今日は、行政とNPOの協働話に戻ります。

一昨日まで、行政の委託としての「指定者管理制度」についてみてきました。

今日は、もう少し幅広く、「委託」や「助成」というものについて考えて見たいと思います。

国際協力業界の例
私の働く国際協力業界ですが、行政からのNGOへの「助成」というのが始まったのが、1989年のNGO事業補助金制度です。その後、国際協力機構による「開発パートナー」事業としてのNGOへの委託事業(現在では「草の根技術協力」と呼んでいます)が始まり、更に外務省でもNGO支援無償制度が開始するなど、どんどん委託・助成のスキームと額を増やしてきています。

ここで、興味深いのが、「委託」と「助成」をめぐる行政側とNGO側の微妙な緊張関係ですね。

3月26日のブログでもご説明したとおり、「委託」と「助成」では行政側にとっては、責任の所在という非常に大きな点で違いがあります。そのため、中央政府や地方政府のように、自主的に予算の使い道が決められる組織であればまだしも、政府資金を「交付金」として受領している特殊法人や独立行政法人がNPOを支援する活動を行う場合、「委託」としてしか実施できないケースもあります。

例えば、日本の国際協力では、国際協力機構(JICA)という組織がありますが、JICAの場合、政府からの「交付金」という形で年間の運営費や事業費を交付されています。そして、機構法上でその使途を規定されていますので、その目的以外には使えないことになります。

JICAの場合、法律的には事業実施機関という位置づけで、助成機関ではないので、JICAがNGO側と連携しようとした場合、自らの行うべき国際協力事業を「外部委託」するというのは整理上、やりやすいのですが、「助成」という形をとりにくいということとなります。

実は、この「委託」と「助成」、受けるNGO側からすると、自らのオーナーシップ(主体性)がより発揮できるのは「助成」であって、「委託」ではありません。

こうした「委託」型の国際協力NGO支援プログラムが始まった当初は、いろいろとNGO側とJICA側で喧々諤々の議論があったと聞いています。NGO側は、もっと「助成色」を強めて欲しく、JICA側は「委託色」を守らざるを得ないというせめぎあいがあったようです。

この草の根技術協力事業ですが、今日、草の根パートナーという、上限5000万円までの事業と、草の根支援型事業という、1000万円までの事業の2パターンあります。これがユニークなのは、草の根パートナーは、国際協力の経験豊富なNGO向け、草の根支援型事業は、国際協力の経験の浅いNGO向け、と分けている点です。

どうしても小規模の団体や新興のNPOですと、こうした委託を受けにくいところですが、上限1000万円の「国際協力の経験の浅い」NGO向け支援事業を設けることで、特定のメジャーなNPOに仕事が偏らず、かつ、中小規模の団体が成長するきっかけを提供しようとしている点がとても興味深いところです。