世界各国のNPOセクターの成長度合いを左右する要因が10あるのではと先日いいました。実は1970年代くらいから、世界各国の数多くの学者がいろいろとNPOの各国比較から、何故違いが生じるのかについて、論文を発表しています。私は、アメリカで一度、こうした過去の文献をいろいろ読み込んだ時期がありました。その結果、私なりに整理したのがこの10の要因です。

今日は、まず、最初の5つの要因を列挙します。

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 どこまでいっても、やっぱり経済が成長して、社会的中間層(要は余裕のある人たち)が育ってこないとNPOセクターは育ってこないということです。この議論は70年代から言われ続けてきました。しかし、最近では、社会的中間層が同程度に成長している国同士でも、NPOセクターの成長度合いに違いがあることから、他の要因に対する関心が高まっています。

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 国家の法体系は、Common Law系(英国、米国等)とCivil Law系(ドイツ、フランス等)に分かれます。Common Law体系国では、NPO的組織の存在は、自然権として扱われていますが、Civil Law体系国では、国家がその存在を認めたところから正式に存在しているものとして扱われます。一般的に、Common Law体系国の方がNPOの法人としての活動が容易であるといわれています。日本はCivil Law体系国といえるでしょう。

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 上記△箸皀ーバーラップしますが、個々のNPO法の規定の要因もあります。これは、アメリカのように病院や大学、市民組織まで含有したひとつのNPO法の骨格を有している国もあれば、日本のようにそれぞれの法人特性に併せて、別の法律が多数存在して、監督官庁も多数あるような国もあります。どうしても、法律が複雑化すればするほど、意欲やる新規事業者の参入を阻害する等の悪影響はあるでしょう。また、税制(寄附控除等の免税措置)も重要な要素です。

だ府の政策選択要因 
 特に政府の福祉政策がどのようなものであるのかということは、NPOの成長に大きな相関関係があるという指摘が多くあります。所謂「福祉国家」では、市民への社会サービスが行政から多く提供され、かつ税金が高い傾向がありますので、その分、NPOセクターへの資金流入や社会の期待値が減るというものです。ただし、これには、アメリカの1920年代のThe Great Society政策で政府が福祉支出を急増させた際にNPOセクターが成長したという結果が説明できないという批判もあります。The Great Society政策では、福祉支出が大きくとも、それを政府が直接使うのではなく、NPOセクターを通じて社会に還流させたことが影響しているといわれています。

ゼ要側要因(多様性要因)
 社会を構成するひとびとが多様であればあるほど、NPOセクターの成長の余地があるという説です。アメリカがその好例ですが、構成員が多様であるために、政府が一律で行うサービスで、その多様な構成員を満足させることが出来ないため、コミュニティのニーズにあった社会サービスをNPOが担っていくという構図になります。単一民族型社会では、行政の画一的サービスでも構成員の大多数が満足する可能性があるため、逆にNPOセクターが育ちにくいということもあります。