コミュニティ・ビジネスをはじめようとする人のために、公開オークションというのがあるのをご存知の方も多いと思います。

「オークション」といっても、サザビーズとかがやっている、絵画とか有名人の愛用品を「競り市」のように落札するようなものではありません。地域社会に福祉向上に役立つような事業を企画している人が、集まった市民の前で自分の事業企画を発表し、起業にあたって足りないものや支援してほしいことを呼びかけて応援者をつのるものです。そして、出席した参加者が、それぞれ、「私は資金を支援しよう」「私は、宣伝を手伝おう」という感じで応援表明するものです。

最近は、地方自治体も地域の活性化を目的として、コミュニティ・ビジネスの活性化に関心を持ってきていますので、自治体が主催してこうしたオークションを開催するケースもあります。

例えば秋田県のNPO法人あきたNPOコアセンターが開催している公開オークションのケースを見てみると、数名の起業志望者が、コミュニティ・ビジネス起業を目指す想いや事業プランを提示して、支援を呼びかけます。100名を超える市民は、次の応援内容から、自分にあったものを検討します。

〇餠癲覆覆鵑箸い辰討皀泪諭爾ないと)、
⊂貊蠅箏材(例えば、福祉サービス系事業では、活動場所や作業所を借り上げる経費をいかに抑えるかが課題)、
F散颪箋〆(パソコンやコピー機代もばかになりません)、
は働力(ボランティアなど)、
ゲ湛・販売・PRなどの業務協力(以外と見過ごされがちですが、新興企業・NPOにとって、情報やサービスの流通チャネルが無いことが結構ネックになります)、
情報提供やアドバイス(様々な専門知識や経験のアドバイスが必要です)


公開起業オークションは、「お金集めの場」と誤解している方もいるかもしれませんが、むしろ、「経営資源あつめの場」と捉えたほうが良いように思います。実際、集められているお金としては、数十万円から、多くて100万円程度のものが多いのではないでしょうか。

しかし、これからNPO法人を立ち上げようとしている人や、既存のNPO法人のひとつの活動を「社内起業」的に事業化しようとする場合、こうしたオークションを活用することの効果は、お金や支援者、活動場所や社会とのチャネルを得られるだけではありません。公開起業オークションでは、自らの行おうとする活動を、全く背景経緯を知らない市民に非常に限られた時間で説明します(WWBジャパンのオークションでは、発表者に与えられる時間は5分間だけです)。そこで、即、出席者の評価が返ってくるわけですので、発表する側も、自分の事業プランについて、初めての方にもわかるように、「何故この活動が必要なのか」「活動の結果何が変わるのか」ということを説明し、「支援したいと」言わせるような発表をしないといけません。また、発表者のキャラクター、立ち居振る舞い、信念や情熱といったものも、参加者のイメージ形成に大きな影響を与えます。

こうしたプロセス(修羅場)を踏むことで、出店する起業家そのものが成長し、その後の活動に勢いをつけることができるようになります。NPO的な活動は、ともすれば「いいことだからやって当然」とやる側も感じがちです。これは裏返すと「いいことやってるんだから支援してよ」という気持ちにも繋がりかねません。しかし、支援者に「成る程これは面白い(効果がありそうな)取り組みだ」と感じさせ、かつ、「この人なら信頼して支援できそうだ」と信じさせるようなコミュニケーションに常に気を配っているNPOのリーダーがどのぐらいいるかというと、残念ながら、それほど多くは無いというのも実情です。