移植手術募金で最近で最も話題になったのは、全腸管壁内神経細胞未熟症という大変な難病で移植手術が必要となったA・Kちゃんのケースでしょう。このケースでは、手術費用が1億3千万円という途方もない金額であったうえに、非常に危険な状態で、早期手術が必要であったこと、そしてなにより、お父さんが鹿島アントラーズの設立時からの熱心なサポーターでもあり、アントラーズを中心に、大々的なキャンペーンがメディアの関心を集めました。

この募金活動は、11月16日に茨城県庁で記者会見を行い、募金活動を開始し、なんと11月30日には1億3千万を集めきることに成功しました。この成功にも、様々な要因が絡んでいることとは思いますが、私が関心を持ったことをいくつかご紹介します。

(膓盂始日にこだわっている点
上述のとおり、救う会の発足宣言と募金開始宣言は11月16日に一気に行っています。実は、その日以前から、当然救う会の事務所の準備や募金箱の準備、ちらしの準備や協力団体との連絡調整等の準備は進めているわけですので、その過程で、募金の申し出もあったそうです。しかし、救う会としては、意識的に、「募金解禁日は、記者会見の16日」という設定を行い、それまでは募金を待ってくれるようにお願いしています。「こうした募金活動、それも今回のようにより限られた時間の中でおこなうときは、ある種の特別な勢いが必要なんです。(同救う会のホームページから)」
11月16日に、募金活動に協力してくれる人々への説明会も一斉に行っていますので、この、「一気に波を起こして、一気に乗り切る」という勢いを重視し、成功につなげている点が、大変興味深いところです。

▲ぅ鵐拭璽優奪箸鯆未犬織船礇優覲拓に秀でていること
ホームページから募金お願いのチラシがダウンロードできるようにしているほか、リンクをはってもらうよう各方面に働きかけています。実際、鹿島アントラーズ等の訪問数の多い協力団体サイトからのリンクで救う会のホームページに訪れた方は相当あるそうです。また、多くの個人のブログでもリンクをはって応援していたようです。

C惨集中の物量戦
16日に募金活動解禁となった際に、チラシは、B2で1万枚、A4で3万2千枚用意していたそうです。私も自分の住む町で、別の子どものための「救う会」の募金活動に接したことがありますが、募金箱ひとつとっても、近所のスーパーではじめてみつけたときには、正直いって、「ふーん、可愛そうだなあ」と感じたくらいで、積極的に支援するという段階には意識が高まっていきませんでした。しかし、その数日後、子どもの通う病院に行くと、そこの受付にも募金箱があり、その週末には、駅前で街頭募金があり・・と、複数回目にするうちに、「本当に大変なんだな、支援しなきゃ」という気持ちと、「これだけ大々的にやっているなら、信頼できる活動かな」という気持ちになったのを記憶しています。潜在的寄付者の生活圏で、短期間に複数回目に触れるようなキャンペーンを行うことで、注意を喚起し、信頼性を高める効果があったものと思います。

こうした移植手術を必要とする家族のために、トリオ・ジャパンという組織が支援活動を行っていますが、その組織が、いろいろと救う会にノウハウを伝授しているようです。移植手術の募金活動は、日本社会の善意を非常にうまくくみ上げているなという印象です。

なお、K・Aちゃんを救う会の場合、11月30日をもって、積極的な募金活動は修了したそうですが、結局、2月6日現在で2億1千万円強集まったそうです。こうした目標額を超えた資金は、万一の再手術等の必要があった場合に備えたり、あるいは、他の救う会に振り分けたりすることとなるそうです。