ちょっと前になりますが、関西国際交流団体協議会が発行している「NPOジャーナル」の第12号(平成18年1月発行)で、「寄附・募金を考える〜日本に寄附文化を根付かせるために」という特集を行っていました。

記事の内容としては、「ファンドレイジングの総論」的なものが中心でしたが、今の日本のファンドレイジングの現状を全体として把握するにはよい特集でした。この中で、個人的には、「赤い羽根」「ホワイトバンド」「白いリボン」の3つのキャンペーンシンボルで知られる、中央共同募金会、ほっとけない世界の貧しさキャンペーン、白いリボン運動実行委員会の3組織の中心メンバーで行われた座談会に関心がひかれました。

この3団体、非常に似ているところとまったく違うところがあります。中央共同募金会は、皆さんもご存知のとおり、創設60周年を迎える、全国にあまねくネットワークを有した、歴史のある団体です。04年度は227億円を募金で集めています。白いリボン運動は、阪神大震災の翌年の96年に、犠牲者の「追悼」、支援者への「感謝」、そして「再生」への決意という3つの意味をこめた「白いリボン」を胸につけるという運動で、毎年数十万本のリボンが配布され、NPO活動支援につなげています。05年には630万円を集め、NPOに助成しています。また、「ほっとけない世界の貧しさ」キャンペーンは、最も最近のアドボカシー・キャンペーンで、ホワイトバンドを400万個以上販売しています。こうしてみると、それぞれの団体は、歴史も、活動の内容も、規模も違いがあります。

しかし、この3団体とも、キャンペーンシンボルをうまく活用している点が共通しているといえます。こうしたキャンペーンシンボル(赤い羽根やホワイトバンド)は、ファンドレイジング・キャンペーンにおいて、次のような効果をもたらすといえると思います。

〔椶魄く(関心をひく)
 マーケティングの原則には、人にAttention(注意)とInterest(関心)を惹起するということがあります。こうしたグッズは、支援した人自身を広告塔にするという役割も担っている点が、マーケティング的に優れている点です。

▲好謄ぅ織垢箸覆
 特に社会的地位のある人や人目につく職業の人(アナウンサー等)が、こうしたグッズを身につけることで、自らのライフスタイルを社会に対して明示することが可能となります。このこと自身が支援を行ううえでのモチベーションとなりえます。

やりやすさ
 寄附という行為は、もちろん直接的な見返りを期待せずに行うべきものでしょうし、寄附を受ける側も、相手が趣旨に賛同して寄附してくれるわけですから、堂々ともらえばいいんです。しかし、どうも寄附する側、される側というのは、施しをする側とされる側みないな感じがするときがあります。街頭募金でも、寄附を受けて、キャペーングッズをお渡しするというのは、なんとなく感謝を形で表している感じもして良いという場合もあると思います。

ぅャンペーンの分かりやすさ
 特に全国規模で展開するような募金活動では、「ブランド戦略」がとても重要ですが、グッズ・キャンペーンは、そのグッズそのものがメディアや一般の人にとってわかりやすい(一言で紹介できる)というメリットがあります。(「赤い羽根の共同募金」というのと、「中央共同募金会が毎年実施している、社会福祉活動を行う人々を支援するための募金キャンペーン」というのでは、イメージの浸透力が違います。)
 以前、私がかかわっていた団体でも、「ひまわり募金」というキャンペーンを行って、好成績を収めましたが、グッズを用いなくとも、一言で表現できるイメージ戦略は効果があると思います。