Workplace Giving特集3日目です。

今日は、まず、社員寄附制度を設けるうえでの会社側のメリットについて整理してみます。

もし、皆さんが社会貢献(CSR)室の責任者だったとしたら、あるいはどこかの中規模企業の社長だとしたら、社員寄附制度の導入を検討するでしょうか?

企業は、基本的に、「ゴーイング・コンサーン」、即ち「継続してナンボ」の組織でありますので、きちんと法を守りつつ、利益をきっちりあげて社員を食わしていかななりません。

また、先日トヨタの社員の方と話してて、「トヨタというのも変わった会社で、社員一人一人が「いい車をつくる」ということが社会に貢献することだと信じている会社なんだよね」とおっしゃっているのを聞いていて、本業を通じて、きちんと利益をあげながら社会をよりよくしていくことができるということは本当に大切なことやなと感じました。

しかしながら、「社員寄附」というのは、会社の利益との直接的関係も分かりにくいという側面があります(先日のハーバードビジネスレビュー誌3月号でデイビッド・ボーゲルUCLA教授は、「CSRは業績に貢献しない」と宣言してましたが)。下手をするとマッチング・ギフトなんかをやると、却って福利厚生費が膨らんでしまったりします。本業と関連するのかも良く分かりません。

更に、折角善意で社員寄附を導入しても、「部長から無言のプレッシャーがあって、寄附せざるを得なかった」といったようなクレームでもこようもんなら逆効果となってしまいます。

こうした中、アメリカでは、社員寄附を導入している企業で働く人は、全労働者の25%(4人に1人)を超えているという数字や、社員寄附の総額は年間4800億円を超えているという数字もあります。また、日本でも、着実に社員寄附制度を導入する大企業が現れてきています。

この現象を踏まえながらも、社会貢献室長や社長の立場のあなたは、どのような判断根拠に基づき自らのスタンスを取るのがよいのでしょうか?

企業にとって、社員寄附導入のメリットは次のようなものがあると思います。

ー勸へのアンケート調査などの結果、「社員の一定数以上が社員寄附制度導入を望んでいる」という環境があることが確認された場合は、福利厚生充実の一環として社員に評価されます。

◆崋勸寄附」というのは、「企業寄附」に比べて、世の中の受け取り方が、より「善意」感が強いという側面があります。企業が売り上げの一部を寄附するというのも大切ですが、それ以上に、「社員の○○人の寄附が総額○○万円集まったので」という方が、その会社の従業員に社会的貢献意欲の高い人が多いという感じがします。企業イメージにとって、この点はプラスに働くと思います。

社員寄附の助成先の選定にあたって、社員が参加している活動の方が優先順位が高くなるようにしている会社は結構あります。その意図するところは、やはり、会社の仲間意識の醸成にあると思います。自分たちの仲間が社会のために一生懸命やっていることを「応援する」という感覚ですね。企業スポーツを社員みんなで応援しているうちに一体感が高まるというのと若干似た効果が期待できます。

ぅ瓮妊アへの露出機会や地域社会でのVisibility(可視性)が高まります。社員寄附というのは、企業寄附とちがって、関与する人間の数が多くなります。自分が寄附しているからこそ、報告会にも関心が集まりますし、そうしたつながりから、ボランティアとして活動に参加する機会も増えます。「お父さんの会社の人がいいことしてるって新聞に載ってたよ」というような状況を生み出しやすくなるということはありえます。「金のつながり目が縁のはじまり」ですね。

ゼ勸の会社に対する忠誠心を高める効果が期待できます。組織として社員寄附を仲介するという行為は、はっきりいって、企業にとっては手間です。そうしたことを組織として負担してでも、個々人の社員の社会貢献意欲を大切にしようとする会社であるというメッセージを社員に伝えることができます。なんというか、うまく言葉でいいあらわせないんですが、「ああ、この会社って、一人一人の社会を良くしたいと言う気持ちを大事にしてくれる会社なんやな・・」と漠然と感じてもらえるというか。

とりあえず、「社員寄附」導入の5つのメリットを列挙してみました。明日は、社員寄附のリスク管理について考察します。