ファンドレイジング道場

民間非営利組織(NPO)や社会起業家のファンドレイジング(資金調達)についての考え方、アイデア、事例などを発信しています!

2006年02月

さて、そろそろこの道場でも助成金の獲得について取り上げ始めましょう。

先日(2月26日)のこのブログでも、起業の観点から収入源のポートフォリオの話を少ししました。これについては、NPOのそれぞれの特性に応じて、いろいろなバランスがあるのは事実ですが、まあ、一般的なバランス感としては、

寄附・会費収入        3分の1
助成金・政府委託金などの収入 3分の1
事業収益           3分の1

というのがひとつの目安になると思います。事業系メインのNPOであれば、半分以上事業収益というところもあるかもしれませんし、いやいやウチは会費でほそぼそと運営していますというところもあるでしょう。他方で、結構最近多くなってるのが、助成金や政府からの委託金が収入のメインとなっているNPOですね。

こうした助成金や政府の委託ですが、なんと言っても魅力は、金額がどどーんとでかいこと。ホンマはこんなことは考えてはいけないんでしょうけど、正直いって、一生懸命プロポーザル書いて、OKもらえれば一千万円!とかいうのは、会員ひとりひとりを手間かけて増やすよりは手っ取り早い気持ちがするNPOがあっても、それは人情として理解できます。

しかし、こうした助成金を獲るには、当然ながらいろんな制約や潜在的なリスクもあります。

/柔舛靴唇幣紂⊃柔舛靴燭箸りに使わないといけない
 第一の制約は、普通に考えればあたりまえの話ですが、プロポーザルで「こんなことやりたいから金ください」と書いて承認されてますから、基本的にはそのラインに従って使わなあかんのです。「あたりまえやろ!」と言われそうですが、特に小さなNPOにとって、助成金獲得は確実に期待できるものでもないので、獲れてから初めて本当に詳細のオペレーションを詰めていくつもりのときってあったりします(もちろん、申請前にはざくっとは詰めてるんですけど)。その実施段階で、想定外のことが起こったりすると結構あせりますよね。かといって今更、「うまくいきません」ともいえんし、みたいな。

△海泙瓩粉麌軆犬瓠会員集めなどの「基礎体力づくり」を疎かにする
 これは、いわゆる「助成金依存症」という病にかかっちゃうということですね。助成金はとっても重要な活動資源ですので、基本的には、必要なものは申請していけばいいんですが、いくら会員勧誘しても、年間100万にもならない中で、1千万円とか助成がもらえるとなると、ついそちらに目が行きがちです。まあ、多くの助成金が、管理費見合いの部分は余り出さないようにしているので、その場合は自己資金を準備しないといけませんから、寄附や会費収入も疎かにはできないですが。

さわされど、助成金獲得というプロセスは、やはりNPOを育てると思うんです。NPOにとって、自分達の活動の意義、目的、そして実施方法や予算管理などの計画を明文化し、助成金審査のプロの目によって見てもらうというのは、とっても重要な成長の機会だと思います。何より、評価(助成するかしないか)がはっきりと分かるのがいい。うまくいくと、すごく自信になりますし、うまくいかないと、反省材料ができる。どっちに転んでも損なことはありません。助成財団などでも、落選理由はお答えできませんと回答しているところも多いものの、最近では、審査結果に加えて、どういったところを改善するとよいかといったことをアドバイスしてくれる助成機関もありますから、そういうアドバイスは本当に参考になりますよね。

助成については、ー分の活動にマッチした助成機関をどうやって見つけるか、△修僚成機関の期待することをどのように把握して、いかにwin-winの関係を構築するか、6饌療なプロポーザル作成のノウハウ といったあたりについて、これからしばらく触れていきたいと思います。





日本のコンビニvsアメリカのコンビニ
先日(平成18年2月22日)の日本経済新聞の朝刊に掲載された、米国で「和製コンビニ」として注目されている「ファミマ」という記事を見ていて、うーんと考えさせられました。記事を紹介しますと

「和製コンビニがユニークなサービスと品揃えで米国の消費者の心をつかんでいる−。米紙ロサンゼルタイムズは、このほど、昨年米国に進出したファミリーマートの事業展開の様子を特集記事で詳しく伝えた。記事は、ファミリーマートが、従業員に笑顔をつくる訓練をほどこすなど客をもてなす心を重視したり、低カロリー総菜など消費者の健康志向に配慮した品揃えに力をいれていると紹介。アナリストのコメントを引用し、「コンビニ業界がこれまでやらなかったことをやっている」と強調し、米市場で成功する可能性を示唆した(以下省略)

どうです、皆さん、この記事を読んでどう感じましたか?

「え、アメリカのコンビニ業界って、笑顔の訓練とかもしてなかったん??」とか思われた方はいませんか?

いや、私もアメリカに住んでて思ったんですが、アメリカのサービス業は、超高級店を除き、ホンマにメチャアバウトというか、サービス精神が無いというか。例えばコンビニですが、定員が笑顔を見せるなんてまず見ませんし、何か品物の場所を聞いても、露骨に面倒くさそうな顔をして顎で「あっち」としゃくられるようなことすらあります。お客の要望にあwせてテキパキ動くなんてことはまずない。マクドナルドなんかのファーストフード店もひどく、客は立って並んでんのに、店員はレジに座って肩肘ついて他の店員と雑談しながら面倒そうにオーダーを聞くといったようなことも見かけたりもしました。

日本のサービス業でそんなことをしようもんなら客が暴れだしますが、アメリカ人もなんか、そんなもんかと思っているのか、クレームしたりしているような人も見かけませんでした。「なんちゅう荒いサービスを許す国や!」と怒ったりしたこともありました。

日本では、マックに「笑顔ゼロ円」とかメニューい書いてあったりしますよね。昔、高校生のとき、男子校やったんで、根性試しで、店で一番可愛い店員さんのところにいって、「水とあなたの笑顔ください」とかいうっていうのがはやったりした記憶があります。

まあ、これは社会がサービスの質にどの程度の期待をするかという期待値の違いですので、どちらがいいか悪いかではありませんが、間違いなくいえるのは、日本は「お客様は神様です」という社会であり、アメリカ人は、間違ってもそこまでは考えてないということです。

アメリカNPOvs日本のNPO
しかし、しかしです。これがことファンドレイジング、特に寄附集めになったとたんアメリカと日本は考え方が180度逆転してるような気がします。

アメリカのNPOは、寄附者に対する感謝(スチュワードシップとかいったりしますが)が徹底していて、また、顧客(寄附者)満足を最大化するため、めっちゃ丁寧で「あなただけのために」というような見せ方をしつつ、対応します。まさに、「寄附者は神様です」と本気で考えているような徹底ぶりです。

他方、日本の企業の顧客サービスは、まさに「そこまでやるか」というくらい徹底して、痒いところに手が届いたうえに掻いたあとに軟膏まで塗るようなサービスをやりますが、何故かNPOは全般的に、寄附者に対するサービスはものすごい「あっさり」してるんですよね。これはホンマになんでやろ?という気がしません?少なくとも、アメリカのNPOの寄附者サービスに比べたら、まさに日本のコンビニ対アメリカのコンビニくらいの差があるんちゃうかという気がします。

アメリカのNPOでは、「寄附者には色々な機会で7回は礼をいってから次の寄附をT頼め」という話があるくらいです。そこまで考えている日本のNPOはどのくらいあるでしょうか? 

