日本とアメリカは社会も文化もまったく違った国です。例えば社会が考える「公正」というものの価値観も大きく違うように思います。

米国は、上位1パーセントの家族が保有する財産が下位90%の家庭の財産を上回る国であり、ビルゲイツの個人資産だけで米国の下位40%の家庭の資産を上回るのです。これは狩猟民族としての名残りでしょうか。競争による勝者と敗者の存在を基本的に前提とする社会です。ある国際世論調査が明らかにしているとおり、アメリカ、カナダ、ノルエー、フィンランドといった国は、「自由」を「平等」よりも価値の高いものと認識している反面、日本、イギリス、スペインでは、「平等」を「自由」より価値の高いものと認識しています。

米国は、国の成り立ちからして、欧米の硬直した社会から脱却して来た移民たちが作っていますので、「政府」特に「中央政府」が嫌いです。反面、自分達のコミュニティーをとっても大切にする傾向があります。

こうした社会の価値観や慣習といったものが、ファンドレイジングの前提にどのように影響を与えるのかというテーマは、長いこと私の心を捉えて離しません。「日本社会はキリスト教が浸透していないから」という言い方をする人がいます。それは、果たして日本のファンドレイジングの困難さを説明するに十分な理由といえるでしょうか?

私は、アメリカのARNOVAという、ボランティア学会長をしていたDavid Hammackという歴史学者に師事していたころ、彼のアドバイスを受けながら、日米やインドネシアの比較をしつつ、各国のNPOセクターの成長を規定するものが何かについて研究したことがあります。

その要因は10に分けられるというのが私の考えです。その10の要素が全て揃っているのがアメリカでほとんど無いのが日本です。フィリピンやインドネシアは中間くらいという感じです。この要素が揃っている社会ほど、NPOセクターの成長は容易であると思います。

明日以降、この10の要因についてご紹介します。