいえない、やめるべきである」(1団体、1.4%)となり、全般的に、改善するべき課題はありますが、好評なようです。

納税者に参加を限るのか、非納税者も参加できるような制度にするべきかについては、「税金を納めていない人も、制度に参加できるようにすべき」(46.5%)、制度に参加できる人は、当然、税金を納めている人に限るべき」(38.0%)と、両論分かれているという印象です。

このアンケート結果踏まえて、今回の市川市の取り組みの成果はどう整理できるでしょうか?現時点での私なりの整理は次のようなものです。

.灰好般未任蓮非常にうまく努力した
 この1%制度を導入するうえで、市川市がたてた3つの原則が、「コストをかけずにやる」「納税者が手間をかけずにできるようにする」「不正がおきないシステムをつくる」ということであったようです。実際、一番大変なのは、納税者の「意思確認」をどうやってやるかという点です。システム化しようとすると、何億円もかかってしまったりして、たかだか2千万とかの補助金のためにそれだけのお金を使うのは全く見合いません。そこで、市川市が取った方策が、市の広報紙に届出用の封筒を刷り込む形というものです。住民は、そこから、「選択届出書」を切り取って必要事項を記入したうえで、自分の納税者番号を記入のうえ、提出するというものでした
 初年度の支援希望者数からすると、PR方法は改善の余地がありますが、よく考えたアイデアだと思います。
 ただ、どこまでいっても、「たかだか(目標)3000万円の事業に、いくらコストをかけるのか」という点は課題となります。

納税者の意識を高める 
 今回の取り組みにあたって、市側には、自分の税金の使途を直接決めるという象徴的なプロセスを体験することで「納税者の納税意識を高める」という副次的な目的を設定していました。こうしたことについては、短期的には成果を測りにくいですが、一定の成果があったのではと思います。それは、例えばこの制度導入にあたって市川市が各地で開催したセミナーや支援団体の公開プレゼンテーションなどに、1回で200人とかの市民が集まっている状況からも、「税」というものについての意識を高める効果はあったのではないかと思います(普通、市が「税金を考えるセミナー」なんか開いても、20人くらいしか来なさそうですよね)

市民とNPOの間の「意識上の壁」を低くする効果があった。
今回、81団体は、市の広報紙にスペースをもらって、団体の活動を紹介したり、公開プレゼンテーションや地元のCATVでの放送、ミニFMでの紹介など、限られた時間やスペースとはいえ、非常に多くの機会で、市民に活動を説明することができました。また、市民自体も、実際の自分のお金の使途の選択という形で、「どの活動が支援したいか」を一瞬でも「考える」経験を積んだわけです。
 私は、このプロセスの効果は大きいと思います。日本社会では、まだまだNPO支援も「食わずぎらい」の側面がありますし、NPO側も地域社会との接点の面で弱いところがある。そうしたなかで、こうした「場」の提供は大きな効果があったと思います。

と、効果としてあげられる側面もありつつ、昨日もご紹介した課題をどう克服していくかということになります。いつの日か、日本でも「そういえば、昔こんなことをやっていてね・・」と語り合えるくらい、NPOの支援や寄附が社会に定着する日を夢見て、引き続き、この道場でも「鍛錬」していきます。