そうそう、思い出しました、以前、ある会社の社長さんと飲んでいて聞いた話ですが、日本のあるNPOの会員をしていたとき、年末に纏まった臨時収入があったから、結構まとまったお金(50万円くらい)寄附したんですって。そしたら、一応、領収書をかねてぺラっと1枚の感謝の葉書がきました。まあ、それは別に本人としては、特別感謝してもらうと思ってた訳でも無いし、自分の善意でやってることだから、気にもならんかったそうです(皆さん!ここでこれがあたりまえやと思ってたらあきませんで!)。

でも彼が驚いたのはその一月後、そのNPOから「会費滞納の督促」という文書がどんと来て、その会費納入のお願いには、以前の大口寄附のことが何も触れられてなかったことです。

まあ、別に大口寄附したからって、会費(年会費1万円くらいだったそうですが)は会費ですから、別に手続きとしては間違うてない。

でもなあ・・ その会社社長は、「寄附は自分の気持ちとしてやったんだから、別にNPOの事務局から感謝してもらうためやない。でもなあ、なんかしっくりこんよなあ。正直いって、この団体は寄附を無駄遣いしよるなという印象をもってしもたんや。自分の寄附は砂漠に水まいだだけやないかというような妙なむなしい気持ちになってしもたのも事実やわ。」

感謝できるNPOになりましょう





今朝の日経で「続ニッポンの力」(一面)という連載読まれた方いらっしゃいます?

国民生活金融公庫の05年調査で起業の理由として「リストラが契機」と答えた人は23%になり、01年から10ポイントも増えてるんですって。しかも50代の起業者が38%に達するそうです。

それでも、米ハブソン大学の05年調査によると、出資者を含む起業家比率は、

米国12.4%
中国13.7%
日本2.2%

となっていて、日本は起業家小国なんだそうです。

こうした社会の状況は、ビジネスセクターの活性化にとっても重要な問題やと思いますが、NPOセクターにとっても状況は深刻やと思います。

やはり、NPOというのは、まだまだ発展途上やし、新しいモンですから、「起業家的」マインドの方が増えてきて、それを後押しする社会制度や風土が出てこないと活性化しないと思うんです。その点では、ビジネスセクター以上に、起業をサポートする体制が重要やと思います。

最近では、このブログでもご紹介した、NPO起業を支援するセミナや塾、公開起業オークションなんかも出てきました。また、寄附に依存するということではなくて、コミュニティビジネスという形で、社会貢献的な事業を行うことで採算を考えていこうという事業もずいぶん増えてきました。

しかしながら、やはり、若くて自分の生活費以上は心配せんでいい方や、別の収入源のある方(例えば配偶者が安定的な収入がある)やハッピーリタイヤ(既に一生お金に困らない程度には貯めこんだ)人でもなければ、家族や子どもを養いながら、企業生活をなげうってNPOを起業するというのは相当リスクがあり、覚悟が必要となりますよね。特に三十代、四十代はモノ入りですしね。

そこで、やっぱり、NPO起業するにもきちんとした事業予測、収入予測を立てておかないと路頭に迷うことにもなりかねません。

収入予測をたてるうえでのキーポイントは、一般論では、事業収入、寄附収入、会費収入、助成収入のポートフォリオバランスをしっかりイメージすることだといわれています。

特に、ここで侮れないのが、「事業収入」の夜予測やと思います。これは、寄附収入や助成収入と違って、しっかりマーケット調査をやっておけば、かなり現実的なラインを予想することができます。企業経験者でNPOを起業しようという人にとっては、あたりまえの感覚かもしれませんが、事業の損益分岐点を計算して、サービスの価格設定や予想顧客数の算出をしっかりやっておくことがキーになると思います。

日本でも働き盛りの三十代、四十代のバリバリの人たちがどんどんNPOを起業するような社会になるといいなと思います。是非、そうした日本の実現に向けて努力していきたいと思います。

昨夜、かねてよりの友人で、大手監査法人で株式の公開引受マネージャーをしているO氏と久しぶりに会い、新宿のジンギスカン料理に舌鼓をうち、いろいろ話合いました。

彼とは1994年ごろからのつきあいですが、ちょっとユニークなつながりなんです。94年当時、私は霞ヶ関で官僚として働いてきましたが、証券会社勤務のO氏と建設会社勤務のO氏の弟の3人で、「お互いの友人の中から興味深い人をピックアップして一同に集める交流会をやろう」ということで、20人ほどの飲み会を行ったのをきっかけに、3人で「異業種交流会fields」を言う団体を立ち上げました。

20代中盤で、すこしづつ社会人に慣れ、仕事も軌道に乗り、自信もついてきたころの年代の人が中心の会でしたので、どんどん興味深い人材が集まり、毎月1回の交流会集まりは、いつしか百人規模のものになりました。参加者の年代は20代中盤から30代前半でしたが、証券、金融、マスコミ、官僚、商社、食品、建設、教育、旅行代理店、コンサルタント、保険会社、政治家志望など、ありとあらゆる業態の人があつまり、情報交換をしたり、人脈を拡大したり、勉強会をやったり、夢を語り合ったりと、非常に真面目に活動した会でした。

私も、この会の活動を通じて、日本社会の中での自分の目指す方向性がどのように位置づけされるのかをはっきり意識することが出来ましたし、非常に貴重な人のつながりを得ることができました。

前置きが長くなりましたが、そうした経緯で、99年に解散するまでの5年間活動したfieldsで、O氏とはいろんなことをやりました。

さて、現在は新規株式上場を目指す会社に対してコンサルティングや上場支援を行うことを本業としているO氏の話から、今日の本題で、NPOの経営にも参考になりそうな話があったのでご紹介します。

新規株式上場というのは、数年前から、JASDAQやマザーズといった新興企業向けの株式市場のおかげもあり、かなりハードルが低くなっているそうです。かつては、数年間にわたって黒字を継続していないといけないといった厳しい基準などがあったそうですが最近では、「極論すれば、上場したいと社長が真剣に考えるのであれば、どの企業だって上場できる可能性がある」ともいえるようになったそうです。

O氏によれば、それだけに、「何故株式を上場したいのか」という、社長の考えというものがとても重要になるそうです。これがしっかりしていないと、上場に成功しても、経営は必ずしもうまくいかないことになります。ご存知のとおり、上場しますと、発行株式を市場で投資家が購入してくれますので、一気に何十億という資金が会社にもたらされることになります。「お金が欲しい」というのは、ホンネでは、企業経営で資金繰りにいつも気をつかっている立場では当然なのですが、それをどう使いたいかがポイントになります。

使い道が分からない金額を手にしたらどう活用するか
O氏曰く、「会社の社長に、1億あったらどう使いますかとまず聞く。それに答えられたら、では10億ではどう使うか、100億では、1000億ではどうつかうかと金額をあげていくと、どこかで「どう使ったらよいか分からない」という金額に達する。」というような話をしてくれました。その使途のイメージがつかなくなるところのレベルでお金が集まったときにどのように活用しようと考えることで、「何故株式を上場したいのか」ということが見えて来るということになるんだろうと思います。

