2006年01月04日
ファンドレイジングとは何か(途上国とアメリカのNPOでの経験から)
外国資金に依存する途上国NPO
私は、もともとは国際協力分野が専門ですが、インドネシアで仕事をしていたときのことです。Resource Allianceという国際NPOが主催してバリで開催されたNPOの財務的自立発展性についての国際会議に出席しました。世界20ヶ国から、200団体が集まっていました。そこで議論されていたテーマのひとつには、特に途上国の開発系NPOがいかに外国ドナー資金に依存しているか、また、彼らがいかに国内の富裕層に対してファンドレイジングを行っていないか。という問題がありました。
日本ですと、世銀や国連が日本の国内で活動するNPOに助成するというイメージはありませんが、途上国では、NPO向けの最大の資金供給者が、国際機関や先進国援助機関ということは珍しくありません。そうしますと、ともすれば、地道に寄付を募るより、美しいプロポーザルを一本かけば、100人のスタッフを雇って事務所を建て直しても余るくらいの資金が国際機関等から手に入るという構図になり、途上国のNPOは、優秀なプロポーザルライターを雇うことが経営安定の必須条件ともなってきます。
そうした中、そのバリでの会議で、ヴィエトナム系のカナダ人がいいことを言っていました。「ファンドレイジングは、単に資金を集めるという技術ではない。そのNPOとそのNPOが所属する社会との重要なコミュニケーションの手段なんだ。自分の国内で資金が集められないということは、自分達の活動の意義をきちんと自分の国の人たちに理解させられていないということだ。そういう社会から遊離したNPOになってはいけない。」これは、会議参加者の大半を占めた途上国のNPO参加者に向けられたメッセージでしたが、成る程と考えさせられました。
「お願いする」のではなく、「解決策を提案する」のだ。
もうひとつ、私が印象に残った言葉があります。オハイオ州のシンシナティにある、ある社会サービス系のNPOのファンドレイザーの言葉です。彼女は、ファンドレイジングの分野では、大変な成功を納めていて、評価も高い方でしたが、彼女があるワークショップで、とにかく何度も強調していたことがあります。
「私は、寄付をお願い(ask)したことはない。私の団体は、社会のある問題に関して、解決策を持っている。私の仕事は、その問題が解決して欲しいと願っている人(寄付者)を見つけ出すこと。そして、その人に、私たちの団体の持つ解決策が、その人の願いを実現するのに役立つことを理解してもらうこと。その人の願い(夢)を実現するため、私たちの団体や解決策が、その人の人間としての情熱(passion)をかけるに足るものであることを「感じて」もらうこと。」
もちろん、彼女のように振舞うためには、まず、自分の団体の活動が、誰から見ても効率性が高く、明確な効果が見込める「解決策」を持っていることに確信がなければなりません。また、それをきちんと伝わるメッセージにする必要があります。また、メッセージを伝える人の能力を育てることも必要でしょう。
しかし、確かに、寄付の伝統のあるアメリカ社会とはいえ、激しいNPO間の競争のあることを考えると、いかにして自分の団体の持つ「解決策」が優れているかをアピールしないことには、アメリカのNPOは生き残れないという厳しい環境にあることの表れなのかもしれません。
ファンドレイジングの本質について考えさせられました。
私は、もともとは国際協力分野が専門ですが、インドネシアで仕事をしていたときのことです。Resource Allianceという国際NPOが主催してバリで開催されたNPOの財務的自立発展性についての国際会議に出席しました。世界20ヶ国から、200団体が集まっていました。そこで議論されていたテーマのひとつには、特に途上国の開発系NPOがいかに外国ドナー資金に依存しているか、また、彼らがいかに国内の富裕層に対してファンドレイジングを行っていないか。という問題がありました。
日本ですと、世銀や国連が日本の国内で活動するNPOに助成するというイメージはありませんが、途上国では、NPO向けの最大の資金供給者が、国際機関や先進国援助機関ということは珍しくありません。そうしますと、ともすれば、地道に寄付を募るより、美しいプロポーザルを一本かけば、100人のスタッフを雇って事務所を建て直しても余るくらいの資金が国際機関等から手に入るという構図になり、途上国のNPOは、優秀なプロポーザルライターを雇うことが経営安定の必須条件ともなってきます。
そうした中、そのバリでの会議で、ヴィエトナム系のカナダ人がいいことを言っていました。「ファンドレイジングは、単に資金を集めるという技術ではない。そのNPOとそのNPOが所属する社会との重要なコミュニケーションの手段なんだ。自分の国内で資金が集められないということは、自分達の活動の意義をきちんと自分の国の人たちに理解させられていないということだ。そういう社会から遊離したNPOになってはいけない。」これは、会議参加者の大半を占めた途上国のNPO参加者に向けられたメッセージでしたが、成る程と考えさせられました。
「お願いする」のではなく、「解決策を提案する」のだ。
もうひとつ、私が印象に残った言葉があります。オハイオ州のシンシナティにある、ある社会サービス系のNPOのファンドレイザーの言葉です。彼女は、ファンドレイジングの分野では、大変な成功を納めていて、評価も高い方でしたが、彼女があるワークショップで、とにかく何度も強調していたことがあります。
「私は、寄付をお願い(ask)したことはない。私の団体は、社会のある問題に関して、解決策を持っている。私の仕事は、その問題が解決して欲しいと願っている人(寄付者)を見つけ出すこと。そして、その人に、私たちの団体の持つ解決策が、その人の願いを実現するのに役立つことを理解してもらうこと。その人の願い(夢)を実現するため、私たちの団体や解決策が、その人の人間としての情熱(passion)をかけるに足るものであることを「感じて」もらうこと。」
もちろん、彼女のように振舞うためには、まず、自分の団体の活動が、誰から見ても効率性が高く、明確な効果が見込める「解決策」を持っていることに確信がなければなりません。また、それをきちんと伝わるメッセージにする必要があります。また、メッセージを伝える人の能力を育てることも必要でしょう。
しかし、確かに、寄付の伝統のあるアメリカ社会とはいえ、激しいNPO間の競争のあることを考えると、いかにして自分の団体の持つ「解決策」が優れているかをアピールしないことには、アメリカのNPOは生き残れないという厳しい環境にあることの表れなのかもしれません。
ファンドレイジングの本質について考えさせられました。