例えば100億という、今まで手にしたことの無く、使途のイメージも湧かなかったレベルでの事業資金について、その資金があったらこんなことをやりますというイメージをはっきりさせることができたら、その目標を達成するための具体的なアクションプラン作成に移っていくことになるというこだと思います。

オニオンテスト
この話を聞いて、「オニオンテスト」を思い出しました。アメリカでNPOマネジメントを勉強していた際、NPOのコンサルティング手法のひとつとして、「オニオンテスト」というのを学びました。

これは、NPOのリーダーに対して、「何故、この活動を行っているんですか」から始めて、その答えに対して、再度「何故」を繰り返すことによって、そのNPOが本当に何を原点にこだわって活動しているのかを明らかにする、クイックなテストのことです。(たとえば、「環境教育が重要だと思うからです」という答えには、「何故環境教育が重要なのですか」というように、「何故」を続ける)

このオニオン(たまねぎ)テストのネーミングは、たまねぎの皮をむいて芯に到達するというイメージでつけられています。

ちょっと試しに、ご自身のNPOでこの「オニオンテスト」やってみたらどうですか?最低5つの「何故」を繰り返すことがポイントです。

一昨日のファンドレイジングのシンポジウムで講演者であったバーリンゲーム博士と大西たまきさんは、ともに、インディアナ大学のフィランソロピーセンターにおられます。このフィランソロピーセンターが、フィランソロピー研究では進んでいるということは以前にもお知らせしましたが、ここに併設されているThe Fundraising Schoolについてご紹介します。

The Fundraising Schoolは、ファンドレイジングの実務に携るNPOのファンドレイザーや事務局長などの実務家を対象として、次のような集中的なファンドレイジングスキルの向上のためのトレーニングを行っています。

.侫.鵐疋譽ぅ献鵐阿慮饗Г肇謄ニック(終日5日間)
遺産寄附:正しいスタートを切るために(3日間)
B膰寄附獲得のためのリーダーシップ開発(3日間)
ぅ侫.鵐疋譽ぅ献鵐阿里燭瓩梁仗優灰潺絅縫院璽轡腑鷭僉複夏間)
ゾ規模NPOのためのファンドレイジング(3日間)
助成プロポーザルで成功するために(2日間)
Annual Fund(毎年のキャンペーン寄附)の構築(2日間)
┘ャピタル・キャンペーンの運営(3日間)
ファンドレイジングのめのマーケティング(2日間)

の9コースがあり、年間を通じて、インディアナ、サンフランシスコ、ニューヨーク、シカゴ等の全米各地で、散発的に各コースが開催されます。

私は、アメリカのオハイオ州に留学中に、授業の無い週や夏休みなどに、ちょくちょくとこのコースを受講し、Certificate on Fundraising Managementという認定をいただきました。

このコースを受講して印象に残ったのは、第一に出席者が皆実務家で平均年齢が30台中盤から40くらいの多忙なファンドレイザーが中心(だいたい1コース30人程度)であったことです。そのため、コースの内容も、極めて実務的で即効性のたかい内容でした。(例えば、,離侫.鵐疋譽ぅ献鵐阿離謄ニックのコースでは、寄附者分析、ケースステートメント作成方法、ドナーレンジチャートの作成、ファンドレイジングの手法の比較紹介、ファンドレイジングサイクルの検討など、を具体的に習得していきます。配布されたファイルは、10センチくらいの厚さのある、ノウハウの結集のようなものでした。)

出席者が実際にファンドレイジングをやっている人たちばかりなので、質疑応答や事例紹介自体が非常に刺激的だったと思います。

お値段も結構して、5日間のコースを受けると10万円を越えますが、それに見合った内容だったと思います。

アメリカには、似たようなファンドレイジング研修機関がいくつもありますが、私がアメリカ滞在中に、いろんな方に聞いたところでは、このThe Fundraising Schoolが最も実践的でベストであろうという意見が多かったですね。実際、例えばシカゴで開いたあるコースには、南はマイアミ、西はハワイ、東はワシントンからも3日間のコースのためにわざわざ出席者が集まっていました。


昨夜、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会、中央共同募金会などの主催で、東京財団の事務所で開催された、「「心」を育てる米国の新しい寄附戦略から学ぶー日本における寄附文化の発展とフィランソロピー教育の可能性というシンポジウムに出席しました。

このシンポ、インディアナ大学のフィランソロピーセンターという、全米でも初めてフィランソロピーの博士課程を設立するなど、かなりフィランソロピー研究ではアメリカでも中心的な機能を有しているところから、バーリンゲーム教授と大西たまき客員研究員、そしてラーニング・トゥ・ギブ、ユース・フィランソロピー・イニシアティブ・オブ・インディアナの関係者が来るということで、大変な関心を集めていました。

いや、驚くべきことだと思いますが、実は、このイベント、私の理解では、「22日の夜にやるらしい」という話は、1〜2週間前からうわさでは聞いていたんですが、正式な案内が出たのが先週末なんですよね。それでいながら、定員100名の会場になんと162名!もの参加者が集まり、改めて「ファンドレイジング」というものへのNPO関係者の関心の高さを伺わせました。

話の中身は、学校におけるフィランソロピー教育推進の取り組みについての話だったんですが、クイックなところで、皆さんとも共有したほうがいいと思うキーワードをご紹介します

.侫ランソロピー教育の重要性
 それぞれの社会・文化には、豊かなフィランソロピーの文化があり、過去がある。その伝統を次世代に繋ぐ努力が必要というのが第一のポイントです。日本でも、7世紀には聖徳太子のチャリティー活動が報告され、地域互助会的な機能は中世から存在しています。ドーアによれば、江戸時代末期の日本人の識字率は、当時の産業革命に湧く英国より高く、特に女性の識字率の高さは驚くほどです。こうした状況を支えたのは地域社会は商人のフィランソロピー的活動にあったと言われています。私も、アメリカ在住中に、アメリカの学校でのサービスラーニング(ボランティア体験など)の充実度合いについては、感銘を受けましたが、寄附の重要性も含めて子どものときから触れることで、公共心を育てる効果は非常に大きいと思います。会場からは、「そんな悠長なことをやってられない。まず、今のファンドレイジングだ」という声もありましたが、実は、「将を射んとすればまず、馬を射よ」という格言にもあるとおり、子どもたちへのフィランソロピー教育は、親たちをそのままにしておかない効果もあります。

寄附者のフィランソロピー・アイデンティテイを考えるファンドレイジングの重要性
 潜在的寄附者が、何を信じ、人生でどのような経験をしているのか、個人のそうしたアイデンティティとNPOがマッチすることでファンドレイジングもうまくいく可能性が高まるということです。大西さんによれば、「人生相談」型ファンドレイジングとうまいこと言っていましたね。やはり、「自分のニーズ」を中心にしてファンドレイジングをするとうまくいかない。いかに寄附者側のニーズに立つかが重要です。

スコールディングモデルとディサートメント・モデル
 バーリンゲーム教授は、スコールディングモデル(団体側のニーズが寄附者の支援方法の基準を決定する。「口やかましい」という意味)とディサートメントモデル(寄附者個人の潜在的洞察を引き出すことで、寄附者本人が社会的責任の意識を即す手伝いをする。「洞察」という意味)の2つに分けて、理論的枠組みを提供していました。

 どうしても、NPO活動で困っている人を支援する立場からは、「あなたは、もっと寄附してはどうですか?もっと最適な方法で支援しませんか?」というようなアプローチになりがちですが、寄附者側にたつとすれば、「あなたの持っている資産で出来ることはなんでしょうか?」「あなたの感謝の気持ちをあらわ利、同時にあなたに満足感をもたらし、結果、他の多くの人たちの運命とどうかすることができるのです」という、相手側の視点を洞察していくようなアプローチの方が良いということです。

ぅ好船絅錙璽疋轡奪廚僚斗彑 
寄附をお願いする以上に、感謝することの重要性をバーリンゲーム教授は強調していました。「寄附者には、7つの機会で感謝するべきだ」と、寄附をお願いする前に、まず、その人の以前の寄附に十分感謝したかを確認するべきである、と。これも実はまったくそのとおりで、日本のNPOでもこれを実践しているところがありますまた、このブログ上でもノウハウをご紹介しますね。


今日のところは、とりあえず、ここまでにします。今回のシンポを通じて、日本のNPOが参考にするべき「視点」のようなもので、私なりに気づいたことはまた後日、このブログ上でご紹介します。このシンポの議事要旨は、後日、シーズのNPOWEBで紹介されるそうですから、そちらをご参照ください。

キリスト教社会においては、何故寄附が集まるのか。

日本で寄附集めに苦労している立場からすれば、キリスト教が国民の宗教として中心的である社会では、寄附が相対的に集めやすいという、一般的な印象を持つ方は非常に多いと思います。私も、アメリカでファンドレイジング専門のNPOで働いていたとき、確かに、アメリカ社会は寄附を集めるという行為についての社会的な合意が出来ていると感じたことは多々ありました。

では、何故、キリスト教社会では寄附を集めやすいのか。

私がアメリカの大学院でNPOマネジメントを学んでいた際、ファンドレイジングの講義を担当していた教授が、面白いことを言っていました。

「とどのつまりは、毎週末、教会で帽子をまわして寄附を募るだろう。あれを毎週やる「場」を提供していること、それで皆が寄附という行為が生活の一部になることが大きいんだ」

その教授は、若干ユーモアのつもりで言ったところもありますが、寄附という行為とその機会の提供の関係について、ハッと気づかされた瞬間でした。

帰国後、2005年の9月ごろに、テレビのニュースで似たような話を聞きました。

皆さん、「交通安全協会」ってご存知ですか?警察の外郭団体で、交通安全運動なんかの活動をしている団体です。実は、この団体に、大都市でも5割、田舎だと7割のドライバーが寄附金(会費)を納めているケースがあるということが報道されていました。

どうやって、それだけの寄附金を集めるかですが、免許更新の窓口とかで、免許証の更新手数料を集金する際に、窓口の女性が「子どもたちに交通安全の教育を行うために、ドライバーの皆さんにはご協力をいただいています。年500円で、5年分、2500円になります」と淡々と事務的に言われると、なんとなく支払ってしまうというドライバーが非常に多いということです。
(この報道もあって、今では見直す自治体が出てきたそうですが)

まあ、なんかこういうやり方もどうかとは思いますが、ファンドレイジングの観点から分析すると次のようなことがいえると思います。

財布を取り出してお金を支払うタイミングで、「あと○○円」と求めていること。
ポケットから改めて財布を出す必要すらなく、千円札を3枚出すところをあと2枚というようなタイミングで出させているため、心理的な抵抗感が少ない。
 このノウハウは、私も活用したことがありますが、例えばNPOがイベントを行う際に、受付で会費2000円(併せてプラスアルファの寄附を歓迎します)というような形で掲示すると、中には寄附をオンさせる人がいるということがあります。

◆峙_顱廚料禄个函孱腺鵤襦粉麌蹐里願い)」の着実な実施 
冒頭のキリスト教の教会のエピソードもそうですが、寄附あつめの成功は、結局のとこと、「寄附する機会」をいかに作り出し、「Ask」するか。その頻度をいかに増やすかということに尽きるのではないかという気がします。

まあ、今では首都圏では交通安全協会のこのファンドレイジングは見れないのかもしれませんが、私も今度の免許証の更新手続きは注意して見ようと思います。


ファンドレイジングの成否は、人間の「感情世界」にいかにうまく働きかけていくかということにかかっている側面があります。

そうした観点から、「日本人の感情世界」(工藤力&ディビット・マツモト著 誠信書房)から、興味深い話をご紹介します。

この本では、欧米社会と日本との対比において、人の感情が生み出される出来事や過程を分析しています。この中で、喜びや幸せの誘発要因として、こうした感情が経験されやすい場面と他者との関係を見ています。

その調査結果を見ると、日本人の場合は、欧米の人たちに比べて、二人でいるときに感情を経験しやすく、ひとりでいるときには感情を余り感じないと報告されています

 感情を生み出す状況のほぼ4分の3が、知り合いのいるところであったということは、日米欧の三つの文化の共通項であったそうですが、日本人の場合には、感情を経験するのは知り合いの人のいるところであると報告する有為な傾向が見られたそうです。

 この調査は、日本人のメンタリティを理解するうえで、面白いですね。NPOにとって、寄附者、支援者、ボランティア、会員といった様々なステークフォルダーに、活動に愛着を感じてもらい、支援を続けてもらう必要があるわけですが、そうしたステークフォルダーにとっても、支援することで、自らが喜びや幸せを感じる機会があればより愛着が深まることは間違いありません。そうしか感情がひとりの時よりも、他者と一緒の場面において発現しやすいということは、例えば会員の集いや寄附者がお互い顔をあわせる機会を演出することで、喜びや幸せの感情が出やすい環境を構築することに繋がってきますよね。

「数字から見た日本人のこころ」(林 知己夫著 徳間書店)を読んでいて、興味深い数字を見つけました。

林氏は、文部省の統計数理研究所の元所長で、(財)日本世論調査協会会長を努めている人で、まあ、こうした「世論調査のプロ」みたいな方のようですが、この本では、日本人の伝統的価値観や義理人情を面白く描写しています。

「あなたが、ある会社の社長だったとします。その会社で、新しく職員を1人採用するために試験をしました。入社試験を任せておいた課長が、「社長のご親戚の方は二番でした。しかし、私としては、一番の方でも、ご親戚の方でもどちらでもよいと思いますが、どうしましょうか」と社長のあなたに報告しました。あなたは、どちらを採用しろといいますか?

 この質問は、1963年から5年ごとに調査している質問らしいのですが、回答を見ると、毎回変わりなくほぼ70パーセントの人が「一番の人を採用するようにいう」と答えています。

 しかし、この質問を「親戚の子どもではなく、恩人のこどもであったらどうか」と変えてみると、回答が半々になるそうです。日本人が義理を重んじる民族であるということを現しているといえます。

 また、「人情」を重んじる風土として、次のような調査結果を紹介しています。

ある会社に次のような二人の課長がいます。もしあなたが使われるとしたら、どちらの課長に使われるほうが良いと思いますか。
1 規則をまげてまで、無理な仕事をさせることはありませんが、仕事以外のことでは人の面倒を見ません。
2 時には規則をまげて、無理な仕事をさせることもありますが、仕事のこと以外でも人の面倒を良く見ます。

日本では、8割から9割の人が、2の「人情課長」を選ぶそうです。こうした傾向については、かつてイギリスのDoreという研究者も「これは極めて日本的な特質だ」として紹介していたそうですが、例えばアメリカで同じようなしつもんをすると、「人情課長」を選ぶ人は50%程度に留まるそうです。

日本社会の根底にある「義理人情」の感覚をうまく活かしたコミュニケーションの組み立てが、いかに重要かということを改めて感じました。

近年のNPOセクターや市民社会への関心の高まりや、臓器移植法の制定などで、ドナー(Donor)という言葉を聞く機会が出てきました。このDonorという言葉、辞書によれば、
"donor"
ヾ鸞者、
献血者、(移植用の臓器などの)提供者、
(財産の)贈与者と書いてあります。
ドナーが寄附したものがドネーション(donation)となります。

こうした単語は、いかにも欧米の外来語として入ってきたような印象がありますが、実は、このドナーという言葉は、千年以上昔の日本に既に入ってきていて、今でも使われている言葉になっています。

これが、「旦那(だんな)」という単語なんですね。何か語呂は似てますな。

これまた辞書の助けを借りると、
「旦那」
 憤豌箸鮗茲蟷点擇襦房膺諭夫、商人などが男の客をさして言う称、目上の男の人に使う称
(仏)僧から見て、財物を布施する信者。施主。檀家

だそうです。普段、なんとなく触れる「旦那」という言葉ですが、こんな言葉の意味もあったんですね。



法人としてのNPOの信用力をどうやって高めるか。

信用力やネームバリューと寄附行動の相関関係については、いくつか直感を刺激する統計があります。

「スマトラ地震の被害で、日本で集まった寄附は、
  日本赤十字   90億
  日本ユニセフ  30億
  NGO29団体 10億 である」

この数字、社会的認知や信用力と寄附行動の関係について、直感を刺激させるものじゃありませんか?日本赤十字やユニセフの持つブランドイメージと信用力について、改めて驚嘆させられます。

国際協力の業界でも、70年代から地道に活動していた日本の国際協力NGOが中々社会的な広がりをもった支持を集められない中、「外資系」の国際協力NGOである、フォスタープラン、ケア、ワールドビジョンなどが、企業からの支援や個人寄附を着実に集めることに成功していたのも、ある種の「(海外で既に獲得している)信用力」というものが影響しているものと考えられます。

大手のNPOであれば、マスメディアを通じた広報も可能で、大きなイベントをやったり、新聞や雑誌に広告を掲載することで、更に名前や活動を認知してもらい、そういう中で信用力を高めていくということもありますが、中小規模のNPOにとっては、どのような方法があるでしょうか?

NPOにとって、行っている事業が、意味があり、成果が達成され、社会が良くなるものであるということと、そのことを外部に表現していくことは当然重要です。NPOの活動(別の言い方をすれば、そのNPOが社会に提案する、特定の問題への「解決策」が付加価値のあるものでなければ、信用も何もありません。しかし、ここでは、そうした事業面のこととは別に、純粋に経営上のノウハウとしての信用力の強化のために、何ができるかを考えて見たいと思います。私は、「小規模なNPOが信用力を高める」ために、次の5つがキーポイントになると思います。

 峺楜辧粉麌媼圈砲隆蕕慮える活動紹介」を心がける
 企業マーケティングの世界でも、「顧客の顔が見えないものは売れない」といわれています。「顧客の顔」とは、その商品を購入している人の趣味、ライフスタイルや年齢・性別といったものを言い表しています。商品自体の宣伝で終わらず、その商品を購入している人のライフスタイルや価値観が見えることで、購入意欲が高まるというものです。小規模なNPOにとって、団体自体も提供するサービスのクオリティについてもまだ十分な信用力やブランド力がありません。そこで、パンフレット、事業説明、HPなどで、支援してくれている人の「顔」を見せるという方法で、「そうか、自分と似ているこうひう価値観の人が支援している活動なのか」と感じさせることで、親近感を持ってもらうという方法があります。「自らと近い価値観・ライフスタイルの人が支援している」ということを感じてもらうことで信用力を補う効果が期待できます。

▲好織奪佞痢峇蕁廚鮓せ、パーソナル・ストーリーを語る
 人間が、共感するのは、やはり、高邁なミッションや活動の成果だけではないと思います。むしろ、重要なのは、取り組んでいる人の個人的な想い、取り組もうと思ったきっかけなといったストーリーに共感するんだと思います。NPOのスタッフが、自らの活動を、個人的な体験や感動とつなぎ合わせてストーリーに出来ることが、NPOの信頼性を高める効果があると思います。「この人(スタッフ)ならお金を託せる」と信じてもらえることが、中小NPOの信用力につなげられます。「私は何故この活動をやっているのか」という話で人を感動させられる、自分でも話していて、鳥肌が立つというようになってください。また、文字通りスタッフの「顔写真」を各種HPやパンフに出すことや、スタッフが色々な集いや勉強会、イベントに出て「顔」を繋いでいくことは本当に重要だし、効果が大きいと思います。中小規模のNPOにとって、100人という単位で「顔」を知ってもらっている人が増えることは、寄附額の大幅な増加に繋がることがあります。

4覿箸箙埓との連携を明示する
 日本社会は、NPOに比べると、企業や行政の方がはるかに信用があります。「英国では、国民の6割がNGOを信頼している反面、企業を信頼していると答えた人は3割程度に留まっている」というデータがあるようですが、日本では一般社会の信用は、まだまだ企業や行政にあります。信用力の低い組織は、信用力のある組織の「信用」という経営資源を何とか「借用」する方法を考えることが必要です。

 今日、大手企業は社会貢献室を持っています。そうしたところと何でもいいので連携してやれることを探しましょう。イベントにコーヒーを差し入れてもらってもいいですし、使用済み切手をもらってもいいでしょう。実際に得られる金額的なメリットがたとえ少なくても、「トヨタと連携して○○しています」というメッセージが、NPOの信用力を補完する要素は非常に大きいと思います。こうした企業、行政との連携実績は、恥ずかしがらず、遠慮せずにパンフやHPに掲載しましょう。

づ按譴靴疹霾鶻示を印象づける
 どのNPOの経営者も、今日、情報開示や透明性の重要性を認識していない人はいないでしょう。しかし、「ウチはどこの競合他NPOより透明である」とまで言い切れる団体はどの程度あるでしょうか?「一応、きちんと開示しています」ということではなくて、「透明性」や「情報開示」をむしろ団体の「売り」にしてアピールできるくらいのものにしていくことが、特に中小規模のNPOにとって大切だと思います。普通の人から見たら、中小規模のNPOは、皆、正直いって胡散臭いんです。このタイトルが、「情報開示を徹底する」ではなく、「印象づける」とあえてしている意味は、外部の人に印象づくレベルでアピールできなければ、信用力の補完までにはならないという意味です。

ネ事会メンバー構成を真剣に考える 
 中小のNPOにとって、活用できるリソースは全て活用するというスタンスが必要です。信用力が無い中で、信用性を高めるために、理事会メンバーに社会的信用のある人を加えることも信用力強化に役立ちます。理事会には、実質的に経営を司る機能と、組織の信用力を高める機能の両面があることを忘れてはいけません。
 では、誰を入れるといいのか。まず、一般社会で「先生」と呼ばれる人。大学教授、学校の先生だけではなく、医師、弁護士、公認会計士、議員などの職業に就いている方々(ただし、議員だけは、党派色が強い組織と見られないように注意が必要)が考えられます。次に、宗教指導者(牧師、僧侶など)。宗派色の強さがマイナスにならない場合には、クリーンさを強調することに役立ちます。また、大企業(社会的に名前が知られていることが条件)や学会、連盟、協会といった組織の幹部(役員、理事など)が1人入るとずいぶん信用力に差がでます。
 但し、理事会メンバーというのは、組織の経営を左右する決定権のある人でもありますので、余り無理に著名人や信用力のある人を入れると、経営自体がしっちゃかめっちゃかにされる懸念もあります。しかし、数年も活動していれば、その中で、「あ、この人いいな」と感じることができて、かつ、上記の「先生」「宗教指導者」「企業、団体の幹部」という方に知り合うものです。そうした人には頑張ってエネルギーを割いて人間関係を構築して、支援者に巻き込んでいくという、戦略的な取り組みを常日頃から意識しておくことが肝要です。

信用力を強化するというのは、一朝一夕で出来ることではなく、かつ、成果がすぐには見えません。ですが、ファンドレイジングを考える場合、少なくとも向こう3年間で、信用力をどの程度高めていこうかといったイメージは経営陣は持ったうえで日々の業務に取り組むことが必要でしょう。

信用力の強化のために上記の5項目以外にも出来ることも沢山ありますが、とりあえず、私の考える、小規模NPOがやったほうが良いと思うことをあげてみました。


今日の日経の朝刊(1面)に、「会社とは何か」という特集記事で長谷工コーポレーションの社長の岩崎崇氏がこのようなことおっしゃていました。「百引く一は九十九ではなくゼロ。少しでも信用を失うと落ちるスピードと深さは想像を絶する」

昨今、姉歯設計事務所の偽装問題でも、大きな話題となりましたが、いくら好調に事業を行っていても、一度信用を失ってしまうと、その信用を取り返すことは非常に困難になります。

NPOのファンドレイジングに関しても、同様のことが言えます。人々の善意をべースに成り立つ事業ですので、使途不明金が出るとか、不正使用の問題が出ると、その組織にとっては致命的なこととなりかねません。

日本でも、これまで時々こうした話が新聞紙上をにぎあわせます。2004年には、「イラクの子どもたちを救うため」として、アラブイスラーム文化協会が集めた募金300万円と日本ボランティア会が集めてアラブイスラーム文化協会に渡していた200万円が、代表に個人的に流用(東京都内のモスクの建築費に流用)されていたとの新聞報道がありました。

結局、資金は戻り、活用されたようですが、こうしたスキャンダルが、団体の資金調達力に与える影響は非常に大きいので、注意が必要です。

では、逆に、NPOにとって、資金調達に繋がるような「信用」を得るにはどうしたらいいのでしょうか。これは、大手のNPOであれば、マスメディアを通じた広報や、大規模なイベントで名前を売っていくということになるでしょうが、中小NPOにとっては、ことはそう簡単ではありません。しかし、この「信用力」は、資金調達を考えるうえでは、とっても重要な基盤となりますので、小規模の団体にとっても活用可能な「信用力獲得のためのノウハウ」というものは、整理する必要があると感じています。

「信用力」を高める13のポイント
「信用力」をどうやって得るか、まず、「個人」が信用を得るためのノウハウを紹介している本を見つけました。まず、こちらをご覧ください。

01.正直である。
02.約束を守る。
03.できない事を安請け合いしない。
04.スピーディーな行動をする。
05.小さいことから実績をあげていく。
06.誠意を持って人と接触している。
07.「・・・らしさ」を持っている。
08.自信を持っている。
09.相手の立場、希望を理解している。
10.ノドから手が出ることでも、相手にとってプラスにならなければ勧めない。
11.歴史的背景、本質面の流れをよく見た考え方を持っている。
12.落ち着いた態度をとる。
13.資格をとる。

参考文献:桜井雅章 著
「仕事上手になるチェックリスト」
(日本実業出版社刊)

成る程。昨夜、古くからの友人で、800人以上の顧客を抱える生命保険のトップセールスマンでもある、O氏に会っていたんですが、この13項目、多くの点で彼が顧客に接するスタンスに当てはまりますね。対人コミュニケーションの本質だと思います。

では、法人であるNPOの場合、信用力はどう高めるのか。引き続きこのブログで考察していきます。

先日、2月3日に93歳になる義祖母が他界しました。

私が初めてお会いしたのが97年でしたので、10年間という人生最後の期間だけをご一緒したわけですが、7人の子どもを育て、俳句やカラオケを愛する方でした。

実家は真言宗でしたので、葬儀は仏式で行われました。義祖母は、「慶節茂詠大姉(けいせつもえいだいし)」という戒名をいただいたんですが、僧侶の方が、その戒名をつけた理由を説明してくれました。

慶・・93歳の大往生を慶ぶということ
節・・季節の節目に亡くなられたということ
茂・・名前の一字
詠・・俳句を詠むのが好きだったことから
大姉・・まあ、肩書きみたいなもんですね。

その僧侶の方は、「滝に打たれるのも修行、座禅も修行ですが、一生懸命好きなことをやることも、これも修行です。(義祖母が)俳句を一生懸命やられていた、これも立派な修行です。」というようなお話しをされていました。

スティーブン・コビーの「7つの習慣」の中でも、自分の葬儀の際に、家族、友人、上司、部下、地域社会の人などの参列者が自分のための追悼スピーチを行う状況を想像してみなさいというくだりがあります。自分をどのように表現してもらいたいかということから、自分がこれからなすべきことをビジョニングするというための、ひとつの取り組みとして紹介しているわけです。

自分の戒名に一文字入れてもらうとすれば、どんな一文字なのか。そんなことを考えさせられた瞬間でした。

人生の集大成は、死んだ瞬間にあるのかもしれません。

最近、葬儀の際の香典を寄附するというケースが出てきています。そうした希望のある方々に対して、NPOが参列者への会葬御礼を代行して送付するというようなサービスをやっているNPOもあります。

アメリカでも、Planned Givingという遺産寄附は、寄附市場で非常に大きな役割を有していますが、日本社会は、死者への弔いをとても大切にする社会ですので、故人の生き様をあらわす戒名の一文字の話を聞いていて、こうした寄附のあり方についても、改めて考えさせられる一日でした。

日本の寄附市場についての分析レポートは、時々、思い出したように発行されますが、アメリカのGiving USAやIndependent Sectorのように包括的かつ経年でトレンドを追いかけられるようなものが余りありません。(これは、日本のレポートが、アドホックな助成が取れたら調査するというタイプのものが中心であることによるとは思いますが)

しかし、ここ数年行われている調査研究は、アメリカの寄附市場についての調査分析レポートの充実度を反映してか、非常に有益な情報を多く含むものが出てきています。

こうした調査から、いろんなことが明らかになり、戦略的な取り組みが助長されるという側面はあると思います。

例えば「日本人が何故寄附をするのか」という問いに対して、一番多い回答が、「寄附は助け合いの心の表現である(89.3%)」というものであり、反面、同種の調査で、アメリカでは、「その大義に強く共感するから(59%)」「正しいことや倫理的なことをしたいから(47%)」という回答がメインであるということも、日本社会の特性を理解するうえで助けになります。

こうしたことは、実感値ではなんとなく分かっていても、いざ数字が目の前に出てくると、思い切った意思決定(例えば、「助け合い」のコンセプトを前面に出したファンドレイジングへの転換)に繋がりやすくなるという意味で、ファンドレイジングの底上げに繋がるといえるでしょう。


先日、東京財団にお願いして、「日本のNPO/NGOにおけるファンドレイズ機能とその発展ストラテジー」(大西たまき著・東京財団研究報告書)というのを送ってもらいました。

この報告書、オンラインでもダウンロードできますので、ファンドレイジングに関心のある方は、是非ともダウンロードしてご覧になることをオススメします。http://www.tkfd.or.jp/publication/reserch/2005-12.pdf

私も、アメリカでファンドレイジングを専門で実施しているCommunity Sharesという組織で働いたり、ファンドレイジングについて大学院や訓練機関で学んだりしましたが、この研究報告書の視点は、大変いいですね。日米の比較の視点から、非常に具体的に課題を洗い出しています。(特に6章)

私も、日本とアメリカの寄附市場の規模の違いを埋めるためには、日本に「ファンドレイザー」というプロフェッショナルとしての職業が認知されていく必要性を感じています(アメリカでは、8万人以上いるといわれています)。この研究報告書はその観点でも、課題の洗い出しに優れていますね。

ここ数年で読んだ、こうしたたぐいのレポートの中では、出色ですね。

マーケティングの世界でいう、1:5の法則と5:25の法則というのをご存知でしょうか。

1:5の法則とは、新しい顧客を開拓し、販売するコストは、既存顧客に販売するコストの5倍かかるという法則です。

5:25の法則とは、顧客離れを5%改善すると、利益が最低でも25%は改善されるという法則です。


NPOにおいても、過去の寄付者、支援者、会員というのは、活動を支える重要なリソースですが、ともすれば、そうした支援者の善意に甘えて、とおり一辺のコミュニケションしかしていないという場合があります。

例えば会員制度を有してるNPOの場合、毎年の会員継続率がどの程度あるのかを年次総会や理事会で必ず報告するというのをルール化してみてはどうでしょう。NPO経営において、寄付者や会員が離れているのを、「仕方の無いこと」と考えているとすれば、それは、経営リソースの非常に重大な損失を受け入れているということになります。顧客離れを5%改善するということは、単に5%顧客が、離れることを止めたという事実のみならず、そのNPOの顧客とのコミュニケーションがそれだけ改善しているということですから、そのほかの既存顧客も、そのNPOへのロイヤルティを高め、寄附金額を増加させたりする可能性もあります。その結果寄附収入を25%増加させることに繋がると考えても間違いではありません。

NPOの理事会や総会で、定期的に会員継続率や寄付者のリピート率を報告するだけでも、経営マインドの醸成に大きく貢献することとなると思います。

ちょっと前になりますが、関西国際交流団体協議会が発行している「NPOジャーナル」の第12号(平成18年1月発行)で、「寄附・募金を考える〜日本に寄附文化を根付かせるために」という特集を行っていました。

記事の内容としては、「ファンドレイジングの総論」的なものが中心でしたが、今の日本のファンドレイジングの現状を全体として把握するにはよい特集でした。この中で、個人的には、「赤い羽根」「ホワイトバンド」「白いリボン」の3つのキャンペーンシンボルで知られる、中央共同募金会、ほっとけない世界の貧しさキャンペーン、白いリボン運動実行委員会の3組織の中心メンバーで行われた座談会に関心がひかれました。

この3団体、非常に似ているところとまったく違うところがあります。中央共同募金会は、皆さんもご存知のとおり、創設60周年を迎える、全国にあまねくネットワークを有した、歴史のある団体です。04年度は227億円を募金で集めています。白いリボン運動は、阪神大震災の翌年の96年に、犠牲者の「追悼」、支援者への「感謝」、そして「再生」への決意という3つの意味をこめた「白いリボン」を胸につけるという運動で、毎年数十万本のリボンが配布され、NPO活動支援につなげています。05年には630万円を集め、NPOに助成しています。また、「ほっとけない世界の貧しさ」キャンペーンは、最も最近のアドボカシー・キャンペーンで、ホワイトバンドを400万個以上販売しています。こうしてみると、それぞれの団体は、歴史も、活動の内容も、規模も違いがあります。

しかし、この3団体とも、キャンペーンシンボルをうまく活用している点が共通しているといえます。こうしたキャンペーンシンボル(赤い羽根やホワイトバンド)は、ファンドレイジング・キャンペーンにおいて、次のような効果をもたらすといえると思います。

〔椶魄く(関心をひく)
 マーケティングの原則には、人にAttention(注意)とInterest(関心)を惹起するということがあります。こうしたグッズは、支援した人自身を広告塔にするという役割も担っている点が、マーケティング的に優れている点です。

▲好謄ぅ織垢箸覆
 特に社会的地位のある人や人目につく職業の人(アナウンサー等)が、こうしたグッズを身につけることで、自らのライフスタイルを社会に対して明示することが可能となります。このこと自身が支援を行ううえでのモチベーションとなりえます。

やりやすさ
 寄附という行為は、もちろん直接的な見返りを期待せずに行うべきものでしょうし、寄附を受ける側も、相手が趣旨に賛同して寄附してくれるわけですから、堂々ともらえばいいんです。しかし、どうも寄附する側、される側というのは、施しをする側とされる側みないな感じがするときがあります。街頭募金でも、寄附を受けて、キャペーングッズをお渡しするというのは、なんとなく感謝を形で表している感じもして良いという場合もあると思います。

ぅャンペーンの分かりやすさ
 特に全国規模で展開するような募金活動では、「ブランド戦略」がとても重要ですが、グッズ・キャンペーンは、そのグッズそのものがメディアや一般の人にとってわかりやすい(一言で紹介できる)というメリットがあります。(「赤い羽根の共同募金」というのと、「中央共同募金会が毎年実施している、社会福祉活動を行う人々を支援するための募金キャンペーン」というのでは、イメージの浸透力が違います。)
 以前、私がかかわっていた団体でも、「ひまわり募金」というキャンペーンを行って、好成績を収めましたが、グッズを用いなくとも、一言で表現できるイメージ戦略は効果があると思います。





移植手術募金で最近で最も話題になったのは、全腸管壁内神経細胞未熟症という大変な難病で移植手術が必要となったA・Kちゃんのケースでしょう。このケースでは、手術費用が1億3千万円という途方もない金額であったうえに、非常に危険な状態で、早期手術が必要であったこと、そしてなにより、お父さんが鹿島アントラーズの設立時からの熱心なサポーターでもあり、アントラーズを中心に、大々的なキャンペーンがメディアの関心を集めました。

この募金活動は、11月16日に茨城県庁で記者会見を行い、募金活動を開始し、なんと11月30日には1億3千万を集めきることに成功しました。この成功にも、様々な要因が絡んでいることとは思いますが、私が関心を持ったことをいくつかご紹介します。

(膓盂始日にこだわっている点
上述のとおり、救う会の発足宣言と募金開始宣言は11月16日に一気に行っています。実は、その日以前から、当然救う会の事務所の準備や募金箱の準備、ちらしの準備や協力団体との連絡調整等の準備は進めているわけですので、その過程で、募金の申し出もあったそうです。しかし、救う会としては、意識的に、「募金解禁日は、記者会見の16日」という設定を行い、それまでは募金を待ってくれるようにお願いしています。「こうした募金活動、それも今回のようにより限られた時間の中でおこなうときは、ある種の特別な勢いが必要なんです。(同救う会のホームページから)」
11月16日に、募金活動に協力してくれる人々への説明会も一斉に行っていますので、この、「一気に波を起こして、一気に乗り切る」という勢いを重視し、成功につなげている点が、大変興味深いところです。

▲ぅ鵐拭璽優奪箸鯆未犬織船礇優覲拓に秀でていること
ホームページから募金お願いのチラシがダウンロードできるようにしているほか、リンクをはってもらうよう各方面に働きかけています。実際、鹿島アントラーズ等の訪問数の多い協力団体サイトからのリンクで救う会のホームページに訪れた方は相当あるそうです。また、多くの個人のブログでもリンクをはって応援していたようです。

C惨集中の物量戦
16日に募金活動解禁となった際に、チラシは、B2で1万枚、A4で3万2千枚用意していたそうです。私も自分の住む町で、別の子どものための「救う会」の募金活動に接したことがありますが、募金箱ひとつとっても、近所のスーパーではじめてみつけたときには、正直いって、「ふーん、可愛そうだなあ」と感じたくらいで、積極的に支援するという段階には意識が高まっていきませんでした。しかし、その数日後、子どもの通う病院に行くと、そこの受付にも募金箱があり、その週末には、駅前で街頭募金があり・・と、複数回目にするうちに、「本当に大変なんだな、支援しなきゃ」という気持ちと、「これだけ大々的にやっているなら、信頼できる活動かな」という気持ちになったのを記憶しています。潜在的寄付者の生活圏で、短期間に複数回目に触れるようなキャンペーンを行うことで、注意を喚起し、信頼性を高める効果があったものと思います。

こうした移植手術を必要とする家族のために、トリオ・ジャパンという組織が支援活動を行っていますが、その組織が、いろいろと救う会にノウハウを伝授しているようです。移植手術の募金活動は、日本社会の善意を非常にうまくくみ上げているなという印象です。

なお、K・Aちゃんを救う会の場合、11月30日をもって、積極的な募金活動は修了したそうですが、結局、2月6日現在で2億1千万円強集まったそうです。こうした目標額を超えた資金は、万一の再手術等の必要があった場合に備えたり、あるいは、他の救う会に振り分けたりすることとなるそうです。

まず、こちらのサイトを見てください。http://www.ayanokouji.com/link/transplant.html
私にとっても発見でしたが、非常に多くの移植手術等のための募金活動があります。このサイトで紹介されている「○○さんを救う会」というのは43会(43人分)あり、目標額達成はなんと39会にのぼります。目標額に対して8割程度が集まり、手術⇒無事退院までこぎつけたものが2つありますので、それを含めると、紹介されている「救う会」の95%が目標額を集めるか、手術にいたっていることになります(但し、この中には、目標額は達成したけれども、間に合わず、永眠された方が10名が含まれます)。

この数字を見て、改めて日本社会の善意の持つ潜在的なエネルギーに震えるほどの感激を覚えます。私の長女も、幼くして心臓手術を行いましたが、このときの親としての不安や悩みは、とても一言でいいあらわせるものではありません。私の娘の場合は、移植は必要ではありませんでしたが、移植が必要だとすると、数千万という、自分の力だけではどうしようもないお金の前に、父親としての無力感の中で絶望したのかもしれません。そうした思いにある両親を、日本社会の善意が救っているという事実に、本当に、感激します。

こうした善意の橋渡しを、いろいろなNPOの活動で担い、感動を生み出すのがファンドレイザーの仕事だと思います。

さて、私の感傷はさておき、ここで、もう少し、実態を見ていきたいと思います。
ある、I・Y君を助ける会の会計報告を見てみます。このキャンペーンの目標金額は6000万円です。キャンペーン開始が9月12日の地元市役所記者クラブでの記者会見、12月には渡米しています。

収入内訳はこんな感じになります。
総収入 1億1943万4792円
内訳ヽ稿募金 667万9432円
内訳∧膓眸◆ 。隠沓横桔4706円
内訳持ち込み 1618万7246円
内訳た狭み  7931万3417円

このキャンペーンでは、千葉ロッテマリーンズが協力して、ホークス戦の3試合で募金活動を行っていました。その際の募金収入は424万円でした。もちろん、千葉ロッテマリーンズが協力しているという事実で、メディアの注目度が高まったという副次的効果があったことは間違いありませんが、全体の金額からすると、ロッテマリーンズでの募金活動はあくまで一部の収入であって、大部分はそれ以外の収入源から集めていることがわかります。 このキャンペーンの場合、約3ヶ月で1億円を集めたことになりますが、実は、別のケースでは、実質2週間で1億円を集めきった救う会もあります。

先日、TVで、心臓病を抱えている6歳の子どもがアメリカで移植手術を受けるという報道がありました。ご存知の方も多いと思いますが、今の日本の臓器移植法では、15歳以上でないと臓器提供者になれないため、子どもが臓器移植によってしか生命を維持できないケースでは対応できないこととなってしまいます(臓器のサイズがどうしても合わないため)。

私も、アメリカに滞在中に、身内が手術を受けることになったことがありますが、アメリカの医療は、べらぼうに高い。特に移植手術とかになると、5千万から1億以上の金額を払わないと受けることができません。ですので、普通のアメリカ人は、予め医療保険に自分で入っているわけですが、日本で生活する普通の人は、アメリカでは無保険で医療行為を受けることになりますから、全額を予め払わないと手術を受けることができないことになります。

そのため、小さな子どもが重病で、心臓や内臓の移植が必要となるようなケースでは、大金持ちでもなければ、当然、個人で負担できる金額ではなくなってしまっていますので、募金を募ってでも何とか手術を受けさせたいと考えるのが親の人情でしょう。

ときどき、TVなどでも見る、こうした移植手術募金では、例えば鹿島アントラーズがバックアップしたとか、千葉ロッテが支援したとかいう美談とともに、「無事1億円集まりました!」というニュースとして紹介されることがあり、「やっぱり有名人(有名組織)がバックアップしていると、寄付が集まるんだな。ウチのNPOの資金調達の話とは違いすぎる話だな」と考える方も多いと思います。

私も、個人的に、「どうして日本社会のように、寄付の集まりにくい社会で、移植手術寄付はこれだけの巨額を集めることに成功しているんだろう。」ということにとても関心を持っていましたが、「やはり鹿島アントラーズがバックアップしているんだったらね。」という印象から、通常のファンドレイジングとは「別世界」のものであると感じていたのも事実です。

ところが、改めてこの「移植手術費募金キャンペーン」をいろいろ調べてみると、まず、メディアで大々的に紹介されているもの以外にも、数多くの手術が必要な子どものための募金キャンペーンがあることが分かりました。しかも、その多くが、何千万という目標金額を見事集めきっているという事実に驚愕しました(なかには、集めている途中に残念ながらその病気の子どもが亡くなるケースもあります)。

その資金集めのノウハウは、実は多くの中小規模のNPOのファンドレイジングにも参考になるとこともあるなという印象です。明日以降、このノウハウについてご紹介します。

